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更新日:2020年8月18日

新型コロナウイルス感染症等に係る知事記者会見(2020/8/18)の発表内容

知事からの発表内容

「茨城県新型コロナウイルス感染症の発生の予防又はまん延の防止と社会経済活動との両立を図るための措置を定める条例」案について

 今日は2点ほど発表させていただきたいと思っているのですが,1つ目は,新型コロナウイルス感染症対策のための条例案についてご説明をしたいと思います。

 新型コロナウイルスの感染状況ですが,ご覧のように,第1波が5月の中旬に収束をした後,また6月中旬から第2波が訪れてきております。その間,「夜の街」クラスター,あるいは「昼カラ」クラスターなどが発生してきたわけでございますが,県内の感染者数,直近の(7月30日から8月7日の)10日間ぐらいで100人ぐらい増えているということで,その増え方が非常に大きくなってきていると言えるかと思います。こういう中で,県としては様々な対策をとってきたわけですが,その対策に加えて,条例による対策の強化が是非必要だということで,今回,条例案を策定することになりました。

 現在のステージでございますが,最近,1日当たりの陽性者数,一時,Stage4まで悪化したのですが,Stage3の状況まで少々改善いたしました。全体としては,県内の医療提供体制はStage1とStage2という状況で,県内の感染状況はStage3,都内の感染状況はStage4ということで,全体の総合的な判断としてはStage3を維持しております。

 ただ,第1波における課題を踏まえながら,第2波においては,県としても様々な対策をとってきておりまして,第1波においては,一律の外出自粛,あるいは休業要請という形で経済活動を人為的にストップさせて感染を無理やり押さえ込んだという状況でございますが,第2波においては,一律の行動制限を回避しながら,経済をある程度回しながら感染拡大の防止ができないかということを模索してきております。

 克服すべき課題としては,施設・店舗等における感染防止対策,まだまだ十分とは言えない状況が続いている。それから,情報発信もまだまだ十分ではない。クラスターの発生など,医療負担の拡大なども見られておりますし,未知のウイルスに対する恐怖とか不安などで,逆に感染された方,あるいは医療関係者なども含む関係者の方々への差別なども起きているという状況を克服しなければならないと考えております。

 そのため,克服すべき課題を乗り越えるための対策として,施設や店舗における感染対策の徹底,それに関する情報発信の徹底ということが1つ。2つ目として,陽性者が出た際にクラスター化させない,陽性者が出ても,すぐそこで押さえ込むための行動調査による囲い込みの徹底であるとか,濃厚接触者に限らず幅広く検査を行って,早期に感染を押さえ込むということの徹底です。3つ目として,差別の解消に向けた正しい知識の普及の徹底ということが求められているのではないかなと考えております。

 県は,このような対策についてそれぞれ手を打ってきております。方策①に係る取り組みとしては,「いばらきアマビエちゃん」という新しいシステムを導入して,施設や店舗などがどのような感染防止対策を行っているかということをきちんと宣誓できるような仕組みをつくっております。また,登録していただけると,感染が発生した場合に,早期に情報提供ができるというような仕組みであります。

 この「いばらきアマビエちゃん」の現在の登録状況,1万6,260事業所,それから,利用者登録状況が10万件になっています。登録事業所なども,ご協力いただいているところには公表なども始めています。さらに,事業者支援であるとか各種媒体による広報なども行ってきているわけです。

 方策②として,行動調査,幅広な検査の徹底ということでございますが,保健所による徹底的な行動調査で,アマビエちゃんの登録状況などを確認しながら,早期に素早く行動を把握して,検査の必要な方に検査を受けていただくという検査の徹底を行っております。その他,国の接触確認アプリなどの活用も今後課題になってくると思います。それから,水戸市の夜の街対策で,ローラー作戦という形で幅広く検査を実施しましたが,そのような幅広な検査も徹底していくことが必要であると考えています。

 方策③として,正しい知識の普及の徹底による取組状況ということでございますが,私を含めた県からの動画メッセージであるとか,広報紙やホームページ,それから,チラシ,ポスターなどなどで,コロナに対する差別の防止とか,さまざまな啓蒙も含めて普及啓発を徹底してきております。

 このようなことをさらに促進するために,更なる促進策,インセンティブなどを用いた促進施策と,条例による義務化で対策の徹底ということ,この2つがさらに必要になってくるのではないかなと考えています。これまでの方策①から③までをさらに徹底するためにも,インセンティブと義務化,この2つの方策を必要としているのではないかなと考えております。

 まず,条例制定の必要性ということでございますが,更なる促進策を強力に推進したいと考えております。「いばらきアマビエちゃん」のシステムを活用して,対策を講ずる事業者に対する財政支援でありますとか,県民の方々にアマビエちゃんの利用登録をしていただくことが大事なのですが,その利用登録を促進するための施策も実施したいと考えております。また,県民の不安の解消に向けて,教育関連施策の実施など,きめ細かな情報提供も行っていく予定でございます。

 さらに,これを意識の高い人たちの一部の取り組みで終わらせないためにも,しっかりと条例に県民の義務,あるいは事業者の義務という形で位置づけて,対策を徹底していく必要があると考えております。各種優遇施策とあわせて,「いばらきアマビエちゃん」を活用した対策の徹底について,事業者の登録の義務付け,さらには,県民の利用登録の義務付けを行えればと思っております。さらには,県が行う行動調査であるとか検査への協力に応じる義務というものもしっかりと位置づけたいと思います。それに伴って,県の検査体制の充実ということもきちんと条例に位置付けたいと考えております。さらには,差別的取り扱いの禁止とか,差別解消のための措置の実施,このようなことも条例の内容に含めていきたいと考えております。

 インセンティブでございますが,対策と情報発信の徹底に係る促進策,市町村などの地域経済の振興策に対して,「いばらきアマビエちゃん」の登録を義務付ける,必要条件にするなど,市町村と連携した需要喚起策を行います。さらに,感染防止対策経費の一部の助成を「いばらきアマビエちゃん」登録事業者に限って行いたいと思っています。利用者向けに関してですが,「いばらきアマビエちゃん」の利用登録者を対象として,県産品を使ったプレゼントキャンペーンをできればと考えております。中身としては,利用登録及び登録店舗評価をした方の中から,毎月2回ほど抽選を行って,豪華県産品プレゼントを贈るという形で,利用者の方々の利用促進を進めていきたいと思っています。

 行動調査や幅広な検査の徹底についてですが,検査体制の拡充を着実に進めて,今月,あるいは来月末には,1日当たり1,100件,検査可能な体制をつくっていきたいと思いますし,検査可能な機関を,順次,地域外来・検査センターという形で増やしていきたいと思います。

 正しい知識の普及徹底でございますが,差別を禁止するためのポスター,あるいは動画の作成,県内企業における社内教育の共通テキストの作成なども予定しております。

 条例による3つの施策の徹底でございますが,1つ目,対策と情報発信の徹底のために,「いばらきアマビエちゃん」の登録を義務化したいと考えております。登録と宣誓書の掲示を義務付けて,同意を得た登録事業者については,県の方から公表させていただたい。丁寧な指導をしても,必要な取り組みを実施しない場合には,勧告などを経た上で,協力いただけない事業者名を公表することも考えております。義務対象は,全ての事業者ではなく,休業要請等の対象になった事業者を中心に,条例で限定したいと思っております。基本的には,クラスターの発生が過去にあったとか,3密が回避しにくい業態を中心にやると考えております。

 2つ目の行動調査・幅広な検査の徹底のための協力義務化でございます。今まで,感染者の行動調査,あるいは広範囲な検査の協力は行政ベースで行われていたわけですが,しっかりとこれを県民の義務という形に位置付けたいと思います。県が広範囲な検査・調査を行う際の事業者に対しての協力の義務付けも行いたいと思っています。県に対しては,県自身が検査体制の充実を行うことを義務付けるという内容も含めたいと考えております。

 3つ目の正しい知識の普及のための措置ですが,不当な差別的取り扱いの禁止をきちんと条例で位置付けたいと思います。県,事業者,県民による差別解消のための措置などの施策についても条例の中身として考えております。

 このような形で,新型コロナウイルスの感染拡大防止と社会・経済活動の両立を,しっかりと条例という形で位置付けて,インセンティブ,促進策とあわせて施策の徹底を図っていきたいと思っております。

 このような形での法的な措置を含めた形で義務化を位置づけたということは,政府の法律も含めて,本県のこの条例が初めての例になるのではないかなと思いますし,今後,コロナ対策を初めとする感染症対策を考えていく上で,茨城県として,他に先駆けて先進的な取り組みに挑戦したいと考えております。

 アマビエちゃんを義務付ける事業所でございますが,先ほど申し上げましたように,不特定の者が出入りする,あるいは,密が避けがたいなどの施設であって,第1波の時に,休業要請や時短営業対象の施設であったり,あるいは,クラスター発生業種であったり,こういうところを限定して対象業種を条例で列挙したいと思っております。画面に出ておりますが,飲食店,あるいは大規模イベントなどを中心に対象を考えております。例えば,学校であるとか病院,介護施設などはもう既に十分な対策をとられているなどの理由で,今回の義務付けの対象にはしない方針でございます。これが詳細の条例の事業所ですが,左側が4月に実施した休業要請でございますが,今回の条例でその休業要請対象に追加したところが赤字で書いてあります。宿泊施設,あるいは理髪店・美容院,結婚式場,葬儀場,この辺のところが休業要請対象業種に加えて,今回,条例で登録義務をお願いする業種として検討しております。

 ということで,このような条例案の内容を,今日から2週間,パブリックコメントに付したいと思っております。パブリックコメントの意見提出については,電子メール,ファックス,郵便などで可能でございますので,県民の皆様には広くご意見をお寄せいただければと考えております。これがコロナの条例の要綱です。要綱はこのようになっています。

 以上が,コロナ対策に関する条例案に対するご説明でございます。

「夜の街クラスター」の調査及びローラー作戦の実施結果(経過報告)

 2つ目ですが,先日来より実施しております水戸市の夜の街関連対策として始めましたローラー作戦の途中経過についてご説明をしたいと思います。

 このグラフをご覧いただきますと,これまでにローラー作戦でおよそ1,087名の方に検査を受けていただいております。その中で,縦の棒グラフの中の上の網掛けが従業員の方々です。下段の白抜きの数は利用者の方々に当たります。それから,折れ線が予約をしている数でございますが,この先も8月21日まで予定をしておりますが,毎日50件以上の予約の追加が可能でございますので,水戸の特定繁華街の関係者,あるいは利用者の方々でまだ検査を受けられていない方々については,まだ数に余裕がございますので,ぜひ予約をしていただければなと思っております。

 現在のところ,濃厚接触者を追跡している水戸では陽性者は25名確認できたところでございますが,8月8日以降,特定繁華街関連の陽性者の発生はないと確認しております。一方,県が中心になって行っていますローラー作戦ですが,陽性者2名を確認しております。いずれも利用者の方々ですが,8月9日以降は新規の陽性者が出ていない状況です。

 そういうこともありまして,21日までこの状況が続くのであれば,水戸の夜の街に関しては,事実上の安全宣言をしても大丈夫な状況になるのではないかと考えております。

 私の方から,発表は以上です。

パブリックコメントについて

期間: 令和2年8月18日(火)から8月31日(月)まで(2週間)
場所: 行政情報センター(県庁3階),各県民センターの県民福祉課,県ホームページ
    https://www.pref.ibaraki.jp/shokorodo/chusho/shogyo/2020korona/jourei.html
意見提出方法: 電子メール,ファクシミリ,郵便 ※電話は不可 

お問い合わせ先

○条例案の内容等について

 茨城県条例ワーキングチーム:029-301-4269

○パブリックコメントの制度,手続き等について

 茨城県 総務部 報道・広聴課 広聴・相談G:029-301-2140

このページに関するお問い合わせ

総務部知事公室報道・広聴課報道

〒310-8555 茨城県水戸市笠原町978番6

電話番号:029-301-2118

FAX番号:029-301-6330

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