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更新日:2025年8月7日
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この資料は、県政記者クラブとの定例記者会見での発言内容を要約したものです。
知事定例記者会見の動画は、こちらから視聴いただくことができます。
(作成:報道・広聴課)
令和7年8月7日(木曜日)
11時15分~12時00分 会見室
知事:お願いします。
共同(幹事社):共同通信です。
それでは、発表事案からよろしくお願いします。
知事:本日は、茨城空港における国際航空便の乗り入れ制限の撤廃について発表させていただきます。
茨城空港ではこれまで、国際線の乗り入れに関して、資料の左側に示した制限がありました。
1つ目は、国際線が就航できない曜日や時間帯が設定されている。2つ目は、国際線が出発してから、次の国際線が到着するまで、1時間空けなければならない。3つ目は、駐機できる時間が1時間以内とされている。このような規制があったわけでございます。
このため、茨城空港への航空会社からの国際線の就航希望に十分応えられないという事態が生じておりまして、旺盛なインバウンド需要の取り込みの課題となっておりました。
そこで、先月7月18日、私自ら、中谷防衛大臣に面会し、これらの制限を撤廃するよう要望してまいりました。
そして、今般、防衛省から要望に対する回答があり、これらの制限撤廃が実現いたした次第でございます。
本制限撤廃後の新たな運用は、本日8月7日より適用され、これにより、航空会社は、希望する曜日や時間帯に茨城空港を利用できるようになります。
現在、航空会社と新規路線の就航や増便に関する協議を進めているところであり、本制限の撤廃は非常に大きな追い風となり、茨城空港の国際航空ネットワークの拡充につながり、利用者の大きな利便性向上になるものと確信しております。
発表内容は、以上です。
共同(幹事社):ありがとうございます。
まず、幹事社の共同通信から質問させていただきます。
知事御自身も自ら大臣のもとに要望をなさるなど、積極的に取り組まれてきた政策だったと思うのですけれども、まず、受け止めと期待することを教えていただけますか。
知事:自衛隊との共用ということで、様々な難しい課題があったということではあるのですけれども、今回の制限撤廃を働きかけたことが具体的に実現したことによって、茨城空港の国際便にとっての利便性が非常に向上するということになりますし、ひいては、インバウンド需要の取り込みであるとか、茨城空港の首都圏における第三の空港としての位置付けの実現とか、そういうことにとって非常に大きな前進になるのではないかなと期待しております。
共同(幹事社):知事は、よく茨城県の茨城空港を首都圏での第三の位置付けのある空港を目指していきたいというふうにおっしゃっていますが、それが、今回、この要望が通ったということで、第一歩となったという把握で。
知事:はい。大きな第一歩になったというふうに思っています。
共同(幹事社):主に期待することは、国際線による。
知事:国際線、国内線両方ですけれども、路線の拡充をしていきたいというふうに思いますし、それによって、空港機能のさらなる強化、拡充というのも求められてくると思いますので、そういうことについても、ビジョンを、この前、出させていただきましたが、ビジョンに基づいて実現していきたいというふうに考えています。
共同(幹事社):ありがとうございます。
とりあえず、幹事社からは以上です。
日刊工:日刊工業新聞です。
この制限解除、逆に言うと、これまで、多分、何かしら自衛隊の運用に問題があったから制限がかかっていたと思うのですけれども、そのあたり、制限撤廃をすることによって、自衛隊としての運用に関わって、防衛省のほうから何か説明とかというのはありましたでしょうか。
知事:もともと様々な自衛隊側としての運用上の懸念、運用面だけじゃないかもしれませんけれども、様々な懸念があったことを前提に、こういういろいろ制限が設けられたというふうに思ってはいますけれども、我々もいろいろな情報を取って、他の自衛隊との共用空港の現状なども調べて、そういう全体の状況なども踏まえながら、防衛省に対して要望活動をしていたところ、防衛省側も非常に前向きに検討いただけたというのが今回の結果に結びついたことなのかなというふうに思っておりますし、関係者の皆様に感謝申し上げたいというふうに思っています。
日刊工:運用上は問題ないということを、向こうから説明を受けたみたいな。
知事:問題があった場合には、緩和しないと思いますので。
日刊工:まあ、そうですね。
ありがとうございます。
あと、例えば、極端な話、有事の際に、そこの制限というのは、急にだめだよとかという話が来るのかというのはどういう運用になっているのか、教えていただければと思います。
知事:有事の際にどうするかというのは、それは我々の立場からお答えすることは難しいですね。防衛省側からお聞きいただかなければならない話であると思います。
日刊工:分かりました。ありがとうございます。
読売:読売新聞です。
先ほど、航空会社との増便に関する協議も進めているというお話がございましたけれども、まず、現時点で、航空会社側からの反応ですとか、期待の声というのがあったのかどうか、教えていただけますでしょうか。
知事:正確にこの結果を踏まえた反応というのはまだ入手はしていませんけれども、もともとこの制限がかかっていたところに、増便したいという話を、例えば韓国のエアロKさんからもいただいていたりしたし、時間帯に制限がかかっているところで増やしたいという話もタイガーエアさんからもいただいたりしていましたので、そういう意味では、今回の制限の大幅な緩和は、そういう要望に対して、我々がきっちり実現する可能性が大きく増えたということなんじゃいかなと思っています。
読売:ありがとうございます。
その上で、今後、知事として、これは航空会社側の判断になると思うのですけれども、例えば、1時間にどれぐらいの便数が飛んでいけば、茨城空港としてメリットが大きいなとか、首都圏第三の空港としてもよりよいものになるのではないかとか、そういった目標というか、どれぐらい目指したいと思っているのでしょうか。
知事:2040年代に170万人の利用を見込むというビジョンがございますが、あれが発着枠をどういうふうに前提にしているか分かりませんけれども、今の誘導滑走路とかターミナルビルのキャパシティを考えると、1時間にそんな4機も5機も来てしまったら、多分、パンクしてしまうと思いますので、おのずと現実的なところというのは制限があるのかなというふうに思います。
まずは路線の拡大ということに努めながら、それに応じてインフラをきちんと拡充していくということを実現していくことになるのではないかなと思っています。
読売:ありがとうございます。
NHK:NHKです。
以前の要望の際に、4項目で、夜間駐機の部分を明確に表現されていたと思うのですけれども、今回は、駐機事項の制限には夜間駐機という部分が含まれているという認識でよろしいのでしょうか。
知事:夜間駐機については、防衛省から、困難ということで、この制限は引き続き継続するということになっています。
NHK:ありがとうございます。
あと、先ほどの質問とちょっと重複する部分もあるのですが、まさに知事として、この制限撤廃を受けて、航空会社であったり、売り込みという部分も、今後、活発になっていくと思うのですけれども、制限撤廃というのは、具体的に、PRであったり、増便に向けて、どういうふうに取組を進めていきたいでしょうか。
知事:航空会社との就航に関する様々な話し合いの中で、航空会社にとっても、ここに飛びたいという曜日とか時間帯というのは、当然、希望がございますので、そういうのにしっかりと応えられる体制でこちらも営業活動ができるというのは非常に大きい話なのかなというふうに思います。今までは、こことこことで飛ばしたいと言っても、いや、すみません、ここはちょっと発着枠が埋まっていますとか、ここはもう飛べないことになっているのですとかということで断ってきたということが、今回の制限撤廃でほぼなくなってくるわけですので、非常に大きいのではないかなというふうに思っています。
NHK:ありがとうございます。
共同(幹事社):次に、幹事社のほうから何点か質問させていただきます。
最低賃金の関連なんですけれども、中央審議会のほうで最低賃金が妥結して、大分値段が上がったということで、茨城県内でも、8月の後半までには県内の最低賃金が決まるということがありますが、知事御自身が答弁とかなさって、お願いとかもなさっていたので、今回、中央が示した受け止めと、県内に関する期待感を教えてください。
知事:非常に高い物価上昇が続く中で、セーフティネットの意味もある最低賃金の引き上げが積極的に行われるという改定額の目安が示されたことは、私は前向きに評価をしたいというふうに考えております。
その上で、茨城県の最低賃金については、そのガイドラインの水準がどうなるかという問題に加えて、他県との比較において、経済的な状況等を踏まえると、ちょっと乖離があるという問題も抱えておりまして、それについては、経済団体、それから、労働団体とも話し合って、数年かけてその差のギャップを解消していくということを、先般、合意をさせていただいたわけですので、それに基づいて、茨城県の最低賃金の審議会のほうできちんと議論をいただくことが大事なのかなというふうに考えています。
共同(幹事社):ありがとうございます。
共同(幹事社):ちょっと話題は変わりまして、ガソリンの暫定税率の関係なんですけれども、与野党が1リットル当たり25.1円分の上乗せ分を年内に廃止することで合意した動きがあったわけですけれども、これに関する知事の率直な受け止めを伺いたいです。
知事:財源の手当ての議論をちゃんと忘れないでほしいなということに尽きるのではないかというふうに思います。地方自治体にとっても、ガソリン税の暫定税率の中には貴重な財源が含まれていますので、その分の恒久的な財源の手当ても含めて、当然、検討していただかなければいけないし、そうでなければ非常に無責任な話になってしまいますので、そこについてはきっちりとお願いしたいというふうに思います。
共同(幹事社):私からは最後になるんですけれども、改めて、21日に告示日が迫っている知事選に向けて、昨日もいろいろお話は伺いましたが、意気込みや訴えたい施策があれば、御教示いただきたいです。
知事:昨日も話しましたが、2期8年間の茨城県政において、予定調和的に現状維持を選ぶのではなく、あえて将来を見据えて挑戦していく茨城県政というものを推進してきた結果、1人当たり県民所得が全国3位になるなど、様々な成果も、それから、変化も起こしてきているというふうに思っております。
人口減少時代という地方にとっては大変厳しい時代にあって、引き続き、この方針を継続させていただいて、茨城県を飛躍に導いていきたいという思いでおりますので、そういう気持ちで今度の選挙に臨んでいきたいというふうに考えています。
共同(幹事社):ありがとうございました。
幹事社からは、以上になります。
NHK:NHKです。
先週の津波注意報・警報の対応についてお伺いいたします。
茨城県内にも注意報・警報が出されまして、一方で、各市町村の対応というのも異なったりした部分もありました。
茨城県でも様々な情報発信等取り組まれていたかと思うのですが、全体の対応についての振り返りや受け止めと、一方で、今回の一連の対応を踏まえて、課題として見えてきた部分があれば、教えてください。
知事:今回の津波の警報に対する対応について、一部の市町村において、Lアラートと連動している防災情報ネットワークシステムの入力が遅れてしまったという事態が発生しました。これについては、きちんとその市町村とも検証をした上で、再発を防ぐしっかりとした対応ができるようなことを進めていきたいというふうに思いますし、きちんと住民に対する適宜適切な情報提供というのも行えるように、体制強化を改めて徹底したいというふうに思っています。
また、避難所を設けたところも結構多くて、実際に避難誘導もしていただいたのですけれども、避難先の体育館とかに空調施設がない。非常に炎天下の中で、猛暑の中でという場合があって、今回の場合は、夏休み期間中だったので、空調のある普通教室を利用するという対応で、特段の大きな問題は生じなかったにしても、通常、避難所になり得る体育館のような施設に空調を備えていかなければならないということは、改めて重要性を認識できたので、大分空調を入れていただいて、御理解いただいて、市町村でも増やしていただいていますが、さらにそれを加速するように、県としても最大限の働きかけをしなければいけないと。この2点が今回の津波警報に伴う、我々としても認識している今後の課題というふうに考えております。
NHK:ありがとうございます。
読売:読売新聞です。
最低賃金のお話で幾つか教えていただきたいのですけれども、今回、国は、63円平均という形で目安を示しましたが、他県、例えば、千葉や埼玉と比較しても、まだまだ額としては乖離がある状況だと思います。
そうした中で、知事は、国の目安から5円以上上回る引き上げを目指していらっしゃいますけれども、そういった他県との比較も含めて、その意義について、改めて教えていただけますでしょうか。
知事:人口減少時代で、今や、人材の確保ができるか、できないかということが、まさに経営の問題に直結するような非常に大きな要因になってきておりますので、経済実態に不相応な賃金水準ということだと、人材の流出など、様々な弊害が出ることは明らかだということで思っています。
やみくもに、例えば、最低賃金水準が一番高い東京に合わせろというつもりはないのですけれども、茨城県の実力に見合った最低賃金水準まで引き上げないと、セーフティネットとしての機能もしませんし、それから、経営者の方にとっても、逆に人材確保を難しくするような、自分の首を絞めるような、そういうことにもなりかねないので、総合指標(指数)で全国9位レベルという茨城県の実力に見合う分ぐらいの水準にまで、全国の中で相対的な位置付けを上げていくことは引き続き重要だというふうに考えておりますので、隣の千葉県に勝つ、負けるとかというよりは、総合指標(指数)で示された全国の9番目という経済実態に見合う水準まで、一気にとは言いませんが、数年かけて引き上げるということが、この前、経済団体、労働団体と合意した内容で、それを着実に実行に移していただきたいなということを県の最低賃金の審議会には期待しております。
読売:例えば、取手市であるとか、古河市であるとか、そういった自治体ですと、隣接する他県との比較で、他県のほうにアルバイトの方が移っていってしまう、そういった課題というのがかなり顕在化してきていると思うのですけれども、その点は知事としてはどういうふうに受け止められていらっしゃいますでしょうか。
知事:それは、最低賃金というよりは、全般的な賃金水準の話になりますので、最低賃金というのは、セーフティネットということも含めて、社会的な生活を営む上での最低限の賃金水準はどうあるべきかという課題で、それは、県全体として、統計上に示されたような水準という目安を目指していきますけれども、実際の取手とか、主に南の県境で発生している人のやり取り、引き抜き合いみたいな、例えば、どっちかというと一方的に引き抜かれているのかもしれませんが、という事態は、これは最低賃金というよりは、賃金全体の水準の話になるので、そこは今や経営も競争上の観点からも賃金水準を引き上げなければならないということなのかなというふうに思います。
それは、例えば、保育所を経営していても何をしても、民間の企業、あるいは、民間の団体の経営判断によるところにおりますので、そこは経営上の優先順位をどこに置くかということによっても労働分配率は変わってくるでしょうし、そこの経営者としての認識が大きく問われる、そういう状況になっているのかなというふうに思います。
我々としては、しっかりと価格転嫁を行えるような環境をつくりながら、そういう状況にあって、経営者がきちんと労働分配率を引き上げて、賃金水準を引き上げて、隣の県の競合と勝負ができるような、そういう経済環境をつくれるような努力はしていきたいというふうに思っています。
読売:ありがとうございます。
読売:もう1点、先ほどの知事選についてなのですけれども、改めて、参院選でも候補者がSNSの活用をかなり積極的にされている印象を受けたのですけれども、知事としては、今回の知事選に臨むに当たって、どういった形でそういったSNSだったり新たなツールを活用して臨まれるのか、そのあたりを教えていただければと思います。
知事:参議院選と言わず、その前の兵庫県知事選、あるいは、都議選、それから、都知事選のときも含めて、いまやSNSをはじめとするネット上の様々な発信というのが選挙を大きく変えているという事実は、これは無視できないものがある。無視できないというか、正面から受け止めなければいけないものだというふうに考えていますので、私としても、活用を最大限増やしていきたいというふうに思っている一方で、ネット上の誹謗中傷なども非常に増えているというのも実態でございまして、プラスになるのか、マイナスになるのか、やっていてよく分からないみたいな、そういう状況も散見されるものですから、私としても、どういうふうに進めていくかというのは、ちょっと悩みながら考えているところでございます。
読売:ありがとうございました。
時事:時事通信です。
最低賃金に戻って恐縮なのですけれども、A、B、Cというランクがありまして、以前、知事もおっしゃっていましたけれども、茨城はCやBだったことが。
知事:今もBです。
時事:今、Bですけれども。
知事:昔、Cだった。
時事:昔、Cで、そういったことによる長年の蓄積が、経済実態が変わってもなかなか逆転しないということをしていまして、今回の中央審議会が出したものって、特徴的なのが、A、BよりCの目安額が初めて上回ったらしいのですよね、御存じのように。
知事:そうなのですか。
時事:そうなのですよ。Cの目安額のほうがAやBより多いということで。
知事:なるほど。国も意識し始めたのかな。
時事:そうかもしれないのですけれども。
こういった結果を受けて、かねて知事がおっしゃったように、そもそも全国一律にしてしまう方法もあるにはあるとおっしゃっていて、そもそもA、B、Cを分けることの是非ということと、逆に見れば、目安額というもの自体がむしろ形骸化していると認識されているのかということで、最後に、3点目は、仮にですけれども、先日、知事がおっしゃったように、全国一律で上げるとなった場合、それはイコール各地方の裁量権がなくなってしまう可能性ってあるんじゃないかと懸念されていて、都道府県知事や、もしくは市町村長からすれば、そういうのってあまり好ましくないんじゃないかと推察されるのですけれども、そこについて見解はありますか。
知事:ちょっとなかなか説明をよく考えないといけないのですけれども、まず、要するに、同一の最低賃金にするという選択肢は十分あると思います。それは、最低賃金をどの水準に置くのが適当なのかという考え方とか、それにも関わるのですけれども、要するに、最低賃金というのは社会にとってのセーフティネットの位置付けということで考えれば、当然、全国一律でつくって、それ以下の賃金というのはもう法的にも認めませんというロジックというのは十分成り立つし、そうすると、AとかBとかCとかって変なことも考えずに、地方でそれぞれ裁量とかと言って、経済実態とどうなのだと、労使交渉みたいなことを一生懸命どの都道府県もやっているとかということも必要なくなるので、他国でも、確かイギリスとかそういうところだったかな、韓国もそうだったような気がするのですけれども、全国一律というところも海外にも結構あるのですね。だから、そういう考え方を取ることは十分可能だというふうに思っています。
かつての日本のとっていたA、B、Cランク、今でもとっていますけれども、もうちょっと分かれたのかな。A、B、C、Dぐらいまで確か分かれたと思うのですが、そのカテゴリーごとに引き上げ額に差を設けていて、その差が、茨城県が経験したことは、カテゴリーCにあって、引き上げ額が少なく抑えられていて、例えば、隣の栃木県と最低賃金の差がどんどん開いていって、また経済が好転してBに戻ったにもかかわらず、その格差を是正しないと、Bになったものは、ガイドラインどおり、県もそのまま答申して、上乗せも引き下げもしなかったということで、これは問題が2つあって、カテゴリーに分けることって本当にいいのでしたっけと。カテゴリーに分けて、かつ、その引き上げ額に差を設けるってちゃんとロジカルなものだったのかというものもあるし、それでできた格差が、カテゴリーを移ったときに解消するのは一体誰の責任なのだと。
本来は、地方の最低賃金審議会が、それを踏まえてきちんと軌道修正してくれればいいのだけれども、茨城県ではそうならなかったと。国の目安額どおりしか答申しなかった。だからゆえに、経済実態と考えると9位ぐらいということだから、35円近くの実態とのギャップ、経済力とのギャップが残されることになってしまったというような現状を考えるときに、それは一体誰の責任なのだと。そもそも県がこんなことまで言わなければならないのかという思いは若干あるのですけれども、地方の審議会が事実的に考えてもらうべき話であるのではないかという気もしますが、ちょっと看過できないほどそのギャップがあまりにも大きいので、我々としても、経済団体や労働団体にもお願いして、今回、大枠のフレームワークをつくらせていただいたということなのかなというふうに思います。
いろいろお互いに絡んではいるのですけれども、全国一律の最低賃金ですよ。引き上げ率じゃなくて、全部同じ。全部同じ最低賃金額ということは十分考え方としてはあり得ると思うし、別に絶対だめという、そんな暴論でも何でもないというふうに思います。それはもうそういう決めの問題だと思いますね。
茨城:茨城新聞です。よろしくお願いします。
今日の会見は、2期目では最後の会見になると思うのですけれども、先ほど、幹事社さんからの質問とちょっと被るかもしれませんが、この4年間、もしくは、1期目から数えて8年間で、知事が特にやってきた中での成果と感じている部分と、あと、まだ残しているかなと考えていらっしゃる課題、これからやらなければならないかなと思っているようなことがありましたら、ちょっと教えてください。
知事:話は被ることになりますね。
まず一つ、数字で出せるような大きな変化、1人当たりの県民所得、あるいは、企業誘致、農産物の輸出、それから、メディアでの取扱量の広告換算額での増加、観光消費額過去最高とか、様々な成果というのを、いつも申し上げているような、そういう具体的な数字で表せられるような変化をこの茨城県で起こすことができたのが、私が進めている、要するに、挑戦する県政というものの実績として誇っていいものじゃないかなというふうに思います。
それから、数字に出るものの裏の話としては、例えば、コロナとか災害とかの危機対応、あるいは、医療、福祉などの選択と集中を考えて、メリハリを持った強化とか、いろいろなものがつながってはいるのですけれども、それを一々挙げていると、ここから1時間ぐらい僕が講演を始めちゃうので、それはやめておきますが、そういうことが全て積み重なったことの表れで出てきたことがこういう数字で出てきていることなのかなというふうに感じています。
今後の課題としては、さらにこの経済的な発展を確かなものにするために必要となってくるインフラの整備というのが残っていると思っておりまして、そういう意味では、TXの延伸であるとか、茨城空港は、今後、制限撤廃に伴って、路線を増やすことができてくると、当然、今のインフラ、施設では足りなくなりますので、そういうものも含めて、様々そういうことを、先手先手で、将来の発展のための投資という視点のインフラ、あとは、水戸の医療圏の整備に伴う県立中央病院の建て替えも含めて、果敢にやっていく必要があるかなというふうに思っています。
だから、ばらまきじゃなくて投資ですね。将来の発展の投資、将来、リターンとして県民に富をもたらすような投資を、是非積極的に進めなきゃいけないなというのがあります。
もう一つは、日本の経済の今後の行く末を考えたときに、海外の経済力とのつながりということをやっぱり強化していく必要はあるので、輸出、あるいは、インバウンド、そういうものの需要をしっかりと取り込むことをしっかりとやらなきゃいけないなというふうに思っていますし、課題としては、今後、急激に日本人の生産年齢の労働力が急激に減るわけですので、外国人材の獲得ということも、これは今までとちょっと次元が違ってくる可能性もありますので、しっかりと備えていく必要があるのかなというふうに思います。
あとは、企業誘致も今まで好調でしたが、今後、さらに大幅に時代が変わってきて、AIであるとか、カーボンニュートラルであるとか、DX、GX、そういうあたりが社会に大きなインパクトをもたらす時代になってきているので、そういうところにある程度フォーカスした産業育成、あるいは企業誘致ということにトライしなければいけない。
昨日お話ししたマニフェストにも書いてありますけれども、コンテンツとか、そういうものにも、今まで、どちらかというと農業とか製造業とかが中心の茨城県でしたが、そういう産業も育てるような努力もしなきゃいけないなというふうに思っています。
昨日と同じになっちゃいましたね。
茨城放送:LuckyFM茨城放送です。お世話になります。
政府が、米減反の方向性を転換するということを、過日、発表されたかと思います。茨城県内への影響など、所感がございましたらお願いいたします。
知事:米の増産に転ずるというのは農業政策を大きく転換するのだなということで、非常にインパクトのある政策転換だなというふうに感じております。
ただ、これは、ちょっともろ手を挙げて歓迎というわけにもいかない、ちょっと複雑な事情が、我々は農業県でございますので、御存じのとおりでございまして、一体その増産したときに、価格の暴落とか、要するに、逆にかえって農業従事者にとって厳しいことになるような、そういう事態をいかにうまく避けながら増産ということに舵を切っていくかということが、そこの詳細が非常に重要になってくるので、今後、その詳細の政策というのがきちんと設計されることを是非願っていきたいなというふうに思っています。
茨城県は、やることはそんなに変わらなくて、どういう状況にあっても耐えられるような経営体という意味では、大規模化というのは引き続き進めて、大規模にして、効率的な農業生産ができる体制というのを引き続き構築しますし、海外への輸出能力、トランプ関税が出てきましたけれども、アメリカ以外も含めて、海外市場の獲得というのは引き続き強化していかなきゃならないと思いますし、あとは、茨城県がかつては最も苦手としていたブランドづくり、これが、この8年間、いろいろ我々も取り組んできて、一定の成果が出てきたのですけれども、こういうのをさらに強化して、ブランド価値を高めた形で、利益率の高い農業というのをつくっていく。この3つぐらいは、農業政策、米政策がどう変わっていこうとも続けていかなければならないというふうに思っています。
茨城放送:ありがとうございました。
時事:ちょっと話が変わりまして、先日、県が出した茨城県職員子育て応援・女性活躍推進プランの育児休業の取得に関してなのですけれども、男性の育児休業等の取得率が111.5%というのが出て、内訳を取材すると、県独自の特別休暇を取っている人が多くて、一方で、くしくも一般の育児休業の取得率が減ったらしいのですよね。
そこはちょっと育児休業率というのは出ていないのですけれども、これを、話を聞くと、特別休暇のほうが取りやすいし、かつ、給与も減らないというところに利点があるらしいのですけれども、一方で、全国一律で総務省が発表しているものが毎年あるらしくて、育児休業のみの取得率だけが出ると、全国比較されてしまうという悲しさがあるらしく、それを、知事として、県職員の育児休業、特に男性の取組について、ちょっと所感をいただきたいのと、県独自で入れているものの意義というのを、お話を伺いたいなと。
知事:男性の育休を中心に、育児休業の取得というのは非常に就任当初から力を入れてきて、最大の課題は、給与保障というのでしょうか、給与が目減りしない形での育児休業の取得というのが最大の壁になっているということだったので、特別休暇などを組み合わせながら、非常に長期に取れるような仕組みをつくっていこうということで茨城県は進めてきたわけでございまして、実際に休暇期間も非常に長くなるという傾向もありますし、男性もほぼほぼ育児休業を取っていただいているという実績もございますので、我々としては、しっかりと成果を上げてきているなと。
そこに、最近、育休制度を強化してきた国が追いついてきたかなというくらいの話で、統計でどうしても全国一律にやらなきゃならないので、茨城県の特別休暇を入れられないという話ではございますが、実態として、我々は、最も先進的な育休制度を持っているということでありますので、国の統計ではそういうふうに比較のところに出ませんけれども、実質はうちがトップだぜとかって言いたいというふうには思いますが、実態が伴っていれば、それでいいんじゃないかなというふうに思っています。
時事:ちなみに、知事は、お子さんが小さいときは、積極的に育児に関わってきたのですか。
知事:答えはノーですね。取れませんでしたね。1歳ぐらいまでほとんど取らずに、その後、単身赴任で海外へ行っちゃったものだから、育児休業する機会がなくて、今でもそれで妻には頭が上がらない状況でございます。
時事:ということは、やっぱり職員にも取れるときに取ってほしいというのは。
知事:そうですね。家庭のためにということは副次的にあるのですけれども、それ以上に、今の社会課題を、政策課題というのを見ると、要するに、人に絡むところ、特に、少子化なので、人に絡むところ、女性の活躍はどうやって進めたらいいのか、それは少子化をどうやって食い止めたらいいのか、そういう政策ニーズの根源的なところを学ぶ機会として、この育児休業というのは、逆に私はすごい学びの場になるというふうに考えていまして、逆に家庭のためというだけじゃなくて、仕事のためにも、是非育児休業を経験して、子育てを経験することは、今後の行政マンとして活躍する一つの大きなプラスになるんじゃないかと考えて、積極的に進めています。特に男性について。
読売:読売新聞です。
先ほどの今後の課題のところで、外国人材の活用について言及がございました。
今、統計を見てみると、県内では3.65%の方が在留外国人としていらっしゃると思います。
今後も知事が活用の方向性を進めていけば、この率というのは、当然、上がってくるのだと思うのですけれども、そうなってきた場合、今、様々、外国人に対する言説が飛び交っている中で、外国人との共生というのが今後のテーマになってくると思うのですけれども、その点、知事のお考えが何かあれば教えていただけますか。
知事:ちょっと今の質問で一つだけコメントさせていただくと、県のほうで旗を振っていると外国人の労働者が増えるというのは、これは多分間違いで、放っておいても増えます。というのは、労働人口が、今でもそうなのですけれども、これから急速に減ってきていて、実態として、外国人材の活用をしないと回っていかないという状況なので、事業者の方々は必死になって、外国人材も含めて、人材獲得に走り回っているというのが事実だと思うのです。
その中で、県としての役割は、しっかりとした優秀な人材をいかに引きつけられるかということだというふうに思っていまして、そのためのいろいろな国との連携協定なんかもしながら、そのきちんとしたルートをつくっていくということをやっています。
もう一つ、今の御質問にあるような課題になってくるのが、地域のコミュニティーに変な分断を起こさないような努力というのが必要で、まず、ルールを守らない人に対するしっかりとした取り締まり、これはきちんと厳格にやる必要があって、今までの日本人だけのコミュニティーだったら、何となくあうんの呼吸というか、それ言わなくても分かるよねという常識というか、そういうものが、ある程度、暗黙のルールというものが通用しない人たちが来るわけですから、そういうこともルールはルールときっちり明確にしていく。あるいは、ルールを守らない人がいた場合には、しっかりと取り締まるというようなこともパッケージで考えないといけないというのは、これは正しいというふうに思っていますので、それも強化していきたいと思いますし、もう一つは、既存の地域社会との分断を防ぐ方法として、言葉の問題ですね。言葉の問題を少しでも解消していくために、まず、教育の面で日本語の教育というのをしっかりと進めるのと、あと、母国語で様々な相談ができるような相談窓口、これも、今、何か国語ぐらいあるかな。かなりの20か国語ぐらい対応しているような気がするのですけれども、正確じゃないかもしれませんが、相当な数の言語を対応していますし、あとは、お医者さんに行ったときに、外国人の方が無料でオンラインの通訳サービスを受けられるようなことも始めましたし、そういう地域コミュニティーの分断を防ぐような努力というのを併せてやらなきゃいけないというふうに思っていまして、これを今までも進めてきたのですが、さらに強化してくる必要が出てくるんじゃないかなと予想しています。
共同(幹事社):ほかにありませんでしょうか。
では、知事、ありがとうございました。
知事:ありがとうございました。