ナシ-ニセナシサビダニ

発生及び被害の状況と発生条件

　徒長枝の先端の軟らかい葉を吸汁加害する。被害を受けた葉は,裏面が灰褐色となり,変形・落葉する。被害の出方は品種によって異なり,葉に毛が多い「二十世紀」では被害が激しくなる。肉眼で虫体を確認することはできないため,被害に気づいた時には,すでに多数の虫が寄生している。
　サビダニの一種であり,体長は約0.2ミリメートル,体色はクリーム色をしている。極めて微小なため,肉眼で確認するのは困難である。
　越冬は徒長枝の芽の基部,はく離した表皮の間隙等で行われる。4月になると,越冬場所から風にのって移動し,5月以降は徒長枝の伸長とともに上へ移動する。7月まで徒長枝葉上で過ごした後,多くの個体が越冬場所へ移動する。
　発育速度は極めて速く,25℃では約5日間で卵から成虫になる。6月以降,気温の上昇と共に,虫数も急激に増加する。加害するのは,主に徒長枝葉等の柔らかい葉であり,果そう葉等の硬くなった葉を加害することはほとんど無い。

防除のポイント

1.軟らかい葉を吸汁するため,新梢に薬液がかかるよう防除を実施する。なお,農薬の散布にあたっては農薬のラベルを確認してから使用する。

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 密生しているニセナシサビダニ

 ニセナシサビダニ成虫

左：ニセナシサビダニ被害葉  右：健全葉