ホーム > 茨城県の各部局の業務案内 > 政策企画部 > 本庁 > 県北振興局 > ケンポクの記事 > “奥茨城”でクリエイティブに働くことは可能か?|日本仕事百貨とまわる「働き方を考える視察ツアー」レポート(2)常陸太田市/里山ホテル・ワークショップ編
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更新日:2017年12月25日
都会で働くことはこれからの暮らし方の最適解なのだろうか? 私たち「茨城県北クリエイティブプロジェクト」は、東京での働き方に疑問を持つひとに、自然豊かな“フロンティア”である「県北」というオルタナティブを提案するプロジェクトです。
「日本仕事百貨(外部サイトへリンク)」を運営する株式会社シゴトヒトと連携し、県北地域「奥茨城」をまわる「働き方を考える視察ツアー(外部サイトへリンク)」を10/28(土)〜10/29(日)と11/9(木)〜11/10(金)の2回にわたって開催しました。今回は2回目の配信記事として、1日目に常陸太田市の里山ホテルでおこなわれたワークショップの様子をレポートします。
1日目の午前から昼過ぎにかけ、常陸太田の市街地や里山ホテルの館内と周辺を視察した参加者の皆さん。視察して得られた材料をもとに、ワークショップに臨みます。
ワークショップに入るまえに、日本仕事百貨のナカムラケンタさんから改めてテーマについて再確認。
ワークショップの題目は「里山ホテルを活用した働き方」。
ツアー1回目と2回目のそれぞれで2組、合計4組のグループで、視察で得られた気づきを踏まえ、この里山ホテルを働く場としてどう活用できるかをテーマに話し合いました。最後に成果物として具体的なプランを発表してゴールとなります。
まずは、視察を通じて感じたことや気づいたことを共有。 参加者からは「ここまで本気になって話し合うとは思わなかった。楽しかったです!」という声も。
「ぬりえホテル」は、地域に住むひとたちと一緒にホテルの個室をひとつひとつリノベーションし、そのプロセスのなかでホテルに愛着をもってもらうことで何度も通いたくなる仕組みをつくるプラン。デザイナーや建築家がかかわってデザインの完成度を担保しつつ、作業してかかわったひとはDIYを体験できるだけでなく、格安で宿泊することができます。画一的なホテルとは違って、ひとつひとつの個室がまったく違ったデザインや仕様になることで、宿泊のバリエーションが生まれるのも魅力。また、リノベーションされていく様子が、あたかも塗り絵が塗られていくように進捗していく様子をウェブサイト上で確認できるのもユニークなアイディア。
「ヒュッテキャンプ」は「ぬりえホテル」プラン同様、みんなでリノベーションをすることで地域とかかわるきっかけを演出するプラン。あえて関わった人たちのための「秘密基地」にすることで、地域住民、外から来て作業に参加したひとたち、スポンサー企業の“三方良し”を実現できる、とのこと。
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インターネットで仲間を募集し、DIYによって空き店舗を改修し“ともにつくる”手法として「リノベーション」が定着してきました。低コストで内外装を改修できるだけでなく、ともに作業した仲間や地域住民がコミュニティを形成し、完成後もそのまま利用者や運営者としてかかわっていくので、地域活性化の手法としても活用されています。
これらのふたつのグループによって考案されたプランは、いずれも、ともにオフィスやホテルをつくる(リノベーションする)ことでコミュニティをつくるプランでした。
「つながる、はじまる、里山オフィス」は宿泊施設を備えたコワーキングオフィスとしてだけでなく、小屋づくりやブッシュクラフト、アウトドア、農作業体験などのイベントを通じて地域とのかかわりを深めていくプラン。仕事をしに来るひと、遊びに来るひと、それぞれの間口を広げることで、とにかく地域との接点をつくっていくことを重点にしていきたいとのこと。
このプランも「里山オフィス」プラン同様に、里山 × ホテル × オフィスをコンセプトにしています。仕事環境を充実させ、定額プランを用意することで、“渡り鳥”のように定期的にやってくるひとを増やす。そして、里山体験や家づくり、イベントを通して、“クマ”のように定住させることを目指します。
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これらふたつのプランは、このホテルが豊かな自然に囲まれ、畑や果樹園を所有していることにスポットを当てたもの。里山のなかにあるホテル兼シェアオフィスなら、仕事にいそしむと同時に、レジャーや農業を楽しむことができるのは、たしかに大きなメリットです。
気軽にこの場所に来てくれたひとがいつの間にか地域とかかわっている。ゆくゆくはそれが移住するきっかけになるのかもしれません。
常陸太田市は都内から車で2時間程度。自宅とは別のもうひとつの拠点をつくって行き来するにはちょうどよい距離感です。場所に縛られないクリエイティブ職なら、週の半分を都内、もう半分を県北で、という二拠点居住は非常に現実的な選択になるかもしれません。
今回のワークショップでは、すべてのグループが二拠点居住を前提としたプランを発表していました。すぐには定住できないし、まずは地域とのかかわりを持ちたい。地に足の着いた、現実的な思いが見て取れました。
次回は、ツアー2日目、県北のさらに奥、久慈郡大子町の視察ツアーをレポートする予定です。
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