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更新日:2025年7月4日
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この資料は、県政記者クラブとの定例記者会見での発言内容を要約したものです。
知事定例記者会見の動画は、こちらから視聴いただくことができます。
茨城空港将来ビジョンの決定について
~首都圏第3の空港を目指して~
(作成:報道・広聴課)
令和7年7月4日(金曜日)
10時45分~11時20分 会見室
茨城(幹事社):幹事社の茨城新聞です。よろしくお願いします。
知事:よろしくお願いします。
今日は、知事のほうから、1件、発表があるということなので、そちらからお願いします。
知事:本日は、茨城空港将来ビジョンが決定したことについて発表させていただきます。
まず、ビジョンの策定の背景でございますが、茨城空港は開港から15年を迎えまして、利便性の向上やインバウンドの需要の急激な増加など、取り巻く状況が大きく変わってきております。
こうした状況を踏まえ、本県のさらなる発展のため、茨城空港が今後目指すべき姿、果たすべき役割、そして、それらを実現するために必要な取組を「将来ビジョン」として示しました。
本ビジョンでは、茨城空港が目指すべき姿、果たすべき役割として、大きく3つ示しております。
1つが、国内外との観光やビジネス、地域の賑わいの拠点となる空港であること、2つ目が、日本の国際・国内航空需要に対応する空港になること、3番目が、本県をはじめ周辺県の災害対応の拠点となる空港、そして、これらを実現するために、6つの項目に取り組むこととしております。
次のページからは、主な取組について紹介します。
まず、国内外をつなぐ路線ネットワークの拡大・充実に取り組みます。既存路線の増便や新規路線の誘致のため、より積極的に茨城の自然や食、そして、ゴルフなどのプロモーションを実施することにより、さらなる双方向の交流拡大に取り組んでまいります。
次が、旅客やエアラインの利便性向上のための環境整備です。空港ターミナルビルの機能強化や、駐車場の容量拡大、増加する空港需要に対する誘導路の増設や駐機場の確保などに取り組み、より使いやすい空港を目指してまいります。
さらに、空港のさらなるアクセス向上を目指して、アクセスバスの充実や、多言語に対応した案内の充実、SNSによる交通情報の発信など、インバウンド旅客への情報発信も強化してまいります。
次のページで、そして、茨城空港と小美玉市の新しいまちづくりや、空のえき「そ・ら・ら」などとの連携を強化し、さらなる地域の賑わいを創出してまいります。
次のページ、加えて、ビジネスジェットなど新たな需要の取り込みや、空港分野における脱炭素化の促進、災害時の対応能力の強化などにも取り組んでまいります。
最後の将来の茨城空港のイメージでございますが、これら全ての取組を進めていった先の最終的な茨城空港の将来の姿として描いております。
県としては、引き続き、関係者と協力しながら、首都圏第三の空港を目指して取り組んでまいります。
私からの発表は、以上です。
茨城(幹事社):ありがとうございます。
幹事社から、まず、幾つか質問させていただきたいと思います。
まず、今回のビジョンなのですが、そもそも、あり方検討会の提言を踏まえて取りまとめられたものだと思います。
今回のビジョンについて、知事の思いとしては、どのような感想をお持ちでしょうか。
知事:今回のビジョンは、これからの茨城空港が大きく発展するという姿を具体的に、方向性を示せたものというふうに考えております。
一つには、これまで制約となってきた発着枠の制限、こちらについての大幅な規制緩和を、今、進めております。
そういうことも踏まえて、あと、茨城県自体が非常に経済的にも好調であること、さらには、インバウンド需要も含めた旅客需要が非常に好調なこと、こういうことを背景に、これからの茨城空港は、さらに首都圏の中で、羽田、成田に次ぐ第三の空港としての飛躍が可能であるという、この道筋を示せたことは非常に重要なことではないかなと。この実現に向けて、全力で取り組みたいというふうに思っています。
茨城(幹事社):路線開拓などについてもお伺いしたいのですけれども、このビジョンでは、具体的にはまだ盛り込まれていないようですが、国際線、国内線を含めて、どういった拡張を検討されているのか、お願いします。
知事:国内線でも過去最高の旅客の更新をし続けておりますので、そこはスカイマークさんが中心になると思いますが、福岡に続けて、さらにほかの地域での増便ということも検討いただけるよう、働きかけることになるかなと。
さらには、チャーター便なども含めて、他の国内路線の確保と追加ということも、当然、視野に入れなければいけないかなというふうに思っています。
国際便、現在、中国、韓国、台湾、それぞれございますけれども、今後、さらに需要を拡大させていって、一つの国で複数路線という期待も非常に大きいものがありますので、まずそういうことに取り組みながら、一方で、アジアを中心に、他の国との路線の可能性というのも、今後、探っていきたいというふうに考えています。
茨城(幹事社):特に具体的な国ですとか、そういったところへの新規路線の拡張などについては。
知事:現在、話があるところはございますけれども、今、具体的な話として申し上げられるものはございません。
茨城(幹事社):最後のページに将来のイメージとありますが、機能拡張についてなんですが、あり方検討会のほうからは、すぐにでも拡張をというような提言もあったかと思いますが、今後のスケジュール感について、決まっていることがありましたら教えてください。
知事:今後のスケジュールについては、空港の需要等を確認しながら、具体的に決めていくことになると思いますが、全て全部を一度に進めるということはまだ現実的ではないと思いますが、一方で、取付誘導路であるとか、あるいは空港(ターミナルビル)の中のターンテーブルを含めた顧客の受入施設、そういうものについては、同時期に複数機が離着陸することを考えると、すぐにでも必要になってくるものが出てくるのかなというふうに思っていますので、優先順位の高いものをきちんと決めて、そこから整備して、あとは路線拡大に合わせながら、しっかりと全体像の構想を踏まえながら、今後、拡充していくということになるかなというふうに思います。
茨城(幹事社):ありがとうございます。
幹事社からは、この質問に対して、以上です。
各社さん、お願いします。
日刊工:日刊工業新聞です。
今現在、利用者数が大体80万人弱ぐらいで推移していると思いますが、これは知事の思いベースなのかちょっと分からないんですけれども、例えば、何年後くらいをめどに何万人目指したいなどの数字的な目標はございますでしょうか。
知事:ビジョンで謳っているのは、幾つだっけな。
事務局:最終的に2040年代末までに170万人の目標でございます。
日刊工:ありがとうございます。
茨城(幹事社):各社さん、ありますか。
読売:読売新聞です。
少し細かいところなのですけれども、取付誘導路の増設によって得られる効果というものをどういうふうに見込んでいらっしゃるのか、そこを確認させていただければと思います。
知事:取付誘導路は、同じ時間に複数機が離着陸する場合に、複数線化することが必ず必要になってくる。今、1本しかないものですから、既に着陸している機が発進しないとまた付けられないという状況になっていますので、これは、発着枠の緩和が進みつつある今、是非とも早急に進めることが必要なインフラだというふうに考えています。
読売:この整備によって、例えば、1時間当たり、どれくらいの便数が飛べるようになるとか、そういうことも念頭に置いての整備ということ。
知事:そうですね。
読売:分かりました。
あと、将来イメージのところで、駐車場の立体化というのも書かれておりますけれども、これはもう立体化の方針ということで基本的には固まっているということでしょうか。
知事:これはもうちょっと先の話になるかもしれません。誘導路、あるいは様々な施設が拡張しなければいけなくなると、今、整備してある無料の駐車場の一部も潰さなければいけないと。その中で、代替として、立体にするかどうかは別にして、一部有料の駐車スペースというのも設けながら、需要にある程度柔軟に応えられるようなこともしなければいけないなというふうに思っています。
ここに立体の駐車場というのが絵に描いてありますけれども、方法はほかにも幾らでもあって、別に立体にしなくても、平面で有料のスペースは造りながら、ちょっと離れた場所に無料の駐車スペースを、民間の力も活用しながら、造っていくとか、いろいろな方法が考えられるので、これに決めたわけではございませんが、こういう方向もあり得るということで考えています。
読売:ありがとうございます。
NHK:NHKです。よろしくお願いします。
2点、ございまして、先ほどお話がありました取付誘導路の増設、こちらを今すぐにでも造成すべきインフラだと考えているというふうにおっしゃっておりましたが、具体的にいつ頃の時期から開始していきたいというふうにお考えでいらっしゃいますでしょうか。
知事:これはまだ決まっていないんだっけ。
事務局:取付誘導路につきましては、国土交通省のほうで実施していただく事業になっておりまして、一応、今年度から予算化はしていただいていると認識しております。
工事も含めますと、あと2年ぐらいかかってくるかと思っております。
NHK:ありがとうございます。
もう1点は、先ほどもありました駐車場についてなんですけれども、今後、空港機能を拡大していく中で、どうしても有料化ということも考えていかないといけないという側面もあろうかとは思いますけれども、無料で車でのアクセスが優れていて、近隣の県からもというところもあったと思いますが、そこに関しての影響感はどのようにお考えになりますでしょうか。
知事:無料のスペースは極力確保しながら、一部、本当に空港ターミナルビルの入り口に近い場所については有料化するというようなハイブリッドのやり方をしながら、無料の需要にもきちんと応えながら考えていくということが重要なのかなというふうに思っています。
そういう意味では、この空港周辺に、今、どんどん広げていった無料のスペースというのが、ある程度、一部はちょっと駐車場から空港の別な施設に変えられるということになるとすると、ちょっと離れた場所に別なスペース、無料駐車場を造るとか、そういう対応も含めて、いろいろな方策を今後考えていくことになるのかなというふうに思います。
NHK:ありがとうございます。
日刊工:日刊工業新聞です。
(資料)4番の新たな観光・ビジネス需要の創出のところで、ビジネスジェットの需要を増やしていきたいという、前からおっしゃっているところだと思いますが、例えば、羽田空港であったり成田空港であると、関税であったり入国審査のところを一貫してできるような専用の施設等々も準備されていると思います。
今回の茨城空港では、そのような構想などがありますでしょうか。
知事:当然、ビジネスジェットの需要が膨らんだ先にはそういう施設を造るということも計画しなければいけないというふうに考えておりますし、ビジョンでもそういうことはある程度見越した上でのターミナルビルの大規模な建て替えみたいなことも含めているのではないかなということで、私は理解しております。
日刊工:ありがとうございます。
茨城(幹事社):よろしいでしょうか。
では、これ以外の質問に移らせていただきます。
茨城(幹事社):まず、参院選が昨日3日に公示されました。20日投開票に向けて選挙戦が始まって、物価高対策などが争点に選挙戦が始まりました。
知事として、今回の選挙戦の論戦に期待されることなどありましたら教えてください。
知事:日本の現状を考えると、目の前の物価高対策に議論が終始するのではなく、より本質な人口減少対策、それから、長らく低迷が続いている日本経済の再生のための抜本的な取組、規制緩和など構造改革も含めて、そういうことも含めて、もっと議論が、中長期的な視野も含めた深みのある論戦が行われることが大切なのかなというふうに思っています。
減税か減税じゃないか、給付金かという話ではなく、より本質的な部分に議論が深まっていくことを是非期待したいというふうに思います。
茨城(幹事社):ありがとうございます。
投票率についてもお伺いしたいんですが、近年は投票率が伸び悩む状況が続いています。投票率向上に向けて、何か知事としてのお考えというのはありますでしょうか。
知事:投票率の低下傾向は、必ずしも政治不信とばかりは言えないというふうに考えておりまして、ある程度、不満がない、関心がないも含めたトータルの結果だというふうに考えておりますので、いたずらに政治不信と決めつける必要はないというふうに考えています。
一方で、最近、投票行動に新たな動きが出てきていて、メリット・デメリットはありますけれども、SNSなどネットを使った様々な情報発信が非常に選挙に大きな影響を与えてきている。この辺などはよく注目しながら、投票率向上に活用できるものは、例えば、SNSの活用も含めて、我々としても努力していく余地はあるんじゃないかなというふうに考えております。
茨城(幹事社):ありがとうございます。
茨城(幹事社):次の質問に移らせていただきます。
県が始めた選定療養費ですが、半年がたちました。
先日、県が発表された検証によりますと、徴収率は大体4%程度かなと。軽症の搬送も減少が見られているということで、知事として、半年がたって、選定療養費の導入についてどう評価されているか教えてください。
知事:現在のところ、検証委員会などでの御評価も踏まえますと、救急搬送、それから、軽症による救急搬送、さらには、選定療養費の徴収率、それから、それに伴うトラブル、そういうものについても特に大きな問題は発生していなく、また、我々が望んだ結果も出ているということで、特段、大きな問題はないという評価なのかなというふうに認識しております。
これも全て県民の皆様の御理解と御協力のおかげだなというふうに、大変感謝申し上げております。
救急医療と県民の命を守るため、しっかりと、引き続き検証を続けながら、この選定療養費の徴収については、今後も続けていきたいというふうに考えています。
茨城(幹事社):ありがとうございます。
茨城(幹事社):幹事社からは、最後の質問になります。
先週ですけれども、和歌山のアドベンチャーワールドで飼育していた4頭のパンダが中国に返還されました。それにより、国内飼育は上野動物園だけになったということで、県はパンダ誘致をかみね動物園に進めていますけれども、現状ですとか、あと、今後の見通しなどについて、現時点で何かありましたら教えてください。
知事:現状、協定締結に向けた覚書を陝西省と結ばせていただいたわけでございますけれども、パンダの保護活動、そういうことについても言及した形での覚書、そういうことも念頭に入れた協定締結に向けて、今後さらに歩みを進めていきたいというふうに思っています。
パンダの誘致が実現するかどうかということについては、時期なり何なり、これはひとえに中国政府と日本政府も絡んで、なかなか複雑なやり取りが、今後、行われるのではないかなと予想しておりますけれども、少なくとも茨城県のパンダ誘致に対する取組というのは、中国政府をはじめ陝西省側にとっても評価をしていただいているのではないかなと期待しております。
我々としては、パンダ誘致をすぐ実現する、しないにかかわらず、しっかりと中国という隣人と草の根レベルでの交流をしっかりと広げていくことが、今後の日本、あるいは、茨城にとっても大変重要になるんじゃないかなと考えて、この契機をしっかりと生かしていきたいというふうに考えております。
茨城(幹事社):ありがとうございます。
幹事社からの質問は、以上になります。
各社さん、そのほかについてお願いします。
読売:読売新聞です。
参院選に関連して質問いたします。
先ほど、ネットを使った発信が選挙に大きな影響を与えていると、その辺を注視していきたいという御発言がございましたけれども、そういったインターネットでの発信について、プラスとマイナスの側面がいろいろあるかと思いますけれども、その双方についてどういうふうに見ているかということと、あとは、候補者が、今、発信をしている中で、候補者がどういう発信が求められているのか、有権者はそれをどう受け止めるべきなのか、知事の中で何かお考えがありましたら教えていただければと思います。
知事:ネットの情報によって、今まで、既存のやり方では、政治に関心がなかった、あるいは投票に行かなかった方々が街頭演説に集まったり、あるいは投票行動に実際につながったりしている面というのは、これはSNSを含めたネットの情報発信のプラスの面ではあるかなというふうに思っています。
一方で、これは皆さんもよく御存じのとおりですけれども、SNSの中には、非常に根拠が不明な、あるいは、フェイクと思われるような情報が氾濫しており、ネットでの情報収集を中心に行っている世代を中心に、それを信じてしまう傾向が存在していることも、これもまた事実で、これは極めて憂慮すべき事態でもあるということだと思いますので、ネット及び既存のメディアとバランスよく情報を獲得できるような、そういう啓蒙というのも併せて進めていかないと、SNSだけの情報収集だと、非常に極端な言論とか、そういう考え方に影響されやすくなってしまうと。そういう問題なんかもしっかりと見ていかなければいけないなというふうに思います。
候補者各位については、非常にネットの活用、諸刃の剣みたいなところもありますので、それぞれ注意しながら、でも、一方で、新しい支持者を獲得するために活用するというのが大きな流れになっているんじゃないかなというふうに思います。
候補者の活用はどんどんこれから広がる一方だというふうに思っていますけれども、一方で、政府として、本当の意味での民主主義を守るために、ネットの利用について一定のルール、あるいは、枠組み、あるいは、不正、あるいは、根拠のない誹謗中傷、そういうものについて、きちんと選挙期間中に有効なアクションが取れるような、そういう仕組みを考えておかないと、もうやり得の誹謗中傷が氾濫するという危険性も非常に高いと思っておりますので、そういうことも、今回の参議院選には間に合いませんでしたが、参議院選の結果も踏まえながら、しっかりと検討していくことが重要なんじゃないかなというふうに思っています。
読売:ありがとうございます。
読売:もう1点ございまして、選定療養費についてです。
県がやっている施策に対して、水戸市が先日、学校側が救急搬送を要請をして、結果的に徴収対象となった場合に、保護者が支払う分、全額補助するような、そういった制度を始めたというふうに伺っております。
これについては、水戸市に取材をすると、やはり保護者との対応に何かしらのトラブルがあったりとか、対応の判断について、より円滑化をしたいという、そういう目的だと伺っておりますけれども、この点の自治体側の対応についての受け止めと、今後の県としての対応についてお伺いできればと思います。
知事:選定療養費が導入されてまだ日が浅い中にあっての一つのトラブルというのでしょうか、ちょっと対応が不十分だったというか、対応に誤解があったということが、学校側で児童の救急搬送をしたところ、水戸で、選定療養費が徴収されて、それで校長先生がそれを自腹で支払ったというような案件があって、非常に学校現場で、選定療養費の懸念と、救急車をすんなり呼べないじゃないかというような、そういう不安があったというふうには承知しています。
今現在、我々の県のほうでは、しっかりと救急搬送をする場合にも、#7119、あるいは#8000番に問い合わせいただいて、そこで救急搬送についての確認が取れれば、必ず病院側で、搬送されたときに、軽症であったとしても、選定療養費はいただかないと、徴収されないということを明確にしながら、余裕のあるときはきちんとそういう電話相談をしていただけるような周知をきちんと行っておりますので、4月半ば以降、同じような案件は発生していないというふうに認識しています。
また、余裕のないというときは、迷わず救急搬送をしていただくことが重要なんじゃないかなというふうに思いますし、その場合の選定療養費の負担は、原則保護者にお願いするという形になると思いますけれども、それは命を守るほうが優先されなければいけませんので、選定療養費の制度の問題というよりは、その運用についての誤解をしっかりとなくすことによって、トラブルは十分避けられるのではないかというふうに今は評価しております。
読売:ありがとうございました。
日刊工:日刊工業新聞です。
賃上げについてお伺いしたいです。
先日、県内の経済団体との意見交換会をされておりました。
従来からおっしゃっている、35円、県内の経済実態との乖離がという話もお伝えされていると思いますが、改めて意見交換の手応えみたいなものを教えていただけるとありがたいです。
知事:我が県の経済実態を踏まえると、本来の水準であるべき最低賃金との乖離が35円程度あると。それを5年から7年かけて解消するというフレームワークについて、経済団体、あるいは、労働団体の皆様と合意できたということは、非常に大きなことなのかなというふうに思います。
今、経済の最大の足かせになりつつあるのが人手不足であると。かつ、そのためには、賃上げと物価の価格転嫁と、そういう好循環を生み出さなきゃならないわけですが、社会の最も脆弱な部分で、最低賃金で労働されている方々、そういう方々の生活を保障するという社会政策的な側面と経済的な側面、両方の意味から、最低賃金というのは、経済実態に見合った水準であることというのが非常に重要であるというふうに考えております。
県としては、このフレームワークを合意いただいたことも踏まえながら、きちんと支援のメニューもきめ細かく提供しながら、この5年から7年で35円のギャップを埋めていくということを実現したいというふうに考えております。
今後、最低賃金の審議会が行われるわけですけれども、是非そこで実現していただけるように、我々としても訴えていきたいなというふうに思います。
日刊工:ありがとうございます。
今、来週月曜日の審議会の話もちらっと出てきましたけれども、聞いている話だと、審議会へ知事が自ら要請するのは全国的にも珍しいみたいな話を、実は、聞いておりまして、改めて、出席して、知事自ら意見を述べるというところのねらいみたいなところを教えていただければと思います。
知事:地方最低賃金審議会に私自らが出席して、今回の経営者団体(経済団体)、それから、労働団体におけるフレームワークの合意の意味、それから、最低賃金の引き上げの持つ茨城県経済全体に対する意味、そういうことについて非常に重視しているということを、是非委員の皆様方に、私自ら訴えたいというふうに考えておりまして、今回、出席させていただくことにしております。
日刊工:ありがとうございます。
日刊工:最後にもう1個、全然話が変わるのですけれども、eスポーツについてちょっとお伺いしたくて。
実は先日26日に、県が事務局を務めるeスポーツ推進の協議会で総会がございまして、2027年度までの中期的方向性というのが実は策定されたところでございます。
知事のバックグラウンドとしても、eスポーツには関連があるかと思いますが、現在のeスポーツの県内推進についての思いみたいなのをお聞かせいただければと思います。
知事:その協議会が設立してから5年が経過しました。eスポーツ、茨城県では、国体開催に合わせてeスポーツの都道府県対抗全国選手権などを開催するなど、モメンタムをつくっていったわけでございます。
この協議会も、参加企業が67から145団体まで増えておりまして、確実に茨城県の社会にeスポーツというのが根づきつつあるのかなというふうに思っています。
今回、協議会のほうで、新しい方向性ということで決めていただいたということは、この加盟団体自らがどんどんeスポーツを振興しようという自主的な動きが活発になってきたということで、我々としても非常に歓迎したいというふうに思いますし、その提言の中身も踏まえながら、県としてできることをしっかりとこの協議会の皆さんと一緒に進めていければなというふうに考えています。
日刊工:ありがとうございます。
時事:時事通信です。
最低賃金で加えてお伺いします。
骨太の方針で、政府は、2020年代までに平均値1,500円というふうに出していますけれども、結構高い目標とそこにも書いていますように、今後、茨城県が上げていって、目標の1,040円になったとして、今後、1,500円という目標値に関して、知事がどうお感じになっているかということと、目安より上げたときに、交付金なり補助金なりという支援をするということに関して、政府の姿勢について、知事としてどう考えているかというのをちょっと。
知事:いずれにせよ、今後、特に生産年齢人口が急激に減少してくることを考えれば、賃金を引き上げざるを得ないと。経済活動を維持するためにですね。という方向性は変わらないのかなと。
そのときに、最低賃金というものを一定の水準まで引き上げるという、この水準が正しいかどうかというのはなかなか言うことも難しいと思うのですけれども、引き上げなきゃいけないということを政府主導で行うことは、私は非常に合理性があるんじゃないかなと思います。
ただ、その引き上げ方が非常に大事で、過度に急激に引き上げ過ぎると、他国の例で言うと、例えば、隣の韓国などであったように、景気後退にいってしまったりとかという話もあるようなので、イギリスなどのように徐々に徐々に上げていく、段階的に上げていくということは、手続というか、プロセスとして大事なのかなというふうに思っています。今はそういう方向で取り組んでいると思います。
ただ、経済状況によって、その引き上げのスピードを調整していくということは、当然、必要になってくるんじゃないかなというふうに思っています。
時事:ということは、例えば、目安より上げれば補助金というのは書いているけれども、茨城県としては、そこに別に影響されることなく、茨城県のスタンスとしてどうしていくかということ。
知事:そうです。我々は1,500円ということで動いているわけじゃなくて、あくまでも経済実態に見合わない最低賃金の水準を、経済実態に見合う水準まで引き上げるということについて、県も含めて支援しますよということでやっています。ですので、35円のギャップを。今まで最低賃金ってカテゴリーで分けていたのです。我々は、今、Bクラスなのですけれども、一時期、Cとかになっていたときに、引上げ額の差があったのです。Bは何円上げるのだけれども、Cはその半分とかですね。だから、そのときにつくられたギャップが、その後、経済実態が変わっても、カテゴリーもBになって、かつ、Bの中でもかなり上の水準になっているにもかかわらず、全然解消できない。それはなぜかと。ガイドラインどおりの賃上げしかしない、あるいは、ガイドラインどおりの賃上げではだめだといっても、プラス1円とかプラス2円とか、遅々として進まない。
それをしっかりとある程度の期間で解消して、本来あるべき水準にしないと、社会的にも経済的にもマイナスじゃないですかというところです。
1,500円というのは、これは全体の話なので、そことは違う視点でこの茨城県は、今、取り組んでいると。関連しないわけじゃないんですけれどもということですね。
時事:A、B、Cという区分に関してはどう考えているのですか。何十県という都道府県が、実態は違うのだろうに、いわゆるまとめてこれぐらいというふうに。
知事:いろいろな考え方があるのですが、個人的には、最低賃金って、別にグループ分けしなくても、全国一律でも本当はいいんじゃないかなというふうに思っています。全国一律最低賃金、そういう国も幾らでもありますので。
時事:全国一律で目安額を出して、それぞれ地方が考えればいいということですか。
知事:いやいや、全国同じ金額。
時事:同じ金額。
知事:に持っていくと。要するに、AとかBとか、そういうのを全部なくして、全国一律というふうに目指していくというのも一つの考え方じゃないかなという。
時事:その場合は、地方で決めることはなく。
知事:地方を安くするとか、そういうことじゃなくて、一律に決めると。という考え方も実際に国際的にはあります。私は、そこを目指していってもおかしくないんじゃないかなと。
そうすることによって、今、過度に東京一極集中が起きているという人の流れを、ある意味、逆転させることも、より可能になってくるんじゃないかなというような観点も含めて。
読売:読売新聞です。
今の質疑に関連してなんですけれども、知事が茨城地方最低賃金審議会に出席をされて、意見を述べられるということで、これについては、以前、徳島の後藤田知事が先行事例として出席されたという経緯がございます。
そういったことも踏まえてのことなのかなというふうに感じているのと、あとは、そういった最低賃金の協議をする場に知事が出席する。県の関与をもう少し知事としては強めたいのかなというふうに受け止めておりますけれども、そういった協議に県のほうがどういうふうに参画していくべきなのか、その辺の知事のお考えがもしあればお願いいたします。
知事:これはいろいろ議論があるところなのかもしれませんが、我々の希望としては、地域の経済、あるいは、社会政策のためにも、最低賃金の審議会に、例えば、公益委員の1人として県の人間が参加するという考え方は十分あり得るんじゃないかなというふうに思っておりまして、そういう方向性も可能であれば、是非検討いただきたいなというふうに思っています。
今回は、会議の最初に冒頭で、我々のほうから県の考え方を御説明すると。その枠組み、フレームワークの合意の意味とか、そういうことについてお話しするということで、審議自体に直接入ることはございませんので、そこは、今までのとおり、労使、それから、選ばれている公益委員の三者で議論をしていただくということになると思います。
茨城(幹事社):ほか、いかがでしょうか。
ないようなので、終わりたいと思います。
ありがとうございました。