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更新日:2015年3月23日

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知事臨時記者会見における発言要旨090219

この資料は、知事臨時記者会見での発言内容を要約したものです。

(作成:広報広聴課)
平成21年2月19日(木曜日)
11時32分~12時08分 会見室

 平成21年度当初予算案について

知事:本日は、第1回定例会に提案いたします予算案等につきまして、その概要をご説明させていただきたいと思います。

詳しい内容につきましては、既に財政課から説明してあると思いますので、私からは基本的な考え方を中心にお話を申し上げたいと思います。

ご承知のとおり、最近の経済情勢につきましては、昨年10-12月期のGDP速報値が年率換算でマイナス12.7%となるなど、大変厳しいものがございます。また、この1-3月期は、更に下振れしていくのではないかというような予測もされておるところでございます。

県内の景気につきましても状況は同様でございまして、そうした厳しい状況を踏まえての予算編成となったところであります。

ご承知のとおり、国におきましては、昨年10月に決定した「生活対策」及び12月に決定した「生活防衛のための緊急対策」に基づき、雇用創出のための交付金や地域活性化・生活対策臨時交付金の交付、セーフティネット貸付と緊急保証枠、合わせて約30兆円規模への拡大などを内容とする第2次補正予算を編成し、1月27日に成立し、現在はその関連法案の審議が行われているところであります。

県といたしましても、国の補正予算を受けて、公共事業の追加や学校施設等の耐震補強工事の前倒し実施などを内容とする地域活性化・生活対策を講じることとしており、平成20年度の補正予算案を第1回定例会に追加提案させていただきたいと考えております。

それを前提とした上での今回の当初予算案でございます。

地方自治体は財政が厳しいだろうということで、麻生総理のほうで、既定のルールに上乗せする形で地方交付税を1兆円増額する措置がとられたところでありますが、一方で、大変な税収減も予測されますことから、臨時財政対策債が大幅に拡大されたところであります。

そういう地方財政対策のもとでの予算編成についての基本的な方針でございますが、まず、今年度の税収が当初予算計上額を約200億円下回る見込みになっております。さらに、来年度は地方法人特別税導入の影響もありまして、法人2税が大幅な減収となりますほか、個人県民税、自動車取得税などについても減収が見込まれますため、実質的な県税でいいますと、今年度当初予算よりも488億円、約500億円近く減収となるものと見込まれております。

一方で、先ほど申し上げましたように、地方交付税の増額や臨時財政対策債の大幅増などによりまして、一般財源総額としましては、何とか前年度を21億円ぐらい下回る額を確保できるのではないかと思っております。

そういった形で一般財源総額については、さまざまな手当てがなされているところでございますが、税収が現在見込んでいる程度の減額にとどまるかどうかということが大変大きな不安要因でございます。

一方で、歳出につきましては、医療・福祉関係経費の増、あるいは退職手当の増など、大変多くの増要因がありまして、財源対策には大変苦慮したところであります。出先機関の再編等による人件費の抑制とか、県税の徴収体制の強化による税収の確保、あるいは県有未利用地の売却促進など税外収入の確保などに加えて、全事務事業の抜本的な見直し、あるいは極めて厳しいシーリングの設定など、あらゆる手段を講じながら、予算編成をして、今回の予算になったわけでございます。

一般会計の予算規模総額は1兆766億円、対前年度当初比1.9%の増となっているところでございますが、開発公社対策と国営土地改良事業地元負担金の繰上償還という特殊要因が2つほどございますので、これを除きますとマイナス0.1%と、ほぼ前年度並みの水準となっております。

歳入につきましては、先ほど申し上げたような形で、税収の減が大変大きくなっており、それを地方交付税や臨時財政対策債で補っているという状況でございますが、それでもなお、財源が210億円ほど不足しますので、これにつきましては、一般財源基金繰入金を20億円、また、県債管理基金からの緊急的な繰替運用を190億円計上しているところであります。

公共事業につきましては、マイナス8%と大変厳しいシーリングを設定していたところでございますが、現下の状況を踏まえまして、総額で対前年度比0.8%増の1,398億円といたしました。ただし、この中には先ほど申し上げました国営土地改良地元負担金繰上償還分を含んでおりますので、これを除いた実質ベースではマイナス4.3%となっております。

国補公共事業につきましては、地方財政計画がマイナス7.8%のところ、これを2.6ポイント上回るマイナス5.2%の規模としております。また、県単公共事業につきましても、地方財政計画がマイナス3%のところ、ほぼ前年度並みのマイナス0.2%としているところでございます。

次に、当初予算に計上した主な事業についてでございますが、雇用対策につきましては、国の第2次補正予算に盛り込まれました交付金を効果的・効率的に活用するなどして、雇用・研修一体型対策などの正規雇用化につながる施策や雇用創出効果の高い施策を重点的に計上しております。

さらに、学校施設等の耐震補強工事の前倒しや生活関連道路等身近な生活インフラの整備などにも積極的に取り組んでまいります。

また、中小企業の資金繰り対策、医師確保対策、救急医療対策、少子化対策、学力向上対策、森林湖沼環境税の活用等による環境対策といった喫緊の課題に適切に対応するための事業につきましては、特に力を入れて予算を編成したところであります。

また、県議会の財政再建等調査特別委員会でのご審議を踏まえ、将来の世代に過大な負担をさせないためにも、開発公社などの保有土地の問題について先送りすることなく今回の予算案に計上し、対応していくこととしたところでございます。

以上、予算編成の基本的な考え方と主な新規事業を中心に説明をさせていただきました。

朝日A:緊急経済・雇用対策について、大きく3点ほどお伺いしたいのですが、まず、特に今回の雇用創出なのですが、知事ご自身が予算編成に当たって注文をつけられたことはどんなことかということと、2点目が、国から交付されている88億円のうち前倒しで使っていく部分があるかと思うのですがその意味合いと、3点目が、今回、目玉の事業として、雇用・研修一体型ということで募集をかけて、これは担い手不足も募集するということになると思うのですが、一方で、実際に失職している方々は製造業の方が多くて、なかなか新しい分野に飛び込むのも気が引けるという方が多いかなと思うのですが、その辺のマッチングについてはどういうふうにお考えですか。簡単にお願いいたします。

知事:まず1点目、私自身がどういう指示をしたのかということでありますが、これは2点目にも絡んでまいりますが、今の対策だけでは足りないのではないかということで、既に今、国のほうでは、補正予算云々ということも噂が出ているところでございますが、そういうことも考えまして、できるだけ前向きに、国の交付金については使える部分は早めに対応していくということを指示したところでございます。前倒しに見えますが、我々としましては、前倒しというより、今後を考えれば使い切るぐらい使ってもいいから積極的に雇用対策に取り組んでいかなければいけないと考えているところですので、意味合いということでは、かなり積極的に取り組んだというように理解していただければよろしいのではないかと思っております。

そして、もう一つの雇用の面でどういうところに気を使ったかということですが、これは、できるだけ永続する、継続雇用という形に結びつくものを準備していく必要があるのではないかと考えております。今、県でも臨時職員の募集をしておりますが、97人の枠に対して16人しか採用が決定しておりません。当面、雇用保険で手当てをされているものですから、そのために求職者が少ないのではないかということは、先般労働局長さんも話しておられましたが、私どももそういう状況にあるのではないかと考えております。これから少し時間が経って、雇用保険が切れる時期になってくるとだいぶ状況が変わってくるのかなと心配をしているところでございますが、今の段階では、短期の雇用にはそれほど多くの関心が向いていない。これが短期の雇用も含め、雇用保険が切れる頃になりますと、大きな問題になってくるのではないかと思っておりますので、その段階で、先ほど申し上げました継続的な雇用に結びつくような状況をつくっていかなければいけないのだろうと思っております。

その中での雇用・研修一体型対策ということでありますが、特に今の若い方たちは、仕事があっても、自分がある程度強い関心を示せる分野でないと就職しないという状況がございます。先日も、産業労働懇話会で、経営者側の委員のお一人が、「相当時給も上げている。しかし、それでもなかなか人が十分に集まらない」ということを話しておられました。そういった点で、雇用のミスマッチという面も多分にあるのではなかろうかと思っておりますが、雇用・研修一体型対策などを活用していただいて、よく言われておりますように、農業や林業など雇用が不足している分野、あるいは特に福祉などについては、そのためになかなか十分なベッドの活用ができないところなども出てきております。

そういうことも考えますと、いろいろな経験をしていただく、「on the job training」をしていただいて、その結果が継続的な雇用に結びつくような施策というものは、我々としてもぜひ積極的にやっていきたいと思っておるところでございますので、そういった点で今回の雇用対策の中では、一つの特色として出させていただいているところであります。

NHK(A):まず1点目が、県の財政状況で、県債残高見込みが来年度末に1兆8,000億円になる、また、基金も32億円と枯渇寸前となる見込みと資料にも書いてあるのですが、県のそういう厳しい財源不足をどうご認識されているかというのが1点。そして、その中で、今回、かなり積極的な雇用対策、経済対策に重点を置いたと思うのですが、いわゆる財源不足よりも、まず最初に大事な雇用・経済対策を積極的にやったと受け取っていいのかどうかということの2点についてお願いします。

知事:県債については、国の方で制度的に組み込んだ形での財政対策がされておりますから、これは避けようがないのです。我々として、そういう点では、今回、県債が制度的に増えている部分はやむを得ない、ただし、県が独自にコントロールできる部分についてはできるだけ縮減していきたいと考えているところでございます。

今回の予算の中でも臨時財政対策債などがございますが、これを減らしてしまっては県の予算が組めない状況になってしまいます。

一方で、県債残高の規模は(平成19年度まで)1兆7,434億円ですが、これは全国で第13位、人口1人当たりでは全国で第34位、県税収入に対する比率では全国で第35位、県内総生産に対する比率でも全国で第32位となっておるところでありますし、また、県債残高の約50%が、将来、交付税で措置されることとなっているものでございまして、(県税収入を財源として返済しなければならない)実負担額というのは概ね半分程度になっております。

そういう状況ではございますが、できるだけ将来の負担を下げていくためにも、一般会計だけでなく、県全体の借入残高を視野に入れながら、可能な限り県債残高を抑制するように努めていきたいと考えております。

一方で、今回の予算編成で無理しているのではないかという趣旨だと思いますが、決して無理をしているということではなく、先ほど申し上げましたように、一般会計の予算規模は特殊要因を除けばマイナス0.1%ということでありますので、私どもとしては、他県の予算編成状況、あるいはまた、地方財政計画などをみましても、妥当なレベルではないかと思っております。その中で基金などを活用して、雇用面に力を入れたということです。

茨城A:開発公社対策なのですが、債務超過に陥るということで、住宅供給公社とか、土地開発公社に続いての巨額な費用をかけての経営支援ということになりますが、この経済情勢で、非常に財源不足の中でこういうことをしなければならないということは際立っていると思うのですが、知事としてのご認識はいかがですか。

知事:開発公社への支援については、私どもも大変多額に上っているということで、非常に遺憾に思っておるところでございますが、負担をできるだけ将来に残さないという意味で、現段階で対応をしていくということを決定したところであります。

特に低価法の導入によりまして、今の段階で対策を講じませんと、結局、開発公社の存続ができないことになってまいります。開発公社が破綻ということになりますと、(発生した損失は)すべて県のほうに負担がかかってまいります。県としても、その土地などを安い価格で売らなければならないとか、あるいは、買ってくれるところがなければ県で引き受けなければならないとか、破綻した場合の対応策を考えると、開発公社について、今回のような対策をとっていったほうがいいのだろうということで、こういう方向を決定したところであります。

朝日B:例年、予算編成は難しいものだと思うのですが、今年度、特に苦労された点、苦しかった点というのはどんな点でしょうか。

知事:それは何と言っても財源不足ということです。とりあえず現時点では実質的な県税収入が488億円の減ということでありますが、心配していますのは、これからどこまで景気が悪くなるのかということであります。昨年10-12月期のGDPが年率換算でマイナス12.7%と発表されましたが、与謝野大臣も底抜けするのではないかといった表現を使っておられますが、本当にどうなるのかが全く見えていない。その中で、世界経済もそうでありますが、これから日本経済がどうなっていくのか、その大きな枠の中でしか我々地域の経済というものは成り立たないわけでありますので、そのあたりを非常に心配しております。

東京:先ほどの質問にもありましたが、開発公社の支援策として100億円強の巨費が投じられることになるわけですが、知事は、今回、給料の減額を50%にするというような方針を打ち出されているようですが、ここら辺は公社対策に関しての責任を感じられての判断なのか。思い切った判断だとは思われるのですが、今の財政危機からすると、例えば、知事の退職金を辞退するといったことまでは考えていらっしゃらないのかどうか、そこら辺を教えてください。

知事:今回の措置については他県の例なども参考にさせていただいておりまして、例えば北海道では損失補償228億円、貸付金396億円ということで住宅供給公社が破綻した時に、給与減額マイナス10%を3カ月。あるいは長崎県は、住宅供給公社が破綻したときにマイナス50%を3カ月。大阪府では第三セクターりんくうゲートタワービルの破綻のときにマイナス30%を3カ月。そういった状況なども勘案して決定したわけです。

東京:退職金については特に今のところお考えはないですか。

知事:これまでに退職手当の減額を行った例としては、千葉県知事が任期末ぎりぎりの時で(給料の減額ができなかったために)退職手当を減額した例がございますが、そういったことは考えておりません。

朝日B:2点お願いしたいのですが、今年度に限った話ではなくて、16回目の予算編成ということで、振り返られたときに、十分に力を入れてこられたなと、独自色が出せたなと思われる点がどこかということが一つと、もう一つは逆に、財政が非常に厳しい中で削らざるを得なかったりとか、やや不本意な点はどのあたりか、その2点をお願いします。

知事:例えば、私が知事になったころには福祉部という部がありましたが、当時は福祉部からはなかなか新規の施策が提案されてきませんでした。どうしてだということを聞きましたところ、今までは新規施策を提案しても十分に対応をしてもらえなかったので、そういう習慣がなくなっているといったような話がありました。

私は、公務員生活を始めた頃に担当していたのが福祉関係の予算担当ということもありましたので、それ以来、福祉とか医療とかいう分野を注意して見てきているつもりですが、こういった分野についてレベルを上げていくことは一朝一夕ではいかないのです。例えば医師の確保などは、人口300万人で1大学の医学部しかないということではとても対応しきれない。いろいろな面で、もっと「こうあってほしい」という意味からは足りない部分がございます。

同じように公共事業関連などでも、例えば道路の延長は北海道に次いで2番目に長いのにもかかわらず、改良率で見ると、特に市町村道は47番目であるといったことなどからもうかがえるように、道路づくりなども、財政難のために当面の対応に追われてしまい、後になってみると、全体像として、こういう道路でよかったのかというようなところもあり、長期的な形での県土づくり、国土づくりという意味では、日本の国も、あるいはまた我々地方自治体も、あまり上手ではなかったのかなという感じはしております。

NHK(B):予算関連で、直轄事業の負担金の件なのですが、国の第1次補正分で国道の整備事業を一部先送りを要求されているということなのですが、その辺、なぜそういう方針をとられたのかということです。今、話題になっている新潟県とか大阪府と同じ立場というか、同じスタンスなのか、それとも違う立場でのお考えなのか、それも含めてお答えいただけますか。

知事:直轄事業負担金については、私は、知事就任して間もなくからずっと制度としておかしいのではないかということを知事会の中でも主張してまいりましたし、総理、あるいは閣僚との懇談会といった場所でも今年度も昨年度も主張していたところです。

今、急に脚光を浴びてきておりますが、私としては、直轄事業負担金については、今のままではいいことはないのだろうと思っております。いろいろなところで言われておりますように、急に負担額が増えてきたりする、あるいは、どの場所の事業をやるかといったことについて必ずしも十分に地元との協議が行なわれていない形で決定されている、そういった諸々のことに加えて、最近でいいますと、特に問題になってきていますのは、補助事業から直轄事業に全体的にシフトしています。そのために大きな事業が中心になってくる中で、ややもすれば地元の業者さんが入れなくなってしまうといった、そういう諸々の問題があるわけでございます。直轄事業について国は、負担を求めていかないと野放図に地方から何でもかまわなく要求が来てしまうということをいつも言われるのですが、もし仮にそうだとしても、負担金という形であれば普通1割ぐらいが限度でありますし、ましてや、維持管理費については野放図に出てくるなどということはあり得ないのですが、国道の指定区間(国管理)であってさえ10分の4.5を県に持たせている、県道の維持管理は全部県の予算でやっているわけでして、これはやっぱりおかしいわけです。なぜ国道だけ維持管理費について県が負担しなくてはいけないのかということは理屈があいませんし、あるいは国営ひたち海浜公園がありますが、国営と銘打っていましても維持管理費の45%は我々が負担しているのです。そういう諸々の矛盾があります。

そして、特に本県の場合には、これは平成20年度の当初予算ベースを同じ事業どうしで見た場合ですが、国庫支出金として271億円を国からもらっているけれども、直轄事業負担金として323億円を国に納めています。結果的に、もらったお金以上に、約52億円を余分に納めているわけです。全国ベースで平成20年度の公共事業にかかる国、地方の関係を見ますと、国庫補助事業について1兆3,633億円、国から国庫支出金が出ておりますが、国の直轄事業負担金として1兆906億円を地方が納めることになっています。かろうじて2,727億円ほど地方が多くもらっている格好になっていますが、先ほど申し上げましたように、県によっては逆に納めているほうが多くなっているところもありあます。

差額が2,000億円から3,000億円ありますが、今、これらの差がどんどん縮まってきているわけです。国も自分たちで責任を持って直轄事業をやればいいし、地方も自分たちでもやれるように、だんだんそういう方向になってきているのではないかと思っています。

先ほど申し上げたような、どの場所の事業をやるかといった選定をするにしても、地方があまり関与をしない形に設定される,あるいは、施工業者にしても、直轄事業だとゼネコンさんが中心になってしまって、地方になかなかお金が落ちないとか、いろいろな問題が出てきます。私は、今回、いろいろな県から声が出てきておりますが、ああいった声については、国土交通省においても、金子大臣が自分たちの考えを整理した上で、地方のことを協議したいということを言っておられるようでありますし、知事会の中でもプロジェクトチームをつくって勉強していくことになっておりますので、そういう場所であるべき姿を十分議論されていくことが必要だと思っております。

NHK(B):今回先送りしたのは5億5,000万円だということなのですが、それに関しては、これからどういう方針で臨んでいくのか。

知事:我々、これまでも国からの内示については、県の財政状況などから対応できないと国のほうに申し入れて、翌年度に送るとか、あるいは、事業について若干ペースを落としてもらうとか、そういったことはやってきておりますので、同じような趣旨です。

NHK(B):今回に限っても、強く支払わないとか、そういうものではない。

知事:それは、これからどういう形で支払っていくか、法令上、違反になってしまいますから、そこについては、多分、遅れるけれども、やっていく部分がほとんどで、一部については延ばしてもらうという形になると思います。

茨城B:雇用創出に関連してお話を伺いたいのですが、正規雇用につながる施策ですが、知事から見て非正規労働者、特に派遣労働者という働き方について、率直に思うところを改めてお伺いしたいのですが。

知事:本来、全て正規で雇えればいいのでしょうが、先日、どこかの国の首相が外国人労働者について、自国の労働者を大事にして、あとは調整弁になっているのは仕方がないのだということを説明していた報道がテレビで流れておりました。そういった感覚で同じ国民を捉えていいのかどうかという問題は多分にあると思いますし、会社が景気の状況によって、自由に雇ったり雇わなかったりできることについては、できるだけ範囲を縮小して考えていくべきではないかと思っております。特に製造業などについては、技術の継承や安全面の問題など、様々な課題が出てくるわけでありますから、私は、基本的には正規雇用という形がいいのだろうと思っております。ただ一方で、大変な国際競争の中で、どうすればその中で勝てるような企業体質を作れるかという問題もありますので、そういったこととの兼ね合いだろうと思っております。

読売:知事もおっしゃたように、非常に財源不足は深刻だと思うのですが、こういった経済情勢、民間が血を流している中、給与カットを取りやめたという判断が時期尚早だったのではないかという意見もあると思うのですが、その辺、知事はいかがお考えでしょうか。

知事:これについてはいろいろなご意見があると思いますが、私どもとしては、給与カットというのはあくまで非常手段であり、非常手段をあまり長く続けることについては、特に人事委員会から強い勧告を受けている。そして、公務員として労働基本権の制約を受ける中での人事委員会のシステムでありますから、それについては十分に尊重していかなければいけないと思っております。

そういった諸々のことを考え合わせますとともに、近県では栃木県で管理職手当を10%カットしていますが、給料月額については栃木県も群馬県も全然カットしていないのです。そういった周辺の状況もございます。

そして、給与カット中止を決めたその後に、急激に雇用条件が変わってきていることへの対応をどうするのだという趣旨だと思いますが、これについては、1年遅れという形にはなりますが、人事委員会が十分民間給与との比較を行った上で、今おっしゃられたように民間給与が相当な形で下がっているのだとすれば、勧告によって、それに見合ったような給与レベルに落ち着いていくのだろうと思っております。

ですから、そういった点では、人事委員会の勧告をしっかり守っていくことによって、できるだけ民間給与とパラレルな形での公務員給与のあり方ができていくのだろうと思っています。

読売:逆にいいますと、去年、給与カットの取りやめの判断をしたときに、ここまで経済情勢が悪化していると思っていれば判断は違っていましたか。

知事:そこは(給与カットが)何年か続く中で、人事委員会委員長から、人事委員会制度との関係も考えて正常化してほしいという強い要請もありましたので、そのあたりを考えますと、ああいう判断で仕方なかったのだろうと思っております。仮に今のような状況になっていたとすれば、人事委員会勧告の方が変わっていたかもしれません。ですから、我々としては、あくまで人事委員会が第三者的な、客観的な立場で比較した結果については尊重していくという方針で決めたところです。

時事:先ほどの直轄事業負担金の関連なのですが、今年度予算の一部については先送りということを要請されているというお話だったと思うのですが、今回、大阪府知事とかは支払い拒否みたいなかなり強いトーンで言われていると思いますが、その辺は知事としてもスタンスは違うということですか。

知事:どういう発想なのかはっきりは聞いておりませんが、彼らも同じような発想だと思います。ただ、私が、直轄事業負担金について、こういう制度は好ましくないのではないかということを申し上げ始めた頃は、一部の方々は、3分の1負担だから高額補助事業をやっているのと同じだという意見の方々もおられたと思います。

しかし、今、地方分権という発想がどんどん敷衍してくる中で、やはり今の制度ではおかしいのではないかという意見が出てきた。そして、急激に財政状況が悪化する中で、かなり多額の負担金増、新潟県でたしか200億円だったですか、なかなかそう簡単に対応できるものではございませんから、そういう点で一気にいろいろな声が出てきているのだろうと思っております。ちょうどいいきっかけでありますから、きちんと議論していくことが必要ではないかと思っております。

一昨年の全国知事会のときに私は総理に質問いたしましたが、余り芳しくない答えだったものですから、ある県の知事が、やぶ蛇だったねということをおっしゃったのですが、私は、そんなことはない、こういう形で積み重ねていくことが大事だということを申し上げました。今年の知事会では、総理に直接申し上げる時間が取れなかったものですから、総務大臣に対して先ほどのようなことを申し上げましたら、総務大臣としても、まさに同感だということで、かなり前向きなご返事をいただいております。ですから、全国知事会と国土交通省との間も大事でありますが、地方分権改革という意味で、その委員会などでも議論していただくとか、あるいは、総務省にも入ってもらって、どういう形がこれからの国と地方の関係としていいのかということについて、せっかくですから徹底して議論していくことが大事だと思っています。

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