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更新日:2016年3月24日

H14主要成果畑作

平成14年度に「主要成果」に採用された成果のうち畑作を中心にした10課題の概略について紹介します。
詳細は、担当研究室にお問い合わせください。

1.小麦の作期移動に伴う生育・収量・品質の変化
2.六条大麦の作期移動に伴う生育・収量・品質の変化
3.輪作のための作土EC別六条大麦「マサカドムギ」の導入指標
4.秋冬ハクサイにおける局所追肥技術
5.エシャレット栽培における開孔作業の軽労働化技術
6.ネギ栽培における基肥全量溝施肥法の機械化
7.地図情報システムを活用した小麦子実粗タンパク含量の解析
8.カ-バム系薬剤の土壌消毒跡地におけるハクサイ黄化病発病抑制効果
9.ハクサイ黄化病に対する生物防除資材「内生細菌」の効果的な利用技術
10.ホソへリカメムシ密度調査のための集合フェロモントラップ

 

 


 

小麦の作期移動に伴う生育・収量・品質の変化

担当:作物研究室
〔背景・ねらい〕
近年の暖冬や水稲の生産調整対策の強化により,適期とかけ離れた播種期での栽培例が多く見られる。そこで,広範な播種期について生育,収量,品質特性を確認し,栽培指導上の資料とする。
〔成果の内容・特徴〕
出芽まで日数は12月,1月播種で長くなる傾向が見られ,最長で約40日を要する。しかし,出芽率はいずれの播種期でも良好である。
出穂期,成熟期は播種期の遅れに伴い遅くなるが,生育期間および登熟期間は短縮し,3月10日の播種期では成熟期は6月25日頃で,11月上旬播種より約18日遅くなる。また,播種期は同じでも播種量を2倍にすることにより1日程度成熟期が早まる。稈長は3月までの播種期であれば極端な短稈とはならず,コンバインの収穫作業に影響はない。
晩播に伴う穂数の変化は年次により異なる(平成10年播種は減少,同13年播種は変化少)。そのため,播種量を2倍にしても穂数が増加する場合(平成10年播種)としない場合がある。
収量は,晩播に伴って少なくなる傾向が見られるが,3月の播種期でも適期播種の約80%が得られ極端な低収にはならない。千粒重は2月中・下旬播種以降で軽くなり,大粒の割合が減少する。外観品質は播種期が適期より遅れると低下する傾向が見られ,検査等級は2月中旬以降の播種期から規格外となる。
病害では2月播種以降赤さび病が多発することがある(平成10年)。
これらのことから,12月までの播種であれば生育・収量を確保しながら1等を得ることが可能であり,また2月上旬までの播種であれば,成熟期が適期播種より最長で2週間程度遅れるものの,生育・収量を確保しながら2等以上の品質となるため販売可能な晩限と考えられる。
また,晩播における播種量は必ずしも増量をする必要はないが,安定的に穂数を確保するためには有効である。
〔成果の活用面・留意点〕
小麦は11月上旬の適期播種が高品質・多収の基本であり,緊急時以外は晩播しない。晩播による成熟期の遅れにより穂発芽等の品質低下の危険性が高まる。
水戸市上国井町農業研究所内圃場の畑(平成10年,表層腐植質黒ボク土),及び輪換畑圃場(平成13年,同多湿黒ボク土)における,畦幅30センチメートル条播(ドリル栽培)の結果である。


 

六条大麦の作期移動に伴う生育・収量・品質の変化

担当:作物研究室
〔背景・ねらい〕
近年の暖冬や水稲の生産調整対策の強化により,適期とかけ離れた播種期での栽培例が多く見られる。そこで,広範な播種期について生育,収量,品質特性を確認し,栽培指導上の資料とする。
〔成果の内容・特徴〕
出芽まで日数は12月下旬,1月上旬播種で長くなる傾向が見られ,最長で約40日を要する。しかし,出芽率はいずれの播種期でも良好である。
出穂期,成熟期は播種期の遅れに伴い遅くなるが,生育期間・登熟期間は短縮し,3月10日頃の播種期では成熟期は6月中旬となり,適期播種より約3週間遅くなる。また,播種期は同じでも播種量を2倍にすることにより1-3日程度成熟期が早まる。
稈長は晩播により短くなり2月播種以降は60センチメートル以下となり,コンパ'インでの収穫作業が困難になることが懸念される。
穂数は,播種期の遅れによって減少することがあるが,播種量を2倍にすると増加する。
収量は晩播により減少するが,3月播種は適期播種の約70%と他の播種期に比べて大きく減収する。また,播種量を2倍にした場合でも必ずしも増収効果は認められない。
晩播に伴って一穂粒数が減少し千粒重は重くなる傾向があるが,リットル重に大きな変化はない。外観品質は晩播により低下する傾向が見られ,2月播種から規格外となることがある。病害は11月下旬以降の晩播でうどんこ病が多発する。
これらのことから,12月までの播種であれば生育・収量を確保しながら1等を得ることが可能であり,また1月下旬の播種であれば,成熟期が適期播種より2週間程度遅れ6月上旬となるものの,生育・収量を確保しながら2等以上の品質となるため販売可能な晩限と考えられる。また,晩播における播種量は増量する必要はないが,安定的に穂数を確保するためには有効である。
〔成果の活用面・留意点〕
六条大麦は11月上旬の適期播種が高品質・多収の基本であり,緊急時以外は晩播しない。
水戸市上国井町農業研究所内圃場の畑(平成10年,表層腐植質黒ボク土),及び輪換畑圃場(平成13年,同多湿黒ボク土)における,畦幅30センチメートル条播(ドリル栽培)の結果である。


 

輪作のための作土EC別六条大麦「マサカドムギ」の導入指標

担当:作物研究室
〔背景・ねらい〕
露地野菜産地の生産安定のため,跡作輪作作物として六条大麦のEC別導入指標および施肥法を確立する。そこで露地野菜産地現地圃場において,秋レタス跡のECが高い土壌条件でマサカドムギのEC別施肥法を確立する。
〔成果の内容・特徴〕
農業研究所内(表層腐植質黒ボク土)において肥料,土壌改良資材等で人工的にECを調節した場合,ECが0.34mS/センチメートル程度では倒伏によりマサカドムギの栽培は不適であり,晩播しても倒伏程度を軽減することは出来ない。作土のECが0.18mS/センチメートル程度の場合は無肥料,基肥少肥(栽培基準の半量)での栽培が可能である。なお,ECが0.1mS/センチメートル程度以下の場合は栽培基準に準じた施肥を行う。
露地野菜産地(表層腐植質黒ボク土)における輪作体系において,レタス跡・マサカドムギ播種前のEC0.12mS/センチメートル程度にマサカドムギを作付けする場合,施肥量を無肥料とすることにより生育量がかなり多くなるが,倒伏程度は中以下程度で多収が得られる。粗蛋白含量も高いことから麦茶適性が高く,外観品質も「中の中」程度となる。また,ECが0.12mS/センチメートル程度における倒伏程度を考慮すると,EC0.12mS/センチメートルを越える場合は倒伏程度が大きくなって耕作不適になると考えられる。
以上から,農家圃場において秋レタス等の露地野菜との輪作体系にマサカドムギを導入する場合,マサカドムギ播種前におけるEC別栽培の可否,および施肥量は以下とすることにより高品質多収が得られる。
(1)ECが0.10mS/センチメートル未満の場合は栽培基準に準じて施肥を行う。
(2)ECが0.10から0.15mS/センチメートル程度であれば無肥料とする。
(3)ECが0.15mS/センチメートル程度を越える場合は生育量が過剰となり倒伏するため作付しない。
〔成果の活用面・留意点〕
農業研究所内と現地圃場でのECの値に対して六条大麦の生育が異なるが,人工的にECを調節した造成圃場と産地における露地野菜の長期連作圃場における地力等の条件の違いによると考えられる。ここでは露地野菜産地における結果から施肥法を策定した。
ECが高い場合は過繁茂になりやすく,うどんこ病の発生が多くなるので防除を徹底する。


 

秋冬ハクサイにおける局所追肥技術

担当:経営技術研究室
〔背景・ねらい〕
ハクサイ生産の生産性を向上するためには,栽培の省力化・機械化が不可欠であり,機械収穫を前提とした均一化栽培技術を確立する必要がある。そこで,均一化栽培技術として,ハクサイの大きさに応じた追肥量を株元に追肥することで,ハクサイを均一に栽培できる局所追肥技術を確立する。
〔成果の内容・特徴〕
局所変量追肥は,追肥作業時のハクサイの草冠幅を計測して,草冠幅の確率度数分布の5%以下の株には無追肥,5~95%の株には追肥関数に従い変量追肥,95%以上の株には定量追肥する。追肥関数は,坂上の施肥関数と,追肥時の地上部重を目的変数とし草冠幅を説明変数とする一次回帰式から求める。局所変量追肥は,草冠幅の確率度数分布95%以上の株の追肥量を,慣行追肥量の70%とする追肥関数で,ハクサイの初期生育や調製重の変動を低くすることができる。
局所変量追肥は,移植後20日頃に,追肥関数に従いぺ-スト肥料を株元に灌注することで,ハクサイの調製重を高めることができる。
畝内条施肥と組み合わせた局所変量追肥量は,基肥として高度化成を畝内に施肥窒素で15キログラム/10a条施肥し,追肥関数に従い,5~10キログラム/10aを変量追肥することで,ハクサイの調製重を高め,変動を少なくすることができる。
局所追肥作業の機械化を図るために茶園用に開発された畑用灌注ぺ-スト機をハクサイに使用できるよう改良した。改良機は,作業能率0.9h/10aで,打ち込み間隔45センチメートルに定量追肥することができる。
〔成果の活用面・留意点〕
この成果は,追肥関数に従い,改良機の灌注量を手動で調節し,ハクサイの株元に変量追肥した。


 

エシャレット栽培における開孔作業の軽労働化技術

担当:経営技術研究室
〔背景・ねらい〕
鹿行地域は,都市近郊型の産地として,軟弱野菜やかんしょ等の産地化を図ってきた。しかし,地域特産作物であるエシャレットは,機械化が遅れ,産地の発展が危惧されている。そこで,エシャレット栽培の省力的生産技術を確立するために,播種作業で,作業負担が大きい開孔作業を軽労働化する。
〔成果の内容・特徴〕
エシャレット栽培で播種穴を開孔する開孔機を開発した。開孔機は,クロ-ラ型運搬車に,試作した開孔装置を装着し,開孔部を複動式油圧シリンダ-で上下方向に往復運動させる機構とした。
開孔機は,1回の動作で,直径5センチメートルで深さ15センチメートル程度の播種穴を10穴(条間35センチメートルの2条,株間5センチメートル)開孔できる。
開孔機を使用した開孔作業の作業能率は,6h/10a程度で,手作業と同程度である。
慣行手作業の作業強度は,心拍数増加率及び%HRmaxから,「中から重程度の作業」と推定できる。他方,開孔機を使用した作業強度は,「軽い作業」と推定できる。
〔成果の活用面・留意点〕
畝内の土壌が硬い状態での作業では,開孔深が浅くなるので,マルチ敷設作業前に深耕する。
畝内の土壌水分が高い状態での作業では,開孔部に土が付着するので,付着した士を除去しながら作業を行う必要がある。


 

ネギ栽培における基肥全量溝施肥法の機械化

担当:経営技術研究室
〔背景・ねらい〕
本県の重要な露地作物であるネギ生産は,輸入物の増加に伴い産地の発展が危惧され,より競争力の高い省力的な生産技術を確立する必要がある。また,環境負荷軽減の視点から施肥量の削減技術の確立が求められている。そこで,施肥量の削減と追肥作業の省力化を図るために施肥量の全量を基肥として植え溝に施肥できる溝施肥機を開発する。
〔成果の内容・特徴〕
施肥量の全量を基肥として施肥しながら作溝できる溝施肥機を開発した。溝施肥機は,ロ-タリ-カルチ(ネギ用培土爪使用),モ-タ駆動型肥料繰り出し装置(横溝ロ-ル式(大口)),コントロ-ルユニット,試作した溝施肥オ-プナによって構成されている。試作した溝施肥オ-プナは,ドリルシ-ダの播種オ-プナとハンドカルチベ-タのシャンクから構成されている。
溝施肥機は,肥料繰り出し装置とコントロ-ルユニットを2連装着しているために,肥料を溝部と畝部に分施できる。繰り出し量は,畝部のコントロ-ルユニットの開度(モ-タの回転数)と溝部のコントロ-ルユニット開度を組み合わせることで任意に調節できる。
溝施肥機は,作業速度に適したコントロ-ルユニット開度(溝部と畝部)に設定することで,目標施肥量を施肥することができる。溝部の施肥位置は,畝際に深さ4センチメートル,幅3センチメートルに,肥料が露出することなく条施できる。
溝施肥機を使用した作溝・施肥作業は,作業能率0.8h/10aで,歩行型培土機の30%程度省力化できる。
〔成果の活用面・留意点〕
施肥量は,「セル成形苗利用機械移植による秋冬ねぎの肥効調節型肥料を用いた全量基肥溝施肥法」(平成11年普及に移せる技術)を参考にする。


 

地図情報システムを活用した小麦子実粗タンパク含量の解析

担当:土壌肥料研究室,作物研究室
〔背景・ねらい〕
地理情報システム(GeographicInfomatonSystem:GIS)は,様々なデ-タソ-スの地図を重ね合わせ,コンピュ-タ画面上に表示し,空間的な検索や解析,迅速な判断を可能にする技術である。これを小麦品質調査のために県内主産地から収集された「農林61号」の子実粗タンパク含量の分布に適用し,土壌を中心とした生産環境との関係を明らかにする。
〔成果の内容・特徴〕
小麦品質調査(平成14年実施)1,962サンプルの採取地点を市町村丁目名によってGIS上に配置した。子実の粗タンパク含量から採取地点毎に色分けし,地理的な分布を図示した。GISにより採取地点の位置情報と各種デ-タベ-ス1.平均標高(国土地理院250mメッシュ平均標高),2.土壌統群(茨城県),3.ほ場の排水性(農水省構造改善局基盤整備基本調査)を結合し,採取地点のデ-タを獲得してデ-タソ-ス毎に子実の粗タンパク含量について統計処理を行った。
土壌を母材により沖積土,火山灰土,有機質土に分類し,該当するほ場の小麦子実の粗タンパク含量(以下CPと省略)を比較すると,CPは火山灰土で最も高く,沖積土で低い。
標高別にみた小麦のCP分布は,標高12m以下の低地ではCPは低く,19~32mの台地で最もCPは高かった。小麦のCPは沖積低地では低く,火山灰洪積台地で高いことから,標高別のCP分布は土壌の高度別分布とほぼ一致する。
ほ場の排水区分と小麦のCP分布は,ほ場の排水区分が「普通」でCPが高く,排水区分「不良」でCPが低いなど,判然としなかった。これは,ほ場の排水が「よい」「普通」に区分される火山灰土でCPが高く,サンプル数が多いためと考えられる。
GISを用いることにより,現地調査を実施することなく,小麦子実の粗タンパク含量のデ-タに基づく地域分布を迅速に把握することができる。
〔成果の活用面・留意点〕
GISはPC専用ソフトウエアとして販売されているが,運用するには専門知識が必要です。
農業系GISを構築すれば,生産環境,品質管理などに関する様々なデ-タソ-スの属性情報を相互に関連付けることで高度な要因解析が行える。


 

カ-バム系薬剤の土壌消毒跡地におけるハクサイ黄化病発病抑制効果

担当:病虫研究室
〔背景・ねらい〕
現場では,ハクサイ黄化病防除対策としてカ-パム系薬剤を用いた土壌消毒が行われているが,ほとんど無被覆処理で,防除効果が不安定となっている。そこで,本病に対する最も効果的なカ-バム系薬剤の土壌消毒法を明らかにするとともに,土壌消毒と耐病性品種を利用した持続的な防除技術を開発する。
〔成果の内容・特徴〕
カ-バム剤は10a当たり原液30~50Lを,カ-バムナトリウム塩液剤は10a当たり原液60Lを,水で3倍に希釈して圃場全面の地表面に散布,土壌混和して,直ちに畦立て全面マルチ抜覆(白黒Wマルチ,20日間くん蒸,ガス抜き無し)した。カ-バム剤土壌消毒跡地におけるハクサイ罹病性品種(新理想めぐみ等)の黄化病発病度は,消毒後2年間,クロルピクリン剤(80%油剤)の全面マルチ畦内注入跡地およびダゾメット微粒剤土壌混和跡地に比較して低く推移する。各種土壌消毒跡地に黄化病耐病性品種(黄ごころ77)を栽培した場合,いずれの土壌消毒跡地においても耐病性品種は常に罹病性品種より再販品率が高く,特にカ-パム剤土壌消毒跡地での再販品率は,2年間とも90%以上と安定して高かった。各種土壌消毒剤のうち,土壌消毒当年のハクサイ黄化病防除効果は,クロルピクリン剤の全面マルチ畦内注入処理が最も高いが,消毒翌年に無消毒で罹病性品種を栽培すると,発病度は急激に高まる。本法は畦内のみの部分消毒であるため,畦間の未消毒土壌が耕起時に拡散して,翌年の発病を高める要因となるものと考えられる。
〔成果の活用面・留意点〕
カ-バム系薬剤を無被覆で処理すると防除効果は著しく劣る。土壌消毒をしても,その跡地で罹病性品種を無消毒で栽培するとハクサイ黄化病の発生は多くなるので,耐病性品種を用いて防除効果を高める。ハクサイ黄化病の発生が高まると,耐病性品種の導入効果も低くなるので,耐病性品種に偏重した栽培は行わない。


 

ハクサイ黄化病に対する生物防除資材「内生細菌」の効果的な利用技術

担当:病虫研究室
〔背景・ねらい〕
一般に生物防除は化学防除に比較して効果が低く,不安定であることが多い。そこで,生物防除素材である内生細菌のハクサイ黄化病に対する防除効果を検討するとともに,本菌の現場における最も効果的な利活用技術を開発する。
〔成果の内容・特徴〕
内生細菌(蛍光性シュ-ドモナスHA100377株)を含有した培土(兵庫県農総セ農技作成)をセルトレイに詰めた後,ハクサイ種子を播種,育苗する。さらに,尿素ポリマ-を定植前に10a当たり200キログラム士壊混和する。ハクサイ黄化病に対して,内生細菌接種苗および尿素ポリマ-土壌混和のそれぞれ単独処理の防除効果は低いが,両者を併用すると防除効果は高まる。しかし,生産物の85%が商品価値を失うような本病の多発生条件では,内生細菌接種苗と尿素ポリマ-土壌混和の併用処理の防除価は40~60,ハクサイ再販品率は60%前後と防除効果は不十分である。ハクサイの再販品率が70%以上あるようなハクサイ黄化病の少発生圃場において,内生細菌接種と尿素ポリマ-土壌混和との併用処理を適用するとさらにハクサイ再販品率が高まり,土壌消毒を行わなくても実用的な収量が得られる。ハクサイ黄化病の多発生圃場において,カ-バム剤(NCS)の全面マルチ消毒(3倍希釈液,10a当たり90L散布混和同時全面マルチ被覆)を実施した圃場では,翌年まで防除効果が持続するが,本圃場に内生細菌接種苗と尿素ポリマ-土壌混和の併用処理を適用することにより,さらに高い防除効果が得られる。
〔成果の活用面・留意点〕
尿素ポリマ-(窒素全量25%)の施用量は,10a当たり200キログラムと多いが,本資材は水に難溶性で雨水による流出が少なく,微生物によって分解され,植物に吸収される。肥料効果は緩効性で長期間持続する。内生細菌接種苗と尿素ポリマ-土壌混和の併用処理は,総合防除を図るための一手段として用いる。内生細菌は農薬無登録である。


 

ホソへリカメムシ密度調査のための集合フェロモントラップ

担当:病虫研究室
〔背景・ねらい〕
ダイズを加害するホソヘリカメムシは,集合フェロモンが同定されている。現在,合成集合フェロモンを誘因源としたトラップを用いて誘殺消長を調査し,発生予察に活用する方法が検討されている。しかし,ホソヘリカメムシの捕獲に適したトラップは明らかになっていない。そこで,既存のトラップを用いて,捕獲虫数,設置および調査の簡便さについて検討し,ホソヘリカメムシ密度調査用のトラップを選定する。
〔成果の内容・特徴〕
ホソヘリカメムシの集合フェロモントラップとして,T社製乾式トラップ(ハスモンヨトウ用)および粘着板トラップ(両面・垂直設置)は,捕獲虫数が多い。しかし,粘着板トラップは捕獲虫数が不安定であることがあり,また,ほこりの付着や粘着剤の落下により,長期間の設置には不向きである。
乾式トラップのみでは一度捕獲した成虫が逃亡することがあり,捕獲虫数が安定しないが,乾式トラップ内に毒餌(エドフェンフロックス乳剤100倍液に浸漬したダイズ種子)または粘着板を設置することで,逃亡を防ぎ,効率的に捕獲できる。
乾式トラップ内に毒餌を設置すると誘因された虫が麻痺するため,内部に粘着板を設置した場合と比較して,虫の回収および計数を容易に行うことができる。
〔成果の活用面・留意点〕
毒餌は1週間ごとに交換する。
本トラップはホソヘリカメムシの発生予察のための密度調査用に使用する。したがって,一般の場面では使用できない。


このページに関するお問い合わせ

農林水産部農業総合センター農業研究所庶務課

茨城県水戸市上国井町3402

電話番号:029-239-7211

FAX番号:029-239-7306

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