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更新日:2021年6月3日

個別的労使紛争のあっせんの解決事例

あっせんにより解決した事例を紹介します。

ただし、以下のような場合、解決に至らないこともありますので、あらかじめご了承願います。

・被申請者があっせんに応じない場合は、あっせんが開始されません。

・あっせんが開始されても労使双方の歩み寄りが図れない場合は、あっせんを打ち切ります。

あっせんにより解決した事例

事例1

申請者

労働者(同一企業の従業員数名)

事件概要

ブラック企業の画像申請者らは、使用者(建築業)から、業績不振を理由に一方的に解雇を通告されたことが納得できないとして、県の労働相談コーナーに相談した。

そこで、労働委員会のあっせん制度を知り、解雇に伴う精神的、経済的な損害に対する補償金として平均給与の3~6か月分の賃金の支払いを求め、あっせんを申請した。

労働者の主張

今回の解雇は、整理解雇の要件を満たしていない合理的理由のない解雇であるので、金銭的解決を求める。

使用者の主張

使用者の経営が厳しい状況であり、金銭的な要求をされても応じることはできない。

あっせん結果

労使各側あっせん員がそれぞれ申請者、使用者側を説得したところ、使用者が解決金を支払う意思を示し、申請者も金額について譲歩の意思を示したことから、労使双方で協定書を締結し、解決した。

労働法の基礎知識

「整理解雇」について

裁判例では、次の四つの事項に着目して、整理解雇が解雇権の濫用にあたるかどうか判断している。

1.人員削減を行う経営上の必要性
2.使用者による十分な解雇回避努力義務を尽くしたかどうか
3.解雇対象者の人選基準とその適用の妥当性
4.労働者側との協議などの手続きの妥当性
なお、解雇一般については、労働契約法第16条で、解雇にあたって「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」とある。

事例2

申請者

労働者(学習塾講師)

事件概要

申請者は、突然の解雇に納得できず、当初は会社への復職を求めていたが、後に金銭的補償に要求を変更し、あっせんを申請した。

労働者の主張

解雇理由が使用者から説明されていないので、解雇は無効である。しかし、復職は現実的には難しいと思うので、何らかの金銭的補償を求めたい。

使用者の主張

解雇するに至ったのは、本人の勤務態度が原因で、生徒の保護者から不信感を抱かれるような行為が見受けられたからである。

あっせん結果

労使各側あっせん員がそれぞれ申請者、使用者側を説得したところ、金銭による解決について労使双方が受諾したことから、協定書を締結し、解決した。

労働法の基礎知識

解雇理由の証明について
労働者が、退職の事由(解雇の場合にあっては、その理由を含む)についての証明書を請求した場合には、使用者は遅滞なくこれを交付しなければならないとされる(労働基準法第22条第1項)。

また、使用者は,労働契約の締結に際し、労働者に対して書面の交付により「解雇の事由」を明示しなければならず(同法第15条第1項)、就業規則においては、退職に関する必須事項として「解雇の事由」を記載しなければならないこととされている(同法第89条第3号)。
※解雇理由が説明されていても、権利の濫用となる解雇は無効である。

事例3

申請者

労働者(機械整備士)

事件概要

申請者は、使用者(卸売・小売業)に退職届を提出したところ、退職予定日まで事業所の草刈りを命じられ、また、賞与も通常より減額支給されたことに納得できず、あっせんを申請した。

労働者の主張

就業規則に基づき退職日の30日前に退職届を提出したのに、突然草刈りを命じられ、本来の業務でないため拒否したところ、「以後出勤しなくてよい」と言われた。

また、退職届を提出した後の賞与について、他の従業員は例年どおり支給されたにもかかわらず、自分だけが減額されている。

使用者の主張

本人の退職の意思が明確であったため、本人のためにもすぐ辞めてもらった方がよいと考えた。出勤するにしても、何もさせずに給料を支払うわけにはいかないので雑用を命じた。

賞与については、営業利益が前年を下回ったため、会社全体として支給額は減っている。なお、他の従業員とは勤務歴も年齢も異なることから比較は難しい。

あっせん結果

労使各側あっせん員がそれぞれ申請者、使用者側を説得したところ、使用者が解決金を支払う意思を示し、金額について双方が合意に達したため、協定書を締結し、解決した。

労働法の基礎知識

退職予定者に対する賞与の減額について
賞与の支給基準、支給額等は、原則として、使用者が任意に定めることができるが、就業規則又は労働協約で支給基準等が定められている場合には、使用者もその定めに従わなければならず、使用者の一方的な判断のみで賞与を減額することはできない。

なお、退職予定者の賞与額を減額する定めはあったもののその効力について争いがあった事件では、将来に対する期待の程度の差に応じて、退職予定者と非退職予定者の賞与額に差を設けること自体は、不合理とはいえないが、減額幅が大きすぎて賞与制度の趣旨を阻害するものであるとして、当該定めを無効と判断した判決がある。(ベネッセコーポレーション事件 東京地方裁判所 平成8年6月28日判決)

事例4

申請者

労働者(スーパーマーケット従業員)

事件概要

申請者は、会社を退職した際に支払われた退職金が、会社の退職金規程によって算出される金額より少なかったため、その差額を求めるとして、あっせんを申請した。

労働者の主張

退職日の4日前に退職の意思表示をしてきたと使用者は主張しているが、あらかじめ使用者と話し合ったうえで退職日を決定している。

また、就業規則によると、1か月前に退職届を提出することになっていると説明を受けたが、在職中にその旨の説明を受けたことはなく、規則も見たことがない。

使用者の主張

申請者が、退職予定日の4日前に退職の意思表示をしたことは就業規則違反であり、また、引継ぎが不十分であったため、退職金は不支給とし、慰労金として支給したものである。

1か月前に退職届を提出することについては、採用時に説明をしており、日常業務内でも従業員に周知、徹底をさせている。

あっせん結果

労使各側あっせん員がそれぞれ申請者、使用者側を説得したところ、使用者が解決金を支払う意思を示し、申請者も金額について譲歩の意思を示したことから、労使双方で協定書を締結し、解決した。

労働法の基礎知識

就業規則の周知義務について

使用者は、就業規則を、常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、又は備え付けること、書面を交付すること等の方法によって、労働者に周知させなければならない(労働基準法第106条第1項)。
なお、就業規則が法的規範としての性質を有するものとして、拘束力を生ずるためには、その内容を適用を受ける事業場の労働者に周知させる手続きが採られていることを要すると判断した判決がある。(フジ興産事件 最高裁判所 平成15年10月10日判決)

このページに関するお問い合わせ

労働委員会事務局総務調整課

茨城県水戸市笠原町978番6

電話番号:029-301-5563

FAX番号:029-301-5579

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