目的から探す
ページ番号:9475
更新日:2025年7月25日
ここから本文です。
二ホンナシの難防除病害である黒星病抵抗性を持つ、これまでにない画期的な品種です。黒星病の防除が不要となるため、従来より農薬の散布回数を減らせる可能性があります。「ひたちP3号」、「ひたちP4号」ともに8月下旬~9月上旬が収穫期となり、主力品種「幸水」と「豊水」の端境期に出荷することができます。令和4年10月に品種登録出願公表となり、生産現場へ早期の導入に向け、県内産地での現地実証試験を行っています。
「ひたちP3号」(左) 「ひたちP4号」(右)
7月上旬の東京盆物日出荷に適した黄色品種で、半八重咲の可愛らしい花が特徴です。令和6年12月に品種登録出願公表となり、令和7年2月に親株の販売が始まりました。
白さび病や生理障害(花弁焼けや下葉枯れ等)が少なく、電照反応性もあり、作りやすい品種と評価されています。
「常陸サニーハニー」
「常陸はつゆき」は、大型で切花長が確保しやすく業務需要に向く白色品種です。本県のすべての作型(5~11月出荷)で需要が見込まれています。
「常陸あかつき」は、花と草姿のバランスはそのままに、草丈が80センチメートル程度で開花するミニタイプのグラジオラスです。手頃な大きさで、アレンジなどホームユースに使うことができ、グラジオラスの需要拡大が期待できます。シックなオレンジ色から、秋口を中心に需要が見込まれています。
両品種とも、令和6年4月に品種登録出願公表となり、球根と切花の生産が始まりました。
「常陸はつゆき」(左) 「常陸あかつき」(右)
「紫峰」はグレー系薄紫の上品な花色で香りがある、やや細身の草姿の中輪系品種です。花色や花型から、ブライダルやギフト等に適すると評価されています。令和6年4月に品種登録出願公表となりました。
「ひたち乙女」はかわいらしいピンク色のカップ咲きの中大輪系品種で、控えめですが香があります。切り花収量が高く、小売りやギフトを中心に幅広い用途に向くと評価されています。令和6年6月に品種登録出願公表となりました。
両品種とも、県内での切花生産が始まりました。
施設切り花用品種として育成しましたが、現在、ガーデン用の適性があるか、いばらきフラワーパークで栽培し、調査を進めています。
「紫峰」
「ひたち乙女」
本県ではこれまでに、黒星病に抵抗性の品種を育成しました。農薬使用量を削減するためには、重要病害である炭疽病に対する耐病性も有することが望ましいですが、知見は少ない状況です。そこで、炭疽病耐病性の品種間差と遺伝様式の解明を行い、黒星病と炭疽病に対する複合抵抗性・耐病性系統を作出します。
小ギクとグラジオラスは本県の特産品です。小ギクでは、高単価で取引される7月東京盆、8月旧盆、9月彼岸にピッタリ出荷できる、近年の厳しい夏秋期の高温でも開花遅延しない優良品種の育成を進めます。現在は、中性子線を活用した突然変異による品種育成の課題に取り組んでいます。
グラジオラスでは、国内唯一の育種機関として、輸入品種に負けない品質・オリジナリティを持つ優良品種の育成を進めます。