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更新日:2024年9月2日
厚生労働省では、毎年9月24日~30日を「結核・呼吸器感染症予防週間」と定め、結核と呼吸器感染症に関する正しい知識の普及啓発を図ることとしています。
結核は、結核菌によって主に肺に炎症が起きる病気です。
日本では結核の約8割は肺です(肺結核)。結核菌が肺の内部で増えて、結核特有の様々な炎症が起こります。病状が進行すると、呼吸をする力が低下します。
肺以外の臓器が冒されることもあり、腎臓、リンパ節、骨、脳など体のあらゆる部分に影響が及ぶことがあります(肺外結核)。
今でも1日に28人の新しい患者が発生し、5人が命を落としている日本の重大な感染症です。
決して「昔の病気」ではありません。
初期の症状は風邪と似ていますが、せき、痰(たん)、発熱(微熱)などの症状が長く続くのが特徴です。また、体重が減る、食欲がない、寝汗をかく、などの症状もあります。
さらにひどくなると、だるさや息切れ、血の混じった痰(たん)などが出始め、喀血(血を吐くこと)や呼吸困難で死に至ることもあります。
結核を発病している人が、体の外に菌を出すことを「排菌」といいます。
せきやくしゃみをすると飛沫(しぶき)に含まれる結核菌が空気中で飛び散り、それを他の人が吸い込むことにより「感染」します。
これを「空気感染」といいます。
感染してもすべての人が発病するわけではありません。
健康であれば、多くは免疫の働きによって結核菌を抑え込んでしまいます。
加齢や病気などで免疫力が落ちると、抑え込まれていた結核菌が再び活動をはじめ、発病することがあります。
感染しても発病していない潜在性結核感染症の人は、結核の薬を3~6か月間内服することで、発病を予防できます。
今は薬(抗結核薬等)が開発され、きちんと薬を飲めば治ります。
しかし、病院への受診が遅れたり、診断が遅れたりしたために病気が進行して重症になった場合や免疫状態が著しく低くなった場合には死に至ることもありますので、注意が必要です。
また、治療途中で薬を飲むのをやめてしまったり、指示された通りに薬を飲まなかったりすると、結核菌が薬に対して抵抗力(耐性)を持ってしまい、薬の効かない結核菌(耐性菌)になってしまう可能性があります。
結核と診断されたなら、医師の指示を守って、治療終了まできちんと薬を飲み続けることが最も重要です。
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