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更新日:2015年3月23日
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この資料は、県政記者クラブとの定例記者会見での発言内容を要約したものです。
(作成:広報広聴課)
平成21年1月22日(木曜日)
11時16分~11時40分 会見室
日経(幹事社):まず、日野自動車さんの古河への進出の件なのですが、率直な知事のご感想と、具体的な進出の時期等、今後の見通しについて改めてお伺いしたいのですが。
知事:大変厳しい経済状況の中で、将来に備えて用地の手当てをしておくということで、予約契約を結べたことを私どもとしては大変に喜んでいるところであります。特に私としては、これから経済回復期に入っていくということはもちろんでありますが、それだけでなく、これまでも、BRICs諸国をはじめとする途上国のこれからの発展に当たって、建設機械、それからトラックなどの商用車が、これからの日本の経済を引っ張っていく大きな役割を果たしていくのではないかと思っていたところであります。そういう点で、コマツ、日立建機という建設機械の大手がひたちなか市に進出してくれた、それに引き続いて今回の日野自動車の進出となったことは大変良かったと思います。自動車では、トヨタさんが世界1位、そして、建設機械の関係でもコマツさんが2位、日立建機さんが3位という状況にあるのですが、商用車の関係はヨーロッパの方に比べて日本が弱いということもありますので、これから間違いなく伸びていくのではないかということで、大変に期待をしている分野でもあります。
そういった点からも、私としては、実はもう足掛け4年、誘致活動をやってきたわけであります。平成18年の9月19日に日野市に行ったのが最初でありまして、その時は、社長にお会いしたら、当面の(新工場)建設計画というものは一応白紙になったということで、将来のお願いだけをしてまいりました。その次の年、平成19年の11月になりまして、また何となく匂いがしてきたということもあって、日野市まで出かけていきました。社長と会った結果、これは大分本気で取り組み始めておられるなという感じを持ったものですから、それから強い働きかけを行ってきたところであります。
その間に社長さんは近藤さんから白井さんに代わりましたが、両社長には10回近くお会いしておりますし、ほかの幹部の方々ともいろいろ密接に連絡をとってまいりました。その結果、進出ということになった訳でありますが、この間、向こうでもいろいろとシミュレーションをやっておられたようでありますが、今、経済情勢が急変してしまいましたので、これからどういう形で工場を整備されていくのか、あるいは、いつ頃から取りかかれるのかといったことについては、現在、まだ詰まっていない、白紙であるということを聞いております。
日経(幹事社):一方で、イオンさんが笠間の工業団地への進出を断念するというような話が出ておりますが、これについてはどのようにお考えでしょうか。
知事:先般、イオンの社長さんが来られまして、業務本体の経営状況、あるいはテナントの集まり具合い、特に、資金繰りの問題なども含めて、いろいろ課題が出てきているので、辞退したいという話を伺いました。
我々としては、諸般の状況を考えれば、それもやむを得ないということで了承させていただいたところであります。ただ、当該土地の活用につきましては、我々としてこれまで時間をロスしてしまったことにもなるわけでありますし、実質上、イオンが他に使えない状況にしておいたわけでございますので、その部分の補償といいますか、イオンとして誠意を示したいということで、2億7,225万円を県に納付していただくことになっております。
我々としては、前回の公募のときに、ほかにも応募してきた企業がありますので、そういったところの意向も確認しながら、なるべく早くあの土地の処分ができるように頑張っていきたいと考えております。
日経(幹事社):それと、経済・雇用対策本部の関連なのですが、現状で、相談状況であるとか、県の臨時職員の雇用、県営住宅の入居等々、今、どのような状況になっていらっしゃいますか。
知事:21日の17時現在で、相談件数は3,660件となっているところであります。その中で、経営相談が2,774件と一番多くなっております。住宅の提供につきましては、土浦地区を中心に41戸の入居が決定しているところであります。この前の会見の時は、確か61戸と申し上げましたが、13日付けでさらに12戸追加いたしまして、73戸提供できる状況になっております。そのうち41戸が既に入居決定している状況にあります。
それから、(県の臨時職員の)雇用につきましては、21日現在で6名の採用を決定しております。内訳としましては、監理課で2名、県税事務所で2名、土木事務所で1名、水道事務所で1名という状況でございます。
日経(幹事社):幹事社として最後なのですが、茨城空港についてですが、アシアナ航空等の名前が出ておりますが、現状について改めてお教えいただけないでしょうか。
知事:アシアナ航空にしてもエアアジアXにしても、一生懸命誘致交渉を進めているところでありまして、具体的に航空会社側で何らかの決定がなされたということはまだ聞いておりません。我々としましては、茨城空港への就航をできるだけ早く決定して発表してほしいということをこれからも強く要望してまいりたいと考えております。
朝日:茨城交通の関係で、スポンサー候補として、経営共創基盤という東京都内の会社さんの名前が上がっておりますが、こちらについては何かご印象をお持ちでしょうか。
知事:それについては、余り具体的に聞いておりません。どういう形で条件提示がなされ、また、どのような働きかけがあったかについて聞いておりませんので、感想を申し上げられる状況にはございません。ただ、既に茨城交通に対しましては、昨年12月の時点で、バス路線の維持、雇用の確保、あるいはひたちなか海浜鉄道湊線への出資の継続等々についてお願いをしているところでございますので、どこに決まるにしろ、そういったことについて対応をしていただきたいと考えております。
東京:昨日から新年度の予算の知事査定が始まりましたが、新年度予算の編成方針というのをどんなスタンスで臨まれるかということをまず教えていただけますか。
知事:既に予算編成方針は総務部から各部に通知をしているところでありまして、例えば公共事業の8%削減という形でやっていることはご存じだと思います。それを踏まえて、その後の国の予算編成の状況、あるいは経済状況等々をもとに予算編成をしていきたいと思っております。
これまで7年間、(一般会計予算の伸び率は)ずっとマイナスできておりますが、来年度につきましては、経済・雇用対策などを国の方でもかなり力を入れてやっておりますので、そういったことを反映する、あるいは公社対策等々もございますので、横ばいか、少し増えるぐらいの規模になってくるのかなと思っております。
東京:今おっしゃったことも含めてなのですが、景気浮揚の対策として、10年ほど前ぐらいまでは積極的な公共事業というか、建設型の公共事業に景気浮揚策として取り組んだようなことがあったのですが、今回も、従来型のように公共投資に踏み切られるようなお考えはあるのでしょうか。
知事:公共事業につきましては、結局、国がどれだけ予算を組むかによって枠が大きく左右されてきます。直轄事業であれば、県内で行われる分について3分の1負担するということになってくるわけでありますし、あるいは、一般の国庫補助事業につきましても、国の方でどういう予算を組んでいるかによって左右されてくるわけですので、国と同じ方向を向いた形の予算編成になってくると思います。国でも特別に公共事業をどんと伸ばしているわけでもございませんので、その点では我々としても同じような形の予算になっていくものと思います。
東京:従来ですと、国の有利な補助金とか有利な起債というようなものを付けて公共事業を誘導するような方策もとられた時期がありましたが、結局、そういうものに乗って、無駄と言ったらあれですが、箱ものがたくさん増えて、その後の維持管理とか借金の返済に今も苦しんでいる自治体もあることも事実なのですが、予算の措置さえつけば、そういうものにもある程度積極的に取り組まれるというお考えということでしょうか。
知事:そういう点からしますと、例えば中国はこれからかなり思い切ったことをやっていきたいということが報道されていますし、アメリカでもオバマ政権の下で思い切った措置がとられるのではないかといったことが言われております。しかし、その中身を見ましても、道路の維持補修でありますとか、環境面への投資でありますとかでありまして、これまでのような形の投資というものは、なかなか日本の国としてはしていけないのではないかなと思っております。
来年度の国の予算を見ましてもそういう状況になっておりません。したがいまして我々としましても、当然、そういう状況を踏まえて対応していくことになりますので、多分やらないだろうと思います。
東京:わかりました。
茨城:日野自動車なのですが、予約契約ということなのですが、契約の内容をもうちょっと具体的に。
知事:今の段階ですと、売買契約は結べない状況にあります。これから造成をして、そういった経費を乗せて(分譲)単価を決めていくわけであります。今の段階で売ってしまって、その後、(日野自動車が)委託か何かの方法で造成するということもできないことはありませんが、造成した後で売るということが普通でありますので、現在の段階では売買契約は結べないわけであります。そのかわり、日野自動車にこの土地を最優先で取得しますよという意思を表示していただく、そして、我々としても、それをもとに向こうが買うという意思表示をしてくれたので、これから相手の意向を踏まえた造成に入っていくということをするための予約契約です。
茨城:造成はいつごろから始めるのですか。
知事:これから都市計画決定とか開発許可とかの手続きをやっていかなければなりませんので、まずそれを進めてまいります。
茨城:冒頭に、知事がトップセールスで何度も交渉に当たったということで、勝因は何ですか。
知事:(日野自動車さんには)いろいろ茨城県内の他の土地も見ていただいております。また、他の県からも随分強い働きかけがあったということは聞いております。しかし、私どもとしましては、もう1年ぐらい前から、多分本県に来てくれるだろうという感じは持ち始めていたところであります。
勝因は何かと言われますと、一つということではないのだろうと思います。いろいろ架装メーカーとか部品メーカーなど、関係している企業が近くにありますし、さらには、圏央道も整備されてきて比較的輸送も便利になってくるとか、あるいは、土地の価格などを比べても、本県の場合の方が安く手に入るのではないかといったこと等々ではないかと思っています。
我々としましては、これから、一生懸命、きちんと向こうの希望に沿った形で整備を進めていくこととあわせまして、ぜひ県内に関連企業の立地も進めていきたいと思っております。本県の場合、自動車産業については、かつて何十年か前に、来てくれるかなということがあったわけですが、それが立ち消えになってしまって以来、ずっと自動車産業がない。部品メーカーだけですと、裾野が広がらないものですから、そういう点では、自動車産業が進出してくれることについては、県内の活性化に大変役立ってくれるのだろうと期待しております。
東京:何度も同じようなことを聞いて申し訳ないのですが、新年度の予算編成方針で、一応、今、県は財政が逼迫しているということで、一定の規模以上の大規模建設事業などは抑制するというスタンスをとられていると思うのですが、そのあたりは新年度に解禁するような方向になるのでしょうか。
知事:箱もの(大規模建設事業)については、私どもとして、今、一番やらなくてはいけないことは、耐震の点でもう限界にきている建物をどうするかということでありまして、それについていろいろと研究はしてまいりますが、一方で、来年度、すぐに大きな箱ものに取りかかるかどうかということは、今のところまだ決定しておりません。
NHK:経済・雇用対策本部、先ほど数字をおっしゃいましたが、一定の効果を上げているというご認識でしょうか。
知事:我々としては、これだけ相談がきている、特に、中小企業の金融関係では、商工会や商工会議所が中心になってやっていただいておりますが、効果を発揮しているのではないかと思っております。
日経:関連してなのですが、県の臨時職員の雇用について100人という規模の中で雇用が6人というのは少ないようなイメージを持つのですが。
知事:雇用についての問い合わせ自体はもっとたくさん来ておりまして、21日現在で63件ほど来ております。今、6名の採用が決定しておりますが、さらに、これから面接を受けようとしている人が5名ほどおられます。そういった点で徐々に採用者数も増えていくのかなと思っております。ただ、職を探しておられる方は、長期に勤められるようなところを探している人も多いでしょうし、雇用保険を受給している人も多いのではないかと思っております。臨時職員等の雇用につきましては、他の県でも予定数と比べて応募が少ないような状況にございまして、例えば、ある市では20人募集したけれども応募は1人しかいないというところもございます。そういう点で、雇用保険を受給している間に臨時的な職につくというより、本格的な職を探したいという人も多いのではないかと思っています。
日経:そうすると、派遣の問題とかを見ると、今年の3月末で切られるといういわゆる2009年問題みたいなものが言われていますが、今回の雇用は3月31日まで、今年度中だということですが、来年度についてのお考えは。
知事:またその段階で状況を見て対応していきたいと思います。
茨城放送:茨城交通の関連なのですが、一義的に、県内の交通会社の経営再建を担う企業としては、県内の企業のほうがふさわしいのか、それとも県外企業でもかまわないのかということが1点と、その後、経営再建がされたときに、県の金銭的なものは無理にしても、公共交通機関をどう活性化させるかというところのアフターケアが必要だと思うのですが、そのあたりについて知事はどのように思っていらっしゃいますか。
知事:県外、県内、どちらの企業がいいかというのは、スポンサー候補から提示された内容によって判断していかなければいけないだろうと思っています。そういった点で、茨城交通さんの方で内容を見て判断されていくことになると思います。
それから、その後どうするかということにつきましては、我々も「茨城県公共交通活性化会議」の中で、どうすればバス路線を維持していけるかといったことなどを中心にこれからも研究をしていきたいと思っています。今の段階では、何をやるか申し上げられる状況にございません。
東京:知事選の関係なのですが、県北のほうの首長さんの何人かから、現職の橋本知事を推すような声とか、期待する声とか、あと、この間の連合茨城の賀詞交換会というか、連合の会長が橋本知事を推すことを示唆するような発言とかがあるのですが、そういう周囲の期待の声に関してはどういうふうに受け止めていらっしゃいますでしょうか。
知事:それだけ評価していただけるということについては大変ありがたく感じておりますが、ただ、いずれにしましても、余り早く知事選ということでいろいろな話が出すぎるのはいいことではないと思っております。例えば、企業誘致一つにしても、これから企業誘致しようとしても、何だ、9月にやめるのですか、などという話になったら、相手だって真剣に取り上げてくれるかどうかわからないわけでありますから、そういう点では、余り騒ぎが大きくなるということは県政にとってもいいことではないと思っています。
私としては、当面、そういう点で、全力で県政を少しでもいい方向にもっていけるよう頑張っていくということであります。