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更新日:2015年3月23日
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この資料は、県政記者クラブとの定例記者会見での発言内容を要約したものです。
(作成:広報広聴課)
平成20年5月16日(金曜日)
11時16分~11時51分 庁議室
知事:まず,中国四川省,ミャンマーが大変な災害に見舞われております。それぞれの国民の方々,災害に遭われた方々に心からお見舞いを申し上げたいと思いますし,亡くなられた方々のご冥福をお祈りしたいと思います。
時事(幹事社):道路特定財源に関する一連のことなのですが,5月1日付で暫定税率が復活し,その後,直近なのですが,改正道路整備財源特例法が再可決ということで,一連の動きについては終息したのですが,この一連の動きについてお聞きしたいと思います。
知事:我々としましては,特定財源については暫定税率の確保等をお願いしてきたところでありますので,やっと通常の形で事業を執行していけるということで,ほっとしているのが事実でございます。
一方で,一般財源化という方向が強く打ち出されております。本県では道路関係経費の約4割を一般財源で対応しておりますことから,一般財源化したことによって,道路整備の財源が極端に減ってしまっては困りますので,地方に対する手厚い措置をお願いしたいと思っております。
それから,1カ月分,15億円ほどになるかと思いますが,減収が生じております。その分について交付金か何か,形はともかく,実質的な補てんをしっかりお願いしたいと思っております。また,地方道路整備臨時交付金事業そのものについてもガソリン税が財源になっておりますので,その減少による影響がどう出てきているのか。私どもとしてはまだ把握できておりませんが,間違いなく税収は減っているわけですので,それがどう措置されるのかといったことについても,地方側に影響がないようにしていただけたらありがたいと思っております。
時事(幹事社):それと,国保連の10億円の巨額の着服事件がこの間発生しているのですが,この件について,県の管理責任ということもあるかと思いますが,それも含めてお伺いしたいと思います。
知事:これについては全く言語道断といいますか,こうしたことを起こすこと自体,まさに遺憾としか言いようがありません。県としても監査,その他をやっていたわけでありますが,巧みな帳簿操作といいますか,なかなか発見できないようにしていたということであります。
しかし,そうはいいましても,しっかりチェックできる仕組みを考えていくことが大切だろうと思っております。 今,実地検査を行っておりますので,その結果も踏まえて,対応策を考えてまいりたいと思っております。
また,横領額が10億円を超しているというお話もございますが,それについては,現在,連合会でどのように対応するかについて取りまとめ中でございます。職員数の削減,あるいは,職員の給与についてどうするかなども含めて,対応策がこれから公表されていくことと思っております。
時事(幹事社):茨城空港の件でお伺いします。マレーシアのエアアジアXという航空会社が就航に関心を示しているという話ですが,感触をお聞きします。
知事:時事通信社の配信にも,福岡,茨城,名古屋といったところに関心を示しているという記事が載っておりましたが,私どもとしては,その記事の中にもありましたように,国際的にみて,日本では,やや割高になっている経費を,茨城空港なら日本のほかの空港と比べて,はるかにローコストで出来ますよということをしっかりとアピールしているところであります。また,それと併せて,東京圏まですぐに行けるということについても,今,説明に努めているところです。
例えば,フランクフルトの周辺ですと,市街地の中心から120km離れたところでも十分に近郊空港として成り立っていて,お客さんが急速に増えているといった例もあるわけであります。
茨城空港の場合には,東京まで80kmですし,成田も東京までは65~66kmですから,そういう点では十分,首都圏の空港として売り出していけるのだろうと思っておりますので,日本に一番多くお客さんが入ってきている韓国やその他の国も含めて,これからアジアを中心に茨城空港の特色を十分にPRしていきたいと思っております。
時事(幹事社):知事選が来秋予定されていますが,最近,新たな候補といいますか,自民党県連が元国土交通省事務次官の小幡さんに打診をしているという報道がありましたが,知事自身は,現時点で出馬に対してどのように考えていらっしゃるかということについてまずお伺いします。
知事:現時点では何も考えておりません。まだ,これから1年半近く任期がありますので,その間,全力で仕事をやっていくということだけを考えております。
時事(幹事社):関連してですが,つまり,最大会派の自民党がそういう方向で動いているとすると,知事としても,出馬を考えているのであれば,そのタイミングとかが問題になってくると思うのですが,態度表明についてはいつ頃を考えていらっしゃいますか。
知事:当面は,先ほどの空港の航路の誘致,あるいは企業の誘致,医師確保対策,教育の充実など,さまざまな課題に追われているわけでありまして,私としては,いつとかそういったことについては全く今考えておりません。
なお,一部,報道で,三者会談というようなことが書いてありましたが,それは全くありません。それだけははっきり言っておきたいと思います。
朝日:先ほどの知事選の関連なのですが,これだけ早く1年半ぐらい前にこういった形で表面化したことについてどういうふうにお受け止めになられましたでしょうか。
知事:私としては単純にびっくりしています。
朝日:非常に意外だと。
知事:それぞれ考え方はいろいろおありでしょうから,そこについて,私から何も申し上げるべきことはございませんが,私としてはびっくりしております。
朝日:4期目の際に,自由民主党のほうから,多選については規制をするという考え方があるということで,そのときも条件をつけて推薦になったかと思うのですが,そういう意味で,今,多選について,出る,出ないにかかわらず,どういうお考えを持っていらっしゃるかお伺いしたいと思います。
知事:これは,この間,ガバナンスという雑誌に東大の先生が書いておりましたが,時として課題として出てきては,消え,また出てくるという形で,これまでずっと議論されているわけであります。今回の多選制限の動きのきっかけが,どこにあるのかというような噂も聞いてはおりますが,私としては,多選の是非については,これまでどおり,その都度,有権者の皆様方が決定していけばいいことだろうと思っております。
読売A:知事自身,小幡元事務次官についてどのようなご心象をお持ちかというのを教えていただけないでしょうか。
知事:だいぶ長いことお会いしていませんので,最近,どのような感じなのかはわかりませんが,大変いい人柄だということは私自身も承知しております。
茨城:霞ヶ浦導水事業の那珂川取水口工事なのですが,漁協側の反対で工事が滞っているような状況になっているのですが,これについては,県,あるいは知事としてはどういうふうなお考えで見ていらっしゃいますか。
知事:私どもとしては,いつも申し上げていますように,必要な事業としてこれまで進めてきたわけでありますので,事業の遂行に向けてしっかりと努力をしてもらいたいと思っておりますし,その努力には,地元に対する十分な説明,説得ということも含まれているのではないかと思っております。県としてもできるだけ協力しながらやっていきたいと思っています。
NHK:関連してなのですが,国がつくっている検討委員会とは別に,漁協のほうでも有識者を集めて検討委員会をつくっているという状況で,双方が別の結論を科学的な根拠だと出してくる可能性もあって,プロセスとして,こういう2つの検討委員会ができてしまったことについて,知事としてどういうふうにお考えかというあたりをお聞かせ願います。
知事:本当は,一つの場所に集まっていただいて十分な議論をしてもらうことがいいのだろうと思っております。今のお話のように,まるきり反対の結論が出てきてしまって,しかも,それぞれが科学者や有識者が入って出した結論だということになってきますと,どちらが正しいのか,県民としては判断のしようがなくなってしまうわけでありますから,そうならないように,お互いに論拠としているところについて,十分に議論を戦わせていくことが必要なのだろうと思っております。
時事(幹事社):茨城空港の件なのですが,連休中だったと思いますが,民放のニュース番組で知事自身がコメントをされていると思いますが,報道のトーンとしては,地方空港に批判的なトーンだったと思いますが,知事としてはアピールになったというふうにお考えでしょうか。
知事:アピールできるように取材をしてもらったつもりだったのですが,実際には,インタビューに来られた方が我々に示していた感じとはまるで違う使い方をされたなという感じを持っております。例えば,隠岐空港と比較するというのは,あの番組を制作していらっしゃる方々の首都圏の航空需要に対する認識がどの程度なのかということについて,大変疑問を感じさせるものだったと思っております。
今,自民党の国際競争力調査会の会長を尾身議員がやっていて,その中のワーキングチームのキャップは,福島県の坂本剛二議員がやっておられるのですが,今週,そうした方々にそれぞれ茨城空港の説明をしてまいりました。この前のNHKの報道によれば,調査会では,羽田と成田の連絡を十分にするとかそういうことばかり言っているものですから,それで足りるのかと。
現在の国際線発着回数は,首都圏だけで18万回であり,今,40カ国も成田への乗り入れを待っている。それを,2010年に23万回に増やしますが,2011年にはパンクするといわれております。例えば,日本からもたくさんの人が行っているドバイは首都圏から直接行けないし,向こうの方も首都圏へ行きたいのに関西国際空港に着いてしまう。こうした状況では,これから飛行機による国際的な移動がますます活発になってくる中で,対応できないのではないかと思っております。
特に,各国民の生活レベルが上がってきている中で,LCCという形で大変安い飛行機が飛び始めている。このLCCの導入によって,航空需要は大幅に喚起されているわけでありまして,そうした需要がある中で,日本に来ようとしたのにどこにも受入先がないというのでは,日本として恥ずかしい限りであります。ビジット・ジャパンとか,ようこそジャパンなどといっても,首都圏に行きたいのに,首都圏には行けないというのではいくら何でも話にならないわけでありまして,そういう捉え方が全くなされていなかったことについては大変残念であります。
地方空港ということで特集報道をするのであれば,茨城空港を取り上げたのは例示が悪かったのではないかと思っております。
それから,我々としては,今申し上げたようなことを国際競争力調査会にも説明してきましたが,坂本さんは,ぜひ茨城空港から東京へ真っすぐ早く入れるような仕掛けをつくれば,ここはものすごくいいところになっていくのではないかということ,あるいはまた,尾身さんは,茨城空港の素晴らしさはわかったけれども,すぐにでも高速道路を空港の中まで入れてほしい。そうすれば間違いなくすごい空港になってくるというようなことを言ってくれました。
そのほか何人かの委員さんにもお話をしてまいりましたが,例えば,広島県の宮澤洋一議員は,LCCという観点で,何とかそういう方向についても議論してみたいということを言ってくれておりますので,我々としては,『報道ステーション』で放映されたような取り上げ方は,現在の航空需要について認識がないからだと思っております。
NHK:関連してなのですが,今,知事がおっしゃったように,茨城空港と鉄道網とか公共交通機関のアクセスであったり,おっしゃった高速道路だったりというあたりで,現状をどう把握されていて,今後,県の事業として,あるいは国に依頼することも含めて,どうやって改善していこうかと具体的にお考えのところはありますか。
知事:改善というか,これからつくっていくという段階だと思います。東京行きの直行のバス路線をつくるということは不可欠だと思っておりますし,それから,石岡駅,つくば駅,あるいは守谷駅などと結ぶバスも必要になってくるのではないかと思っております。
坂本剛二議員が盛んに強調していたのは,ノンストップで東京へ入れる鉄道をつくれないか。そうするとこれは間違いなくものすごく便利な空港になっていくというようなことを言っておられました。それができるかどうかは別にして,彼は,福島県いわき市出身で,東北道と常磐道がクロスするところ(小菅JCT)で渋滞が起きているために,常磐道の渋滞がひどくなっているということについて十分承知しておられまして,これも改善しなくてはいけないということを話し合ってきたところであります。これから,そういうことも含めて,関係者と話し合っていきたいと思っております。
いずれにしても,LCCはもとより,プライベートジェットなども含めて,ずいぶんたくさんの方々に茨城空港への関心を持っていただいているところでありますから,外国の空港などを見ても,開港の初年度,2年度は厳しいかもしれませんが,5~6年経ってくれば急速に需要が伸びて,10年後には飛躍的に成長していけるような空港ではないかと思っておりまして,そうなれるように頑張っていかなくてはいけないと思っています。
NHK:これもいろいろ議論をした上で茨城空港という名前をつけたのだと思うのですが,当時の状況と,今,またローコストキャリアなどもかなり注目度が上がっているような状況で,茨城空港という名前をもう一回考え直して,例えば,北東京空港にするとか,そういう話というのは,茨城空港利用促進懇話会でも何度も何度も出ていると思うのですが,知事ご自身,そこについてはいかがお考えですか。
知事:「東京北空港」という名称については,東京都と間違われるので嫌なのですが,ただ,「首都圏」ということは,これから打ち出していくことを検討していく必要があるかなと思っております。日本語の「首都圏」を英語に訳せばTokyo Metropolitanになります。これからどうするかは,来週月曜日に茨城空港利用促進等協議会総会もありますので,そういった場で意見を聞きながら対応していきたいと思います。
今おっしゃられたようなことについては,各国のエアライン会社を訪問したときにも,幾つかのところから,東京という大中心地に近いというイメージがあったほうがお客さんは行きやすいのではないかというようなアドバイスもいただいておりますので,そういう方向も検討していきたいと思っています。
日本テレビ:その関連で,名称で,成田も新東京国際空港と,通称名で成田空港というものを使っていて,そういう通称名も案としてはあるのでしょうか。
知事:茨城空港の正式名は「百里飛行場」です。「茨城空港」が通称です。
日本テレビ:それプラスの通称ということです。
知事:「茨城空港」という通称をこのままにするのか,何かを上に付けて,英語に訳すときには,例えば「Tokyo Metropolitan Ibaraki airport」とするとか,そういうことなども含めて,これから検討していきたいということです。皆さんの意見も聞かずにすぐ決定するわけにはいきませんので,いろいろご意見をお聞きしながら対応していきたいと思います。
IBS:関連で,茨城空港は国際線については一筋の光が見えたかなという感じなのですが,国内線については現状でどのようなお考えをお持ちですか。それと,今後の対策についてお聞かせ下さい。
知事:もちろん,国内線も我々としていろいろ努力をしていかなくてはいけませんが,当面は羽田の発着枠拡大に航空会社の関心が行っているものですから,そういった点で,今,具体的な動きはほとんど出てきておりませんが,さらに努力をしていきたいと思っています。
我々は,国際線が入ってくることによって,国内線の就航にも結果的につながるのではないかと思っておりますので,そういう面も含めて,これからさらに努力しなくてはいけないと思っております。
共同:茨城空港ができるデメリットについて何か想定されていますか。例えば,常磐道が混むのではないかとか,それに対する対応策や何かが必要だとか,そういうことは想定されていますか。
知事:常磐道が混むほどにはとてもなりません。我々としては,デメリットよりはメリットの方がはるかに多いだろうということで茨城空港の建設を進めてきたわけでありますから,そういった点で,大きなデメリットはないと考えております。
東京:ローコストキャリアということで方針が打ち出されているのですが,航空会社の方に聞くと,実際にどのぐらいローコストなのかと,どのぐらい料金に差があるのかということが明確にされないと,というお話があるのですが,この辺はどうなのでしょうか。
知事:例えば,エアアジアXだけでも,これから就航するかどうか検討するためということで,膨大な調査が来ております。そういう中で具体に答えていく形にしておりまして,一般的にはこうです,という形ではなかなかやりにくいと思います。具体的な場合に,その都度お答えしています。
東京:例えば,下げ幅というのが3,000円とか5,000円という場合に,これが成田,羽田といったものの代替になり得るのかどうか。特に国際線でいえば,成田ではなくて安い茨城空港に入るとしても,首都圏に行く人が基本的に多いと思いますので,東京都内に行く人が多いと思いますので,あまり安くならなければそれがメリットにならないのではないかという意見がありますけれども。
知事:成田から都心へ行くのと,茨城空港に着陸して都心へ行くのと,多分,バス賃はほとんど同じぐらいになるのではないかと思います。ですから,そういう面で,茨城空港は少し遠いから不利ということにはまずなりませんし,それから,今,お話があった,ほとんどの人が東京へ行くという話ですが,必ずしもそうではなくて,今は逆に韓国のお客さんなどですと,ゴルフと温泉と電気製品のショッピングが来日の目的です。あるいはまた,エアアジアXが就航するマレーシアの場合ですと,電気製品,あるいは衣類,衣料品のいいものを安く買えるようなところに行きたいとか,いろいろ向こう側の期待が違ってきております。そして,エアアジアXの方に本県の職員が聞いてきたところでは,必ずしもお客さんの全部が東京へ行くわけではない。東京へ行くのは何割かだろうということで,他の何割かは地元でいろいろな名勝を巡るとか,あるいは買い物をするという形で,地元の活性化という面でも役に立つのではないかということも言ってくれております。私どもとしては,そういうことに大いに期待をしているところです。
また,今,メリットがあまりないのだったら(茨城空港に)来ないのではないかという点に関連して申しますと,首都圏に入りたいという航空会社はたくさんあるのですが,その受け入れ先がないのです。今度,国際線の発着枠を成田で2万回,羽田で3万回拡大しますが,もう2011年にはパンクすると言われています。その後をどこが受けるのかという点で,料金が安い,高いということの前に,受け入れ先を首都圏につくらなくてはいけないのです。まさか関西国際空港へどうぞというわけにはいかないわけでして,関西国際空港からまた日本の飛行機に乗り換えて,あるいはまた新幹線で東京に来るとなったら,時間もお金も膨大にかかってしまいます。彼らは,東京から90分から120分ぐらいの範囲だったら,LCCが就航できるための条件としては十分に備わっているということも言ってくれているようであります。茨城空港の場合には,東京まで車が混んでいて2時間,混まなければ90分以内で行ってしまいます。そういう意味ではLCCを受け入れる空港としての条件は十分に持っていると思います。
それから,LCCではない航空会社についても,東京からこのぐらいの距離だったら首都圏域内の空港として捉えてくれるのではないかと思っております。
読売B:鉄道の整備というのは茨城空港利用促進懇話会のメンバーも強く意見を打ち出しているようなのですが,具体的に,知事の中で,例えば,意見としては,鹿島鉄道をもう一回復活させたらどうだとか,それは難しいのかもしれないですが,具体的には,例えば,つくばエクスプレスを延ばすとか,そういう具体的な構想というのは知事の中にはあるのですか。
知事:いや,そこまではありません。きのう,坂本議員は,つくばエクスプレスを延ばしてもいいし,あるいは常磐線を伸ばしてもいいのだけれども,茨城空港からノンストップで東京へ入れないかという話を盛んに言っておられました。そうすると,ある意味でものすごく(東京に)近い感じになってくる,成田よりも近い感じになってくるということを言っておられましたが,そこまでやろうとしても少し時間がかかると思います。今後,日本への,特に首都圏への航空需要がどうなっていくのか。羽田をどんどん埋め立てていって対応していけるのかどうか。あるいは,成田でも,今の滑走路に加えて,さらに新しいものをつくれるのかどうかなど,そういう広い見地からの検討を行って,茨城空港がその中で相当の役割を担っていく必要があるというようなことになってくれば,今おっしゃられたようなことも十分に考えていかなくてはいけないと思います。
東京:開港当初ですが,先ほど,東京へのアクセスのお話が何度も出ているのですが,県が財政支援をして,東京への直行バスを財政支援するとか,それとはちょっと話が少し変わるのですが,安い空港という意味で,例えば,空港ビルの賃料の負担とか,搭乗率保証とか,そういった部分についてのお考えをお聞かせ下さい。2つ,別な話ですが。
知事:例えば,直行バスについては,長距離バスは,お客さんがそれほど満杯でなくても比較的採算が合うのです。ですから,経営面でそれほど心配はしておりません。
それから,ほかの面での交渉については,これは,先ほど申し上げましたように,一律にやるのではなくて,バイ(個別交渉)でやっていくことになると思います。この会社ならこういう状況でないと難しいかとか,どういうことに気を遣ってほしいかということはそれぞれの会社によって違いますから,最低限のことは一律にやるかもしれませんが,それ以上のことは,バイでやっていかざるを得ないと思います。
東京:バイでやる中で,例えば,賃料の補助とか,そういうものも支援の範囲ということなのですか。
知事:それもバイの中で条件をどう詰めていくか。例えば,最初に就航したところと10番目に就航したところとを同じように扱う必要はないわけですし,最初に多少無理でも就航してきたところについては,ある程度の優遇措置を考えるということも考えられるでしょう。それぞれの状況を踏まえた上で対応しなければいけないと思います。
時事:ふるさと納税についてお伺いしたいのですが,各都道府県によっては,取り組みをスタートしているのですが,知事ご自身は批判的な見解を示していると思いますが,この件について何か。
知事:茨城県に好意的にぜひ納めたいという方がいる場合には,我々としましてもありがたく受けさせていただきたいと思っておりますし,皆さん方に納めていただきやすい環境をつくっていく必要もあるだろうと考えておりまして,6月1日からホームページ上でPRをしていきたいと思っております。
(私がふるさと納税制度に)批判的ということについてでありますが,私は前々から申し上げておりますが,東京や愛知に集まっている税金が,ふるさと納税という形で本当に地方に回っていくのかどうかということについて,誰もシミュレーションを行っていないのです。ここ30年で見ますと,東京から転出した人の方がはるかに多くなっております。また,あるNPO法人の調査では,納めたい地域でも沖縄と北海道を除くと東京や大阪が上位に来ています。そういうことも含めて考えていくことが必要なのだろうと思っております。
それから,特産品などを景品として提供することについては,ほかの地方自治体に納められるはずの税金を寄付していただくのに景品を出すことがいいのかどうか。そういうやり方は地方自治体間の無用な競争を生んでいくことになるだろうと思っております。
お礼については,場合によっては,あまりお金をかけない形でお返しさせていただくということはあるかもしれませんが,多額のお金をかけて,こちらに寄付をすれば何かメリットがありますよということはあまり好ましくないだろうと思います。
東京や愛知など,裕福なところからだけ税収が移動するということなら話は別ですが,場合によっては,一番貧しい県から東京へ寄付がなされるかもしれないわけです。極端な話,東京が,財力があるからどんどん景品を出して寄付を集めてしまったらどうなるのかということもあるわけですので,他の自治体の方から寄付をいただくことについてどこまで積極的にやるべきかについて,私は疑問なしとはしません。