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更新日:2025年9月9日
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この資料は、知事選挙後の初登庁日に、県政記者クラブとの記者会見での発言内容を要約したものです。
知事記者会見の動画は、こちらから視聴いただくことができます。
(作成:報道・広聴課)
令和7年9月9日(火曜日)
15時00分~15時25分 会見室
知事:よろしくお願いします。
毎日(幹事社):よろしくお願いします。
幹事社、毎日新聞です。よろしくお願いします。
知事選を終えて、本日、初登庁されました。まずは、登庁されたときの率直なお気持ちをお聞かせください。
知事:3期目の当選を果たして、しっかりと今まで茨城県民の皆様方にお訴えしてきた茨城県のさらなる飛躍のために、これからしっかりと仕事をしてまいりたいという気持ちでございます。
毎日(幹事社):ありがとうございます。
知事選についてですが、知事選ではどのような訴えが県民に受け入れられたとお考えになっていらっしゃるか、勝因についてどのように分析していらっしゃるかをお聞かせいただければと思います。
知事:もう一貫して、今の混迷の時代に地域が生き残っていくためには、失敗を恐れず挑戦していくことが最も大事で、それによって、この8年間、茨城県は大きく前進したと、実績も踏まえてお訴えをして、これからの4年間、引き続き、人口減少社会など、その混迷を深める地域社会を守っていくためのさらなる努力を進めていきたいという訴え、それだけ一貫して訴えてまいりましたので、そこに皆様の御理解と御支援がいただけたのかなというふうに考えております。
毎日(幹事社):ありがとうございます。
いよいよ3期目ということで、今、人口減少社会への対応ということもありましたけれども、3期目の課題と、まず何に取り組んでいきたいか、お考えをお聞かせいただければと思います。
知事:既に、様々、もう年度の途中ですので、取り組むべきものは取り組み始めております。
物価高が進む中で、最低賃金の引き上げも、茨城県は大幅な引き上げを実現し、これから中小企業対策をしっかりと行っていくわけですし、それから、茨城空港の大幅な規制緩和による便数、路線のさらなる拡充、それに伴った、将来、必要になるであろう空港の整備、そういうものにも、今後、順次、着手していくことになると思います。
そのほか、企業誘致であるとか、さらには農作物をはじめとした茨城県産の様々な農林水産物、そういうものについてのブランド化とか、そういうことは、引き続き、様々なユニークな方法も取り入れながら努力していくということになるのかなというふうに思っています。
毎日(幹事社):ありがとうございます。
投票率と得票についてもお伺いします。
今回の投票率は、前回2021年の知事選を下回る33.52%で、過去5番目に低い投票率となりました。
これに対する御所感と、また、前回のときと比べて、得票率では20ポイントほど減る形となりましたが、これに対する受け止めもお聞かせいただければと思います。
知事:まず、投票率については、恐らく信任投票ではないかという報道にもありましたとおり、そういう空気がある中で、参議院選挙が直前にあったこと、自民党をはじめ、推薦をいただいて活動を本格化する時期が非常にそれによってずれ込んでしまったことなどもあって、なかなか投票率の掘り起こしがうまくいかなかったというのは現実なのかなというふうに思っています。それによって、5番目に低いという投票率の低さがそこで現れてきたのかなというふうに思っております。
得票率についても、大幅に下がったということでございますが、今までの私がもし中道保守を体現しているとすれば、共産系の方との一騎打ちという構図から、新しい保守層の支持を集める候補者が出現したということがこれまでと大きく構図が変わったというふうに言わざるを得ないのかなというふうに思います。
ほぼ、私の今回の得票率は、今までの過去の知事選挙を見ていると、保守分裂で一騎打ちというときの得票率に近い形まで引き下がっておりますので、それだけ今回の内田候補の支持が集まったということにも影響を受けているというふうに思っております。
毎日(幹事社):ありがとうございます。
幹事社からは以上です。
各社さん、お願いします。
朝日:朝日新聞です。
選挙戦を通じて、先ほどもあったように、人口減少に対する危機感を強く訴えていらっしゃったかと思うのですけれども、このあたりの対策の具体案があまり経済政策よりはなかったかなというふうに私は思っているのですが。
知事:経済何ですか。
朝日:経済政策、企業誘致であるとか、最低賃金とか、これよりも人口減少対策への取組の具体策があまり見えて来なかったように思うのですけれども、今後、どのような対策をとっていかれるのか、危機感も含めて教えていただいてよろしいですか。
知事:人口減少対策で、人口を増やすという対策は、社会的に増やしていくことが最も現実的というか、それ以外に現実的な解は、今の日本の状況からするとあまりないのかなというふうに思います。当然、少子化対策というのもやりますけれども、世界を見渡しても、少子化対策で成功しているところはほぼないと言っても過言ではないので、現実的にその地域の人口減少対策といって最も現実的なのは社会増対策、社会増対策で最も有効なのは経済対策ということになるかなというふうに思います。
これからの人口減少を含め、国の地方創生という政策がなかなか効果を発揮しない中、どんどん衰退していく危険性を秘めている中で、県独自でも様々なことをしてそれを食い止める、あるいは経済的に活性化させることによって社会増を増やしていくということが私としては現実的な唯一な解なのではないかなというふうに思っております。
朝日:もう1点、先ほど、幹事社のほうから、何をやりたいかという質問で、既に年度途中なのでという話もありました。ショートスパンではそうかもしれませんけれども、4年間の信任を受けたわけです。この4年間というスパンを考えたときに、もう少し具体的にこういうことをやりたいというようなものがあれば教えていただけますか。
知事:政見放送なんかでも申し上げましたけれども、インフラを含めた必要な投資、水戸医療圏の整備であるとか、TXの延伸、さらには空港の拡充、そういうものをしっかりと続けながら、そのほかには、地方が生き残るための最も大事なことは差別化で、どう特徴を出しながら、世の中の注目を浴びて、ブランド価値なども含めて、観光も含めて高めていくかというときの差別化戦略を今までもやってきましたが、さらに磨きをかけていきたいということです。
3番目が、要するに、少ない人数でも皆さんが能力を発揮していくために、多様な人材がしっかりとそれぞれの能力を発揮していただけるような共生社会をしっかりと築いていくこと、これは地方にとっては不可欠だというふうに思っていますので、その3つを大きな柱にして政策を進めていくことになると思います。
朝日:ありがとうございます。
茨城:茨城新聞です。よろしくお願いします。
今回の選挙戦で、知事も県内の選挙区をくまなく丁寧に回られたと思うのですが、その中で、有権者の方々の御意見なんかも多く聞かれたと思います。その中で、何かこれから課題だとお感じになったことですとか、取り組まなくてはならない、こういったようにつなげたいといったような具体的なものがありましたら教えてください。
知事:様々、お話を伺う機会はあったのですけれども、個別の話になる話がメインでしたが、県北振興は県北地域の方々にとっては非常に大きな、強い要望がありますので、それについてはさらに新しい様々な方策がないのかどうかというのは、これから真っ先に取り組まなければいけないなということを改めて痛感しました。
茨城:ありがとうございます。
NHK:NHKです。
今の質問と関連してなのですけれども、17日間、多くの県民の方の声を直接聞く機会になったと思うのですが、今後の県政運営にとって、そうした聞く機会、たくさんの声を聞いたというのは、知事にとってどういった機会になったというふうに位置づけられているでしょうか。
知事:毎回、選挙のたびに様々な方とお会いして、改めていろいろなお声を聞けるのは大変貴重な機会だと思いますので、それをしっかりと踏まえて、次の4年間の政策に生かしていきたいというふうに思います。
NHK:ありがとうございます。
あともう1点、今回の選挙戦に当たって、自民党と結んだ政策協定の4項目目についてお尋ねします。
穏やかで明るい県庁業務の実現をするために、まさにどのようなことに取り組んで、また、大切にしながら、県勢の発展、茨城を前に進めていくか、教えてください。
知事:その点については、何をもって明るいとおっしゃっているのか、いろいろ解釈はあるかと思いますけれども、しっかり職員の皆様が能力を発揮できるように、丁寧に仕事をしていきたいというふうに思っています。
NHK:ありがとうございます。
日経:日経です。
企業誘致に関連してお伺いしたいのですが、先日、ひたちなかのJXさんがリサイクル棟の見学会なんかを開いて、すぐ近くの常陸那珂工業団地では、先日、県の第1期の造成のほうで、3区画、いずれも市内の企業が進出されていたのですけれども、意外と半導体関連の会社さん、JXさんもスパッタリングの工場ですし、もともとひたちなかはルネサスの工場がありますが、意外とちゃんと集積しているなと思ったのですけれども、マニフェストでは、公約では、3期目の課題として、グローバル企業のメイン拠点の誘致というのは、引き続き、狙っていくということをおっしゃっていたのですが、その産業集積を生かしてどう戦えるかとか、今々の手応え感みたいなものを教えていただけると。
知事:グローバル企業の拠点を誘致するということはしっかりと取り組んでいきたいと思いますが、トランプ関税のおかげで風向きが大幅に変わってしまって、日本にグローバル企業を誘致するハードルが非常に高まってしまっているという背景はございます。その中で何ができるかということをしっかり考えながら、状況を見ながら柔軟に対応していきたいというふうに思います。
日経:業種を変えるとかですね。
知事:業種、あるいは、工場の種類なのか、企業の種類なのか、様々な状況を見ながら判断していきたいと思います。
読売:読売新聞です。
選挙戦、お疲れさまでした。
知事、今回、SNS選挙、かなり力を入れられて、TikTokを含めたショート動画から、ライブ配信のぶっちゃけトークまで幅広くやられたかと思うのですけれども、改めて、SNSにも取り組まれた今回の選挙戦の総括といいますか、効果を含めて、あと、印象に残っている配信とか、この動画がというのがもしあれば、改めて教えていただきたいなと思います。
知事:ここ数年の選挙の動向からいって、ネット選挙が重要になるだろうという考えで、今回、積極的に取り組んでみて、試みたのですけれども、ちょっと効果が投票にどの程度結びついたかというのは、私にも、今、分析できていないし、この得票率、投票数、得票数を考えると、効果は非常に限定的だった可能性もあるんじゃないかなというふうに思っています。そこはしっかり反省しないといけないなというふうに思います。
どちらかというと、ネットの空間での中心は、私に対する攻撃のほうが圧倒的に多かったんじゃないかなという感じもしますし、それが、例えば、相手がほかの2人の候補の得票数を引き上げる効果にあったのか、特に、内田候補はネット戦略を非常に有効に使ったと思いますので、その辺は大きく影響したのかなというふうに思っています。
LuckyFM茨城放送:LuckyFM茨城放送です。お世話になります。
8月24日の選挙戦中の東海村内での遊説の中で、「東海村には日本の科学技術の先端としての栄光がある。東海村をさらに飛躍させるためにも、批判を恐れない、茨城県のため、日本のため、東海村のため、何が必要かを決断するリーダーが必要。科学的、多角的に考え、決断したらやり抜く実行力が求められている」という演説があったかと思います。
これは、東海第二原発の再稼働を支持する意味と捉えていいのか、それとも別の意味合いがおありなのか、その辺をちょっと確認したいのですが。
知事:科学のまち東海村ですので、一般的な話として捉えてください。
LuckyFM茨城放送:再稼働に関することはまだというか。
知事:再稼働については、普段からお答えしていますとおり、まだ言及する状況にはございません。
LuckyFM茨城放送:ありがとうございます。
東京:東京新聞です。
先ほど、新しい保守という人たちが出てきて、選挙の構図が変わったとおっしゃいましたけれども、その人たちが支持した主張に対してどのように向き合っていくか、教えていただければと思います。
知事:内田候補の主張は、経済政策なんかはほとんど私の政策と変わらない部分が多いのだと思うのですが、例えば、私の認識している限りだと、外国人問題、メガソーラー問題、あと土葬の問題、そのぐらいですかね。どう取り組んでいいか分からない項目もございますし、事実として全く私が認識していない話もあるので、事実の有無も含めて、これからしっかりと検証したいと思いますけれども、譲れないところは譲れないというふうには思っています。そこはもう全然考え方が違うのかなというふうに思います。特に、県職員において、外国人籍の人間を、今回、認めることにしたのは、海外からのインバウンド誘致や様々な部署で外国に非常に関わる部署、そういうところにそういう有能な方に来ていただこうという意図で、それを全く否定されてしまうというのは、ちょっと私にとっては納得のいかない、丸ごと職員を外国人にしようなんていう話ではこっちとしては全くないので、そこについてはちょっと認識が違うのかなという感じはしております。
東京:分かりました。
知事:ほかにありますか。
お願いします。
読売:読売です。度々すみません。
今の土葬とかメガソーラーの話も含めてなのですけれども、我々報道機関の在り方も含めてかもしれませんが、選挙期間中の、知事はこれまでそういった発言をそもそもされてきていない中で、ああいった対抗馬がそういう主張をされて、選挙戦の検証はまだかもしれないですけれども、そういったものに対して、ファクトチェックを含めてですけれども、選挙期間中に陣営としてやらなきゃいけないこと、例えば、あとは、報道機関としてやらなきゃいけないことというのは考えていかなきゃいけないのかなと思っているのですけれども、そのあたり、今のお考えをちょっとだけ聞かせていただければなと思います。
知事:今回、非常に考えさせられることが多かったと思います。メディアの報道の在り方、それから、ネット空間での言論の在り方、それから、我々のほうとしての戦略の組み立て方、いろいろ反省させられる点は多かったと思っています。
NHKさんなんか、特に争点として必ず上げていた私の職員に対するパワハラ疑惑という話でございますが、事実に基づいて批判していただいているのだったらいいのですけれども、例えば、茨城県が、私が知事に就任してから、非常にパワハラが増えて、メンタルでお休みになる方が非常に増えたとかという話になっていますけれども、それが事実としてちゃんと確認して報道していただけているのか、疑惑として報道していただけているのかどうか、私からすると非常にそれは不満が残る。
私のほうの反省としても、こういう誹謗中傷に対して、泥仕合になるのは得策じゃないという強いアドバイスも受け入れて、あまりしっかりとした反論はしなかったのですが、もうちょっとはっきりと、ファクトも含めて反論すべきだったのじゃないかなと、今後、それはしっかりと反省として考えなきゃいけないなというふうに思っています。
今後、特に、ネットの空間では、本当にコメントなんかはものすごく根拠の全く疑われるような、ファクトチェックも何もないような言動も非常に増えますので、これは今後の民主主義という観点からすると、健全な選挙を行うという観点からすると、今後、国全体として考えていかなきゃならない課題になり得るんじゃないかなというふうに私は感じております。
読売:ありがとうございます。
LuckyFM茨城放送:LuckyFM茨城放送です。
少し重ねさせていただきますが、ないことというところで、特にこれは絶対違うといいますか、ちょっとこれはというのがありましたら、一つ、二つ、さらにもしお上げいただければと思うのですが。
知事:ないことという、これは文春報道ですか。
LuckyFM茨城放送:それらを含めて、ネットも含めてなのですけれども。
知事:ネットも含めて、いろいろありますけれども、例えば、パンダ誘致は中国におもねるためにやっているのかとか、中国にお金を貢ぐのかという、そういう言動から始まって、外国人を職員に認めるのは売国奴だとかという話、そういういろいろな誹謗中傷は当然あります。
それから、文春に関する報道でも、茨城県の私が就任してからの、例えば、お亡くなりになった自殺者の数、それから、メンタルで休職を取られた数、それだけを上げて、ほかと全く比較しないで、私になって突然増えたのような印象操作を、見出しを中心にばんばん週刊誌とかオンラインで流すという、これも一種の情報操作だと思いますし、それの中心になっていた方々なんかも、なぜか私の応援に駆けつけて、最後は万歳もするなど、いろいろ非常に計画的に誹謗中傷が行われていたんじゃないかと疑わせるような事実も幾つもあるのですが、そういうことについては全く私も反論を封印していましたので、今後、メディアの方も、そういう背景もしっかり踏まえた上で、選挙の争点とか、私の課題として上げるべきは上げていただいても結構なのですけれども、事実じゃないことを私の疑惑として上げることは、多分に問題なんじゃないかなというふうに感じた次第です。
朝日:朝日新聞です。
今、多分、内田さんのお話がずっと続いていたかと思います。
先ほど、内田さんがおよそ20%の得票率で、これが新たな保守層だという話もされましたけれども、実際、選挙戦を戦われる中で、公示日前日に立候補表明された方があそこまで伸ばしたということを今になって思うとどのようにお考えになるのか。
それと、新しい保守とされる方々、実際に知事が売国奴だと言われていたことであるとか、中国におもねっていると言われていたこと、それはひとまずちょっと抜きにして、この2割の方々が、実際に全く新しい政治経験がない方々に行ったということはどのようにお考えなのでしょうか。
知事:非常に驚きを持って私も受け止めておりますけれども、参議院選挙から続く大きな流れに乗った形なのかなというふうに私は分析しております。
そういう意味では、事前には予想もしなかったなという感じでございます。
朝日:そういう方々との今後の向き合い方をどうされたいのかというのをちょっと教えていただけますか。
知事:非常に難しいですね。いわゆる情報源がネット中心だという可能性も高いものですから、非常にバランスのとれた情報をなかなか提供しにくい。要するに、自分が聞きたいものだけ聞くというパターンに陥りがちだと思いますので、そういう方々にどこまで私の考えていること、私がやってきたことの意味をしっかりとお届けできるかどうか、これからの挑戦だというふうに思います。
これは必ずしも今回の茨城県知事選挙だけではなくて、参議院選挙もそうでしょうし、様々なこれからの選挙でも起こり得ることだというふうに私は思っています。
朝日:もう一人お出になられたわけですけれども、前回同様、田中さんの公約などで、今回の参考にできるもの、したいもの、もしあったら教えてください。
知事:田中さんはほとんど私の批判だけやっていたというふうに認識していますし、ほとんど私も注目していないものですから、前回よりも田中さんは票を減らしていますから、今までそれほど大きく意識して考えてはいませんでした。
毎日(幹事社):よろしいですか。
どうもありがとうございました。
知事:どうもありがとうございました。