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ページ番号:73569
更新日:2025年9月24日
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この資料は、県政記者クラブとの定例記者会見での発言内容を要約したものです。
知事定例記者会見の動画は、こちらから視聴いただくことができます。
茨城-韓国・ソウル(仁川)路線の新規就航の決定について(1)
茨城県植物園(THE BOTANICAL RESORT「林音」)のリニューアルオープン日について
下水道管路の全国特別重点調査(優先実施箇所)の結果について(1)
下水道管路の全国特別重点調査(優先実施箇所)の結果について(2)
下水道管路の全国特別重点調査(優先実施箇所)の結果について(3)
茨城-韓国・ソウル(仁川)路線の新規就航の決定について(2)
(作成:報道・広聴課)
令和7年9月24日(水曜日)
13時10分~13時55分 会見室
知事:よろしくお願いします。
毎日(幹事社):幹事社の毎日新聞です。よろしくお願いいたします。
本日は、3件の発表事項があると伺っております。1件ずつ御発表をいただいて、その都度、質問をさせていただきますので、お願いします。
では、1件目について、よろしくお願いします。
知事:それでは、発表いたします。
最初に、令和7年度9月補正予算案について、スライドを使いながら発表をさせていただきたいと思います。
最初に、基本的な考え方・規模についてでございますが、物価高が続く状況下において、経済の好循環に向けて、中小企業等の賃上げや子育て世帯の家計負担軽減のための支援に取り組んでまいりますとともに、安心・安全につながる生活基盤の充実に向け、医療・介護分野における体制確保への支援や、防災・減災対策などに必要な予算を計上するものでございます。
補正予算の規模は、一般会計で123億3,800万円、企業会計で11億3,100万円となっております。
主な事業について御説明をいたします。
地域賃上げ加算支援事業です。本県の最低賃金が、国の目安を6円上回る69円引き上げられることに伴い、中小企業等に対して、地方上乗せ分の引き上げの2分の1相当として、正規雇用では1人5,000円、非正規雇用では3,000円を補助するものであります。
経済の好循環の実現に向けて、賃上げの動きをしっかりとバックアップしてまいります。
次のページですが、学校給食等物価高騰対策支援関連事業です。県立の特別支援学校や中学校のほか、私立の小中学校、それから、保育所、幼稚園などの給食の負担増に対し補助するものでございます。
これにより、子育て世帯の家計負担の軽減を図ってまいります。
次のスライドですが、地域救急医療確保緊急支援事業です。物価高などにより、厳しい経営環境にある医師少数区域内の三次救急医療機関に対して、緊急的な支援として、令和6年度における当期純損失の2分の1相当額を補助するものでございます。
医療資源が乏しい地域であっても、緊急度・重症度の高い患者に対して安定的に救急医療を提供できるよう、体制の確保を図ってまいります。
次のスライドが、訪問介護事業所緊急支援事業です。訪問介護事業者に対して、緊急的な支援として、令和6年度の介護報酬引き下げによる減収相当額の補助をするものであります。
地域の高齢者に対して、安定的な在宅介護を提供できるよう、体制の確保を図ってまいります。
最後に、社会資本の整備です。
国補公共事業につきましては、国からの内示額が当初予算を上回ったことに伴い、直轄事業負担金のほか、橋梁の老朽化対応や防災・減災の緊急対策などの予算を追加するものです。
説明は、以上です。
毎日(幹事社):ありがとうございます。
今回の目玉といいますか、知事がこれは特に力を入れていきたいということについてお聞かせいただければと思います。
知事:一つ、大きなものがあるとすると、物価高対策で、特に、私が進めてきました最低賃金の引き上げに伴って、中小企業事業者に対する支援を強化したことが、一つ、大きな柱になるのではないかなと思います。
そのほか、経済対策としては、酒米の確保を支援するために、酒造好適米の生産をする農業者への支援でありますとか、県立・私立の給食費の負担増相当分への支援などもございますが、大きな話としては、今の最低賃金の引き上げに伴う支援が大きな柱かなと思います。
もう一つは、安心・安全に関する社会基盤の強化という観点で、物価高などに苦しんでいる医療機関、それから、訪問介護施設、こちらへの支援、これは、介護報酬とか医療費の公定価格の見直しに伴って経営が苦しくなっているところについて、特に、訪問介護事業者、それから、医師少数地域における三次救急をターゲットにして、しっかりと緊急的に支援をするというものでございます。
そのほか、県政の諸課題ということで、幾つか新しいものを追加していまして、一つは、減塩対策を衣替えして、生活習慣病対策として、野菜摂取のキャンペーンを筑波大学附属病院の力もお借りしながら進めていくキャンペーンに対する費用でありますとか、東京圏などから県内企業に就職する方への引っ越し費用の支援であるとか、あるいは、那珂市にリニューアルオープンする植物園の工事費に対する追加費用、こういうものが含まれているのが特徴的なのかなというふうに思います。
毎日(幹事社):ありがとうございます。
補正予算に関して、各社さん、お願いします。
朝日:朝日新聞です。
2つ、あります。
まず、一番の目玉でおっしゃっていた賃上げのことなんですけれども、あくまで原則論でいけば、賃上げは企業の経営者が独自の努力でするべきものかと思うのですけれども、ここ、経済の好循環に向けて、県が支援したという狙いをもう少し詳しく教えていただきたい。
知事:それは自明の理だなというふうに思っていたものですから、質問がちょっと。
朝日:あえてそれを知事がおっしゃったので、ちょっと。
知事:日本の今の現状は、この根本的にあるものは、要するに、人件費にしっかりとお金が回っていないということですよね。企業の内部留保は積み上がっているにもかかわらず、労働分配になかなか費用が回っていない。それによって、社会の中で低所得者層の方々が増えてしまい、それが経済の低迷にまでつながっている。これは経済学的にも結構明らかだというふうに言われているかと思うのですけれども、この解消ということは、労働分配率をいかに引き上げるかということで、国や行政が関与できる唯一の部分というのは最低賃金しかないわけですよね。企業の賃上げを指示するわけにもいきませんので、最低賃金の引き上げを加速度的に引き上げていこうということをこの茨城県政は何年間にわたって進めてきて、今回、初めてガイドラインに対して、プラス6円という茨城県にとっては初めての大幅な地域での追加引き上げということになったわけです。
このときに必ず問題になってくるのは、最低賃金で雇用されている事業者というのが、小規模事業者だったり中小企業だったりするわけで、その企業の方々の経営にいきなり大きなインパクトを与えてしまうという批判も当然ながら出てくるわけで、それに対して、行政として、期限を区切って、激変緩和措置という形での支援を行いながら、しっかりと賃上げに向けた流れを確固たるものにしていく。
最低賃金の引き上げは1回で終わりませんので、5年、6年と続いていって、あるべき水準まで持っていくということが合意されていますので、そういうことの一つの最初のステップとして大事な支援策かなというふうに思っています。
朝日:もう一つなんですけれども、先日、国土交通省のほうから下水道管の老朽化について。
知事:違う質問ですけれども。
朝日:いやいや、この予算についてです。ここに入らなかった理由を知りたくて。
知事:今後の対策を踏まえながら、今回の補正予算にはちょっと間に合わないタイミングだったので、これからどういう対策がとれるのかということを見ながら、次の段階でお答えしますけれども、そういう課題なのかなというふうに思っています。
朝日:では、それは次回にということですか。
知事:ちょっとこれには間に合いません。
朝日:分かりました。
NHK:NHKです。
今、知事のお話から、最低賃金の点について強化をしているということなんですが、改めて、再度、今後の支援のお考えといいますか、さらに強化していきたいなど、お考えがあれば、改めて教えていただけますでしょうか。
知事:質問がよく分かりません。何についての。
NHK:支援ですね。今後の補助の支援をさらに強化していきたいと。最低賃金の話です。
知事:強化も何も、こういう形での上乗せがしばらく茨城県の中では続いていくというふうに思いますので、そのタイミングで、同じような支援を適宜打っていく必要が当然あるというふうに思っています。
NHK:ありがとうございます。
毎日(幹事社):では、ないようですので、2点目についての御説明をお願いいたします。
知事:次が、茨城空港からの韓国ソウルの仁川路線の新規就航の決定について御案内したいというふうに思います。
このたび、11月12日から、新しく茨城とソウルを結ぶ仁川便の就航が決定いたしましたので、発表いたします。
仁川路線の概要ですけれども、本路線は、11月12日から、定期便として、週3便運航されます。
運航される曜日は、月曜、水曜、金曜で、従来なら、国際線の就航ができない曜日や時間帯も含んでおりまして、8月7日の国際線乗入れ制限撤廃がなければできなかったことであります。
本年7月18日、私自ら、中谷防衛大臣へ要望し、実現した国際線の制限撤廃の効果が直ちに現れたと、大変うれしく思います。
そして、運航するエアラインは、現在、清州便を運航している韓国のLCCエアロKになります。韓国を重点市場と位置づけ、茨城県の自然や食やゴルフなどのプロモーションを強力に推進してきたことで、エアロKのカンCEOともう何度もお会いし、親密に意見交換を進めてきたことが今回の仁川便の実現につながったと考えております。
今回の仁川便の就航により、清州便と合わせて、月曜から土曜までの週6日間、茨城と韓国は直接つながるということで、より韓国と往来しやすくなるというふうに言えると思います。
仁川便の新規就航の機会を生かして、さらなる韓国との交流拡大に取り組んでいく考えです。
韓国の方々に茨城にお越しいただくのはもちろん、茨城の皆様にも仁川便を御利用いただき、韓国を楽しんでいただきたいというふうに思います。
私からの発表は、以上です。
毎日(幹事社):ありがとうございました。
ただいま、エアロKのCEOと何度も意見交換されてきたというお話がありましたけれども、この仁川便に関しては、エアロKのカン・ビョンホCEOが5月に来県されたときに、清州便が成功した上で計画したいということをお話ししていらっしゃいましたが、今回、清州便との関係で仁川便が就航に至った要因について、お聞かせいただければと思います。
知事:清州便の就航に当たって、エアロKのカンCEOとは何度もお会いをさせていただき、様々な意見交換をさせていただく中で、信頼関係を構築できたというふうに思います。
今回、我々の規制緩和に合わせた形で、もともとビジネス的に可能であれば仁川便もということで、それが早速実現したということではないかというふうに思います。
茨城とソウルを結ぶ定期便が6年ぶりに実現することになりますので、これまでにも韓国からのたくさんのインバウンドの方にいらしていただいていますので、さらに茨城県の中においても、観光などをはじめとした様々な経済の活性化が期待できるのではないかなというふうに思っております。
毎日(幹事社):ありがとうございます。
今後、路線を維持していくために、プロモーションというお話がありましたけれども、どのようにインバウンド、アウトバウンドの利用を促していくかというあたりのお考えについてお聞かせください。
知事:インバウンドのプロモーションについても、引き続き、ゴルフ以外にも、様々な観光ツアーなどを含めてツアー造成なども図っていますし、韓国においてのプロモーションも進めております。
県内においても、今度、仁川便も就航することになりますので、より韓国への旅というものを身近に感じていただくようなプロモーションを、今後、私も一緒になって進めていきたいというふうに考えています。
毎日(幹事社):ありがとうございます。
各社さん、この件に関して、質問をお願いします。
日経:知事にお聞きすることではないのかもしれないのですけれども、当初、清州のほうの定期便が、就航スタート時、それほど搭乗率が高くはなかったのですが、こうやって清州の増便と仁川の就航というのができるようになった、その手応えというか、各種プロモーションをいろいろやってこられて、着実に上昇しているという理解でよろしいですか。
知事:着実と言えるかどうか分かりませんけれども、努力をして、搭乗率の向上というものを努めているというのは、茨城県も協力をさせていただきながら進めているというところです。
仁川便もできることで、より清州便も含めた全体の搭乗率の引き上げというのは、ますます選択肢が増えることによって可能になるのではないかなというふうに思いますし、100%順風な搭乗率でなかったとしても、こうやって仁川便を就航させていただいたという決定をエアロKのカンCEOがしていただいたというのは、私個人も含めた茨城県との信頼関係があるからこその決定ではないかなというふうに感謝申し上げております。
日経:ありがとうございます。
毎日(幹事社):ないようですので、3件目についての御説明をお願いいたします。
知事:次が、先日来より何度か発表しています茨城県植物園、THE BOTANICAL RESORT「林音(リンネ)」のリニューアルオープンですが、オープン日が決定しましたので、御案内いたします。
オープン日は、11月29日土曜日ということでございます。
緑に遊び、緑に包まれて眠る、日本初の「泊まれる体験型植物園」をコンセプトにしたリニューアルオープンということになります。
関係者やメディア向けのオープニングセレモニーは11月27日に行う予定でございます。
全体の配置図がこちらの図のようになっていますけれども、県としましては、このリニューアルによって、採算性を高め、持続可能な運営ができる施設にしたいと考えております。
また、茨城の新たな観光の目玉として、是非、県内外から多くの方に利用いただきたいというふうに考えております。
施設の詳細や利用料金、予約方法などについては、この会見の後、指定管理者から説明する時間を設けておりますので、詳しくはそちらで確認をお願いいたします。
以上です。
毎日(幹事社):ありがとうございます。
リニューアルオープンの日取りが決まったということで、こちらの施設は、県央、さらには県北地域への誘客につながる施設かと思いますが、そのあたりの期待感についてお聞かせいただければと思います。
知事:県央から県北にかけての観光を、単発の1か所で日帰りというのではなく、複数の地区を回っていただき、宿泊もし、食事も楽しんでいただいて、周遊して帰っていただくということへの、そういう目標において、今回の体験型植物園のリニューアルオープンというのは非常に大きな役割を果たしていただけるんじゃないかというふうに期待しております。
那珂のインターからも近いですし、そういう意味では、今後、県北の観光の大きな目玉の一つにしていきたいというふうに思っています。
毎日(幹事社):ありがとうございます。
各社さん、お願いします。
この件については特にないようですので、幹事社のほうから、発表事項以外の質問を2点させていただきます。
毎日(幹事社):先日、下水道管の特別重点調査の結果が公表されまして、県内ではおよそ10.5キロが原則1年以内の速やかな対策が必要とされる緊急度Ⅰと判定されました。
これは愛知県に次いで全国で2番目に長いということで、まず、この結果をどのように受け止められたかということと、あと、工事完了までには多大な費用と期間を要するということで、今後、どのように対策を進めていかれるか、お考えをお聞かせください。
知事:今回の1年以内の対策を求められる緊急度Ⅰの要対策箇所10キロと、非常に膨大な延長になったことはしっかりと受け止めなければいけないなというふうに考えております。
これらの指摘された対策箇所は非常に断面が大きくて、流れる下水量も多く、地中深く、その対策に1年以内という期限を設けられても、ちょっと技術的にも財政的にも難しいのではないかという場所でございますので、政府として、しっかりと技術的なサポート、財政的なサポートというのを併せて行っていただくことが当然の前提として考えないと、ちょっと県単独では難しいのではないかという感想を持っています。
今のところ、確認したところ、管路内の土砂の堆積や路面下の空洞など、八潮のような陥没が起こるような兆候は一切見られていないので、しっかりとそういう兆候をチェックしながら、当面の安全対策を行いつつ、今後の対策というのを模索していく必要があるのかなというふうに思っております。
今の話で申し上げると、要するに、優先的に修繕が必要だというカテゴリーに、緊急で1年以内にやらなければならないという必要性のあるところがカテゴリーⅠ、カテゴリーⅡと2つあるのですが、カテゴリーⅠが1年以内、カテゴリーⅡがもうちょっと長期ということなのですが、今回、全体として、茨城県として、カテゴリーⅠ、Ⅱの総数というのはそんなに多くないのですけれども、ⅡからⅠに大幅に移っているのです。それは、若干、我々としての登録も、ちょっと小さなクラック、傷で厳しめに登録したことがほかの県の相場観からずれている可能性もあるので、小さなクラックでⅠに移されたのが、10キロの総延長のうち8キロぐらいということもあって、我々の登録の仕方が本当に全国的な登録の仕方と齟齬がないのかどうか。過剰にもしかしたら厳しめに判定をされるような登録の仕方をしてしまったのではないかというところは要分析かなというふうに思っていまして、そちらも併せて、当面の安全対策を行いつつ、国に対する支援(要請)を行ってまいりますが、我々の登録した緊急度Ⅰに認定された内容についても、もう一回、再調査をする必要があるかなというふうに思っています。
毎日(幹事社):分かりました。ありがとうございます。
毎日(幹事社):もう1点、お願いいたします。
自民党の総裁選が22日に告示されまして、5人による論戦が始まっています。
新総裁に期待することなどありましたら、お考えをお聞かせください。
知事:私が一番懸念しているのは、社会の分断を招くような経済状況、それから、労働環境、そういうものを解消することが喫緊の課題なのではないかなというふうに思っていまして、そういうことを優先して行っていただかなきゃいけないというふうに思っています。
先ほどの最低賃金の話のときにちょっと申し上げましたが、要するに、日本におけるいわゆる低所得に該当するような方々、非正規雇用を中心に非常に増えているという調査もございます。そういう観点で言うと、どうやって分断を生みかねないそういう人たちの生活をしっかりと底支えするような賃上げを行うのか、非正規雇用についての正社員との制度的なギャップ、そういうものについても、これをしっかりと見直すことも含めて、社会の分断を招かないような努力というのをしっかりと政権として行っていただくということが重要なのじゃないかなと。そうでないと、ヨーロッパやアメリカで起きているような極端な考え方に世の中が分断されてしまう、そういうことに日本もなりかねない。そういう兆候が出てきているんじゃないかなというのが一つ。
もう一つは、その前提として、日本の産業競争力の低下が著し過ぎるんじゃないかと。AIの時代、あるいは、様々なロボティクス、様々な分野で、日本という国の存在感が非常に薄れて、世界の中で小さくなってしまっている。ここをきちんと強化しないと、いくら労働環境、雇用環境をいじっても、要するにパイが大きくならなければなかなか活路が見いだせない。このまま国債の発行を増やし続けるということにも解がないというふうに思いますので、今、日本は、本当に分かれ道の、岐路に立たされているというふうに思いますので、そこをしっかりと優先順位をつけて対策を講じることが、日本の将来、特に、今の若者世代たちの将来を決めるのではないかなというふうに思っていますので、是非そういうことを期待したいというふうに思います。
毎日(幹事社):ありがとうございました。
各社さん、お願いします。
東京:東京新聞です。
今の幹事社さんの質問のところで追加でなのですけれども、社会の分断、いろいろな尺度のものがあるかと思いますが、それを言葉にしていくとどんな感じになるでしょうか。貧富とか世代とか。
知事:日本の場合は、所得と資産の合計による格差と世代による格差が結構重なっていたりするんじゃないかなと。特に、氷河期世代以降の方々の所得の少なさが非常に多かったりとか、その上の世代の所得と比べても差があるとか、あるいは、今の若者世代は賃上げの恩恵を受けている世代もあるかもしれませんけれども、でも、一様にして現役世代が非常に苦しんでいるということが言えるのではないかなというふうに思います。
というのも、ここ最近の選挙の情勢なんかを見ていてもそうなのですが、現役世代、特に、共働きというものが前提じゃないとなかなか暮らしていけない社会であるとか、あるいは、非正規雇用だと、そもそも結婚することすら難しくなっている社会とか、物価がどんどん上がる中でどんどん生活が苦しくなっていく。そういうことに対して、一方で、資産を持っている高齢者のほうはまだ少し余裕があるとか、いろいろそういう重なる部分は私はあるんじゃないかと思いますけれども、いずれにしても、世の中の不安と不満のマグマというのがたまってきていることが、一つ、大きな日本のこれからの懸念の兆候としてあるんじゃないかなというふうに思っています。
東京:ありがとうございます。
経済的な分断以外はどうでしょうか。
知事:どういう分断ですか。
東京:例えば、最近の外国人に対するスタンスですとか。
知事:私は、外国人に対する不満というのは、もとは経済的不安に帰結するんじゃないかなというふうに思います。そこら辺の生活に対する不安、不満、それから、それが膨らむ形で、その対象として、最近非常に増えてきている外国人労働者、その人たちの中には、非常に日本に貢献している人もいれば、あるいは、ルールを破って様々なトラブルを起こしている人、これは両方いるのだと思います。これは日本人でも同じだと思うのですけれども、両方いる。でも、トラブルの真意は定かじゃないような誇大なトラブルも作り上げて外国人攻撃というのをあおっているという風潮もあるのは事実なので、そういうことは、すべて元をたどれば、経済的な不安と不満と、そこにたどり着くんじゃないかなと私は考えていますけれども。
東京:分かりました。ありがとうございます。
朝日:朝日新聞です。
先ほどの幹事社の質問からありました下水道管緊急度Ⅰを再調査する必要があると考えているという話でしたけれども、これは再調査を命じたということでいいのですか。担当課に。
知事:いや、再調査をどういう形でやるかも含めてこれから検討するということですね。再調査という言葉が適切なのか、登録の仕方というのをしっかりと全国的な並びと比べて比較するだけの話なのか、よくその辺のやり方は分かりませんが、もしかしたら、茨城県の状況から考えると、茨城県だけ全然補修していないというわけでもないですし、茨城県だけめちゃくちゃ総延長が長過ぎるというわけでもないので、全国で2番目に緊急度Ⅰが多いというこの結果はちょっと奇異なのですね。ですので、もしかしたら、本当に対策をする必要があるのかもしれないので、その対策に向けての努力は進める一方で、もしかしたら過剰に緊急度Ⅰにしてしまったのかもしれないということについても検証を併せて行うということです。
朝日:では、その検証自体は担当課にするように指示していて、見直すかどうかは別として。
知事:検証について検討するように命じてあります。
朝日:それとは平行して、コンサルなどに今後の工事の改修計画などを発注する準備をすると。
知事:そういう状況にはまだ至っていません。
朝日:至ってはいない。
知事:はい。
朝日:分かりました。
知事:というか、改修をコンサルにお願いするにも何をするにも、まず、技術的にどうやったら可能なのか。要するに、バイパスを造らなきゃならないという話になりかねませんから、そうすると、そこまで本当に必要なものなのか、今すぐ、1年以内にということも含めて、ちゃんとしっかりと検証しないと大変なことになりますので、これは八潮の例を見ても分かるように、周辺の住民の方には大変な御迷惑をかけることになりますし、膨大な費用と膨大な工事のための労働力の投入も必要になってきますので、ちょっとそこは簡単にすぐコンサルに回して、ちょっちょっちょっと改修しますと言えるような類いの話じゃないのですね。ですので、ここはちょっと慎重に、両方にらみながらやっていきます。
茨城放送:LuckyFM茨城放送です。お世話になります。
大分、話を戻しちゃって申し訳ないのですが、9月、いや、10月補正予算案、秋としては100億円規模ってちょっと多いかなという感覚もあるのですけれども、改めてになったら申し訳ありません。どのあたりを重視しなければいけなくて、あと、三桁単位というか、それになった理由というか、どの辺というふうに感じていらっしゃるか、確認なのですが。
知事:公共事業については、国の査定が我々の想定よりも多かったということに伴う出費があの予算の増ですので、それ以外については、そんな特に意識して増やしたということはありませんので、一般財源の基金からの取り崩しも今回はないですし、そういう意味では、特にそういう意識はしていませんね。
自然体で、今やらなきゃならないものを、今回、予算化いたしました。特に増やせということは、私からは指示しておりません。
茨城放送:ありがとうございます。
NHK:NHKです。
今月18日につくば市を中心に突風の被害がありました。
改めて、被害を最小限にするために必要なこと、対策ですとか考えていること、県としてございましたら、教えていただけますでしょうか。
知事:つくば市、それから、境町、あと日立市においても突風被害がございました。
その突風被害については予測が難しいこともございますので、気象庁からの警報などをしっかりと把握したタイミングで、必要な対策を取れるような、そういう啓蒙というのを今後も引き続き県としても努力していくということが必要なのかなということを実感いたしました。
今回、幸いなことに人的被害はなかったということではございますけれども、今後、こういう突風被害というのは、日本においても、気候変動などに伴って発生頻度が増えてくる可能性は高いというふうに思いますので、しっかりと日頃からの心構えの啓蒙活動を強化していきたいというふうに思います。
読売:読売新聞です。
少し話は変わるのですけれども、先日、筑波大附属病院で41年ぶりに膵腎同時移植というか、臓器移植が行われたということで、間もなく発表になるようなのですけれども、臓器移植を巡る問題、いろいろあるかと思います。
ただ、人材の面でもなかなか不足をしていて、大学附属病院でもなかなかこれまで広がりといいますか、人材不足にも悩んできた中で、少し明るいニュースなのかなとも思っています。
ニュースに触れられたかどうかちょっと分からないのですけれども、こうした実現に対する期待感といいますか、今後、臓器移植を巡る医療環境を含めて、どのようになっていけばいいかなというふうに、もしお考えがありましたら聞かせてください。
知事:非常にうれしい、すばらしいニュースだなというふうに思っています。
医学の進歩、臓器移植、それから、がん対策、様々な面で非常に日進月歩で進歩しているというところは、非常に我々にとってもうれしいことだし、今後の医療界のさらなる発展を是非期待したいというふうに思います。
ただ、一方で、現場の医師の皆様なんかと会話をすると、非常に厳しい状況に置かれているというのも現実ですし、あともう一つは、皆保険制度も財政的には非常に難しい局面を迎えているということで、医療について、今後、どう抜本的な見直しをするのかということは大きな課題になるんじゃないかなというふうに思っています。
一つは、地方の医師不足、それから、診療科による医師不足、そういう格差を生まないような工夫というのをしていかないと、本当に医師の診療科の選択、あるいは、勤務地の選択というのを全て本人の自由意志ということだけで済ませていいのか。莫大な国家予算を医師養成のために使っているわけですので、診療科ごとの定員であるとか、今は全然あってないようなものみたいなので、しっかりと厳しく全体の数を管理しながら、本当に必要な外科、内科、あるいは、産婦人科、小児科とか、そういう診療科に医師になる人材を供給できるような、そういう仕組みを考えていかなければいけないなというふうに思うのが1点目。
もう一つは、少子高齢化がどんどん進む中で、医療費の負担、特に、保険診療の対象に全ての薬をしてしまうことに、本当にどこまで、今後、国民的なコンセンサスを取れるのか。負担する側からも含めて、しっかりと議論しないと、このまま高額な医薬品というのをどんどん保険診療の対象にし続けることにもそろそろ限界がありそうな気もするので、そこら辺についてどういうふうに考えるかということも、国民的な議論を、非常に難しいのですけれども、しなきゃいけないというのは、私の率直な意見です。
読売:ありがとうございます。
東京:東京新聞です。
ちょっと違う質問ですけれども、知事選でも対立候補から出ていましたが、茨城県は全国の都道府県で唯一ゼロカーボンシティ宣言をしていないということで聞きましたけれども、これ、私の認識では、そんなに自治体がするのにハードルの高いことではなかったんじゃないかと思いますが、何かしていないことについて、気候変動対策に対する知事とか県の考え方とかがあるのでしょうか。
知事:何度もその質問ってされていますよね。されていませんでしたっけ。しょっちゅう東京新聞の方がされているような気がするのですけれども、毎回同じ質問をするので、毎回同じ答えをさせていただいているのですが、御存じのとおり、茨城県の中のカーボンの、要するに、二酸化炭素の排出量、どこがというと6割が産業由来なのです。要するに、鉄鋼とか、石油化学とか、そういうところのゼロカーボン化というのを見通せない限り、ゼロカーボンシティなんて宣言したって絵に描いた餅なわけです。2050年にゼロカーボンシティになりますという、その工程を見せてみろと言われたときに、当然、そういうふうに次は質問するでしょう、僕がゼロカーボンシティと言ったときに。その答えがないわけですよ。
やれることはやっていますよ。カーボンニュートラルの産業基盤をつくろうとか、様々な努力をしています。でも、そこの抜本的な、本当に鉄の生産でゼロカーボンができるのかとか、石油化学でゼロカーボンができる、産業由来が茨城県はほとんどなのですから、それが見えないときに、ゼロカーボンシティと宣言するのは私は簡単ですよ。どうせ僕はそれができる頃には、当然、今のポジションにいないでしょうし、何とでも無責任にできるのですが、そんなことをやっていることに意味があるのかというのが僕の考え方です。
だから、ゼロカーボンシティを宣言しているところに、本当に実現できるのですか、どういう道筋でと言って説明できるところばかりじゃないんじゃないですかね。
だから、全く根拠もなく、ただ単にゼロカーボンシティを目指しますと言うだけでオーケーだったらいくらでも、直ちに、今すぐにでもゼロカーボンシティ宣言をしますけれども、そんなのって意味ないんじゃないですかというのが僕の考え方なのですが。
東京:とはいえ、環境省から補助金が出たり、支援があったりとかするかと。
知事:いやいや、環境省の補助金目当てでそんなものを宣言したってしょうがないでしょうと私は思いますが。
それは東京新聞さんと私の考え方の違いなのですが、私は、より責任ある立場の人間として、ゼロカーボンシティって本当に宣言するのだったら、実際にこういうタイミングでこういうことをやって、こういうふうにしてゼロカーボンシティを目指しますという、ある程度、具体性というか、蓋然性のあるような話ができないと難しいんじゃないかなと思うんですけれどもね。かけ声だけだったらいつでもできますけれども、それでいいというんですかね。そうすると、今度は、必ず皆さん方から、じゃあどうやってゼロカーボンシティを実現するのですかってずっと突っ込んでくるのでしょう。それで、そのときに何も答えられないわけじゃないですか。そうしたら、日本製鉄さんに茨城県から出てもらうしかないですねって、そういう答えをしろという話になっちゃいますよね。
ですので、全く、僕は、これは議論する意味もないんじゃないかなというふうに思っているのですけれども。
東京:具体的な道筋が示せない中で宣言するのは必要はないという、そういうお考え方。
知事:いやいや、必要があると思うのだったら、そう思っていたらいいじゃないですか。別に僕は、環境省の予算、補助金とかはそんなに欲しくないですから。
カーボンニュートラルの拠点をつくるとか、そういう必要なことは、御存じのとおり、茨城県としても最大限の努力をしていますし、カーボンニュートラルそのものを否定するつもりは全くありません。一生懸命それに向かって努力をするのですが、社会インフラに関わるもの、あるいは、生産技術に関わるもの、そういうものを含めて、全く道筋も何もないのに、ゼロカーボンシティですって無責任に言ったら、それって、受け取る人の受け取り方によっては、じゃあ、うちの企業はこの茨城県から出ていけと、そういうことですかと、そういう話にもなっちゃいますよね。
だから、そこは東京新聞さんとの考え方の違いなんじゃないですか。
東京:出ていけというつもりは私もありませんが。
知事:何でそんなにゼロカーボンシティって宣言させたいのですか。よく分からないのですけれども。
共産党さんもそうですよね。
東京:いや、考え方を聞きたかったということです。
知事:ああ、そうそう。今のが考え方です。カーボンニュートラルとかに消極的なわけでも全くないです。何としてもカーボンニュートラルは前に進めたい。そうすると、社会インフラ全てに関わる話なので、しっかりとちゃんとビジョンを持って進めていかないといけませんし、それに関わる技術も必要になってくるわけですよね。茨城県の特殊な環境を考えると、そんな簡単にできるものではないんじゃないかなというのが今の私の考えです。
東京:分かりました。
知事:宣言すると突然カーボンニュートラルができるようになるのだったらいくらでも宣言しますが。
NHK:NHKです。
先ほど、下水道管の再調査という言葉が正しいかどうかは別として、お話がありましたけれども、今年度までに41キロを調査すると思うのですけれども、残りの10キロというのは、この基準というのは。
知事:何だっけ、41キロって。
事務局:今回、40キロが調査対象になっているのですが、八潮市と同様の条件下が優先区間ということで、今回、31.5キロが先行してやることになっておりまして、残りの約9キロについては、年度末に公表する予定となっております。
NHK:こちらの調査の基準とかは、さっき、ちょっと厳しいんじゃないかという話がありましたけれども。
知事:必要に応じて、前回の審査の仕方というか、調査結果の出し方と変えるかもしれません。
NHK:分かりました。
NHK:あと、申し訳ないのですが、茨城空港の仁川便のお話で、ソウル便、今回就航されまして、国際線の制限も撤廃されたということで、例えば、ほかの国の便ですとか、今後さらに広げていきたいとか、もし知事のお考えがあれば、すみません、教えていただけますでしょうか。
知事:前々から言っているように、なるべくたくさんの誘致を行いたいというふうに思っています。
NHK:分かりました。ありがとうございます。
知事:よろしいんじゃないですか。
毎日(幹事社):どうもありがとうございました。
知事:ありがとうございました。