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更新日:2025年7月4日
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伝染性紅斑は、ヒトパルボウイルスB19による感染症で、小児を中心にみられる流行性の発しん性の病気です。両頬がリンゴのように赤くなることから、「リンゴ病」と呼ばれることもあります。感染症法では五類感染症(定点把握対象疾患)として定められ、小児科定点医療機関から毎週患者数が報告されています。
茨城県における伝染性紅斑の定点当たり報告数は、4月以降増加傾向となり、第16週(4月14日~4月20日)に定点当たり報告数が2.58と、警報レベル(2.00)を超えました。第23週(6月2日~6月8日)の定点当たり報告数は3.79となり、現行の統計が開始された1999年以降、過去最多の報告数となりました。全国的にも同様に報告数が多い状況となっています。
伝染性紅斑(リンゴ病)の流行警報発令について|茨城県保健医療部疾病対策課
2025年(第26週時点)の年間累積報告数に占める報告年齢群別の割合は、5歳が17%と最も高く、次いで4歳の16%、6歳の14%となっています。
2025年の1歳と2歳の報告割合は、2015年以降(報告数が年間200件未満であった2021年~2023年は除く)最も低くなっており、例年と比較すると5歳以上からの報告割合がやや高くなっています。
病原体は、ヒトパルボウイルスB19(human parvovirus B19)です。
感染した人の咳のしぶき(飛沫)を吸い込むこと(飛沫感染)や、感染者と接触したりすること(接触感染)により感染します。
約10~20日の潜伏期間の後、微熱やかぜの症状などがみられ、その後、両頬に蝶の羽のような境界鮮明な赤い発しん(紅斑)が現れます。続いて、体や手・足に網目状やレース状の発しんが広がりますが、これらの発しんは1週間程度で消失します。
中には長引いたり、一度消えた発しんが短期間のうちに再び出現したりすることがあります。成人では関節痛を伴う関節炎や頭痛などの症状が出ることもありますが、ほとんどは合併症を起こすことなく自然に回復します。
多くの場合、頬に発しんが出現する7~10日くらい前に、微熱やかぜのような症状がみられ、この時期にウイルスの排出が最も多くなりますが、発しんが現れたときにはウイルスの排出はほとんどなく、感染力もほぼ消失しています。
これまで伝染性紅斑に感染したことのない女性が妊娠中に感染した場合、胎児にも感染し、胎児水腫などの重篤な状態や、流産のリスクとなる可能性があります。
伝染性紅斑を予防するワクチンや薬はありません。
紅斑が出ている時期にはほとんど感染力がないため、かぜ症状のある人はこまめな手洗いや、せきやくしゃみをする時には口と鼻をハンカチ等でおおうなどの「咳エチケット」を心がけることが大切です。