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更新日:2023年5月12日

イチゴ-炭疽病(Glomerellacingulata,Colletotrichumacutatum

発生及び被害の状況と発生条件

 本病の病原菌は糸状菌(かび)の一種で,GlomerellacingulataとColletotrichumacutatumの2種が報告されているが,本県で主に発生しているのは,しおれ症状を引き起こすGlomerellacingulataである。親株や苗を萎凋枯死させ,定植苗の不足を招き,定植後も株の枯死等を引き起こす。
 病原菌の生育適温は28℃前後であり,7~9月の高温期に発生が多い。病斑はランナーや葉柄に発生しやすく,少し陥没した紡錘形で,進展すると折損する。多湿条件下では,病斑上に鮭肉色(サーモンピンク色)の胞子塊を生じる。潜在感染した親株や土壌中の被害残渣に存在する胞子が伝染源となり,降雨や頭上灌水による水滴の跳ね上がりにより二次伝染する。

防除のポイント

1.親株は無病なものを厳選する。
2.発病株は見つけ次第ただちに抜き取り,圃場外に持ち出して腐熟化させる等適切に処分する。
育苗期には,発病株の周辺の苗も感染している可能性があるため,葉や葉柄部の病斑をよく観察する。
3.育苗管理は,雨よけで行う。
4.育苗床や通路を透水性のあるシートで被覆したり,プランターを利用して地面から離したベンチの上で栽培する等,水滴の跳ね上がり防止に努める。
5.苗への灌水時には,株元に灌水したり,水圧を下げて灌水し,水滴の跳ね上がりを防ぐ。
6.できるだけ苗と苗の間隔を広くとって通風を心がけ,多湿になるのを防ぐ。
7.育苗期は,一週間程度の間隔で薬剤散布を実施する。薬剤によるローテーション散布を行う場合,県内でアゾキシストロビン水和剤(ストロビルリン系薬剤)とベノミル水和剤(ベンゾイミダゾール系薬剤)に対する耐性菌が確認されているため,使用を避ける。

イチゴの耕種的防除法および物理的防除法

※画像の無断使用および転用を禁じます。

いちご炭疽病しおれ症状  Glomerellacingulataによるしおれ症状

クラウン断面(褐色の変色腐敗が内部に向かって進行する                    

クラウン断面(褐色の変色腐敗が内部に向かって進行する)

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〒319-0292 茨城県笠間市安居3165-1(園芸研究所内)

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