麦類-裸黒穂病（Ustilago nuda）

発生及び被害の状況と発生条件

　本病は糸状菌(かび)の一種によって引き起こされる種子伝染性病害で,オオムギ,コムギに発生する。病徴は穂で見られ,黒色の穂が出穂する(写真)。罹病株の穂では,子実中に胞子が蔓延して黒色の粉末を多量に生じる。これが飛散して周囲の開花中の健全穂(花器)から侵入して感染する。最後には穂の中軸だけが残って裸状になる。麦類の開花期に湿度が高いと感染率が高い傾向があり,感染した穂の子実は健全なものとほぼ同様に発育するが,次年度の罹病種子となる。一株の全茎が発病することが多いが,健全茎が交じったり,穂の一部だけ発病することもある。

防除のポイント

1.本病の発生圃場やその付近の圃場から採種すると発生しやすいため,無病圃場から採種した購入種子を使用する。
2.罹病株は,健全株よりやや早く出穂するので,健全株の開花より前に罹病株を抜き取って処分し,黒粉(胞子)を飛ばさないようにする。
3.播種前の種子消毒を徹底する。

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