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更新日:2022年11月25日
医薬品を本来の目的以外で使用すること,又は大量に使用することは乱用です。
大麻など違法薬物と同じく,医薬品の乱用は健康障害を引き起こす危険があります。
不安緩和や意欲増進を期待して,市販の鎮咳薬,鎮痛薬,かぜ薬などが乱用されています。
精神科の薬物関連疾患患者について実施された全国調査*で,10歳代の患者の約4割が市販薬を主に乱用していたと報告されています。(図)
図 患者年代別 主たる乱用薬物(2018)
*「全国の精神科医療施設における薬物関連精神疾患の実態調査」(平成30年度厚生労働科学研究費補助金分担研究)分担研究者:国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所薬物依存研究部 松本俊彦部長
鎮咳薬などの市販薬や,睡眠薬・抗不安薬などの処方医薬品の大量服用を続けると,副作用による健康障害ばかりでなく,やめられない状態(依存症候群)になってしまう恐れがあります。
医薬品の乱用から,もっと強い効果を期待し,大麻や覚醒剤など,より危険な違法薬物に手を出してしまう人もいます。
表 薬物関連患者が初めて乱用した薬物(2018)
医薬品の用法用量を正しく理解し,副作用などを引き起こさないように使用しましょう。
また,医師から処方された薬(医療用医薬品)は一人ひとりにあわせて処方されていますので,安易に人にあげたり,もらった薬を使わないでください。
医薬品医療機器等法施行規則第15条の2の規定に基づき,乱用等のおそれのある一般医薬品,薬局製造販売医薬品の販売は,次に掲げる方法によることとされています。
1 薬局又は医薬品販売業者は,薬剤師または登録販売者に次の事項を確認させること
(1)購入しようとする者が若年者である場合は,氏名及び年齢
(2)購入者又は使用者について,他の薬局等での濫用等おそれのある医薬品の購入及び譲受状況
(3)適正な使用のために必要な量(原則1包装)を超えて購入しようと場合は,その理由
2 適正な使用のために必要と認められる数量(原則1包装)に限り販売すること。
ご理解のうえ,適正な購入をお願いします。
・松本俊彦(2019)「市販薬(OTC薬)乱用・依存の現状と防止に向けた課題」医薬品・医療機器等安全情報No.365,p17-22
・「全国の精神科医療施設における薬物関連精神疾患の実態調査」2018報告書(厚生労働省HP)
・今,大麻が危ない!(厚生労働省HP)(外部サイトへリンク)
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