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更新日:2017年5月15日

きのこ雑学講座17

 こんなに安い!! 乾しいたけ

 「乾しいたけって高い!」 そう思っている奥さん方は,結構多いんじゃないでしょうか。スーパーの生鮮野菜のコーナーで売られている他のきのこ類は,一パックだいたい100円,国産の生しいたけも200円前後で買えるのに,乾しいたけは数十gの小さな袋が400~600円くらいします。乾しいたけを使い慣れていない人は,「メインディッシュにならないシイタケに500円以上も出すのはちょっと…。」と思うことでしょう。
 もちろん乾しいたけは乾物ですから,生ものと単純に比較はできません。そんなことは誰でもわかっていると思います。でも, 本当のところ,生のきのことどのくらいの価格差があるのかは,あまり知られていません。
 そこで,客観的な資料として,国が調査公表している2つの資料を使って,生しいたけと乾しいたけの消費者価格を比較してみました。

1.100g当たり単価の比較
 総務省が行っている平成24年の家計調査の資料から計算しました。家計調査は,全国から公平に抽出した世帯に詳細な家計簿を付けてもらい,それを基に消費動向(品目別の購入量や支出額等)を把握するものです。 農林漁業を除く,2人以上の世帯(7,766世帯)のデータから,家庭で消費されたシイタケの100g当たりの購入単価を計算すると,
 生しいたけが112円,乾しいたけが700円となります。

2.水分を差し引いた実質的重さの比較
 文部科学省が平成22年に公表した日本食品標準成分表2010から,シイタケの重さに占める水の量は,
 生しいたけが91%,乾しいたけが9.7%です。
 従って,水分を差し引いた実質的な重さは,(100-91)÷(100-9.7)≒0.1で,生しいたけは乾しいたけの1/10しかないことになります。

3.乾しいたけに生しいたけの水分を与えた場合の100g単価
 乾しいたけ100gは,実質的に生しいたけ1キログラムに相当するので,生に換算した単価は,約54円と言うことになります。

 以上から,乾しいたけの単価は,実質的には生しいたけの半額程度であり,他の生鮮きのこ類と比べても,非常に安いことがわかります。一見貧弱に見える小袋の乾しいたけも水に戻せばかなりの量に変身しますし,1回で使い切らずに長期保存できることも大きな利点です。お得な乾しいたけをもっと利用しましょう。

※ 総務省の家計調査では,菌床栽培と原木栽培,国産と輸入品の区別をしていません。品質による価格差も大きいので,上記の単価が一律にシイタケの価格の相場と言うことではありません。商品ごとに,乾しいたけの内容量の10倍が生しいたけ換算の量の目安として価格を考えてみましょう。

 

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